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2015.04.21

4/22 自治体議員のなり手不足は報酬改善でも土日議会でも解消しない社会構造の問題

今日、統一選の町村議会議員選挙が始まり、目立つ無投票当選から、町村部で議員のなり手がいないということが問題になっています。

報酬が高く、あふれんばかりの立候補者が出る東京23区議会と対比して、報酬の問題が中心で語られています。しかしそうなのでしょうか。一方で、報酬なんか払うな土日夜間の議会にすればもっとなり手が増えるという議論もありますが、それでも議員のなり手がめざましく増えるのでしょうか。どちらも実感がありません。
報酬がどう、土日議会がどうなんてちっちゃな議論で、本質的には合意形成の価値が、レッセフェールのカネの動きより低くて、あんまり意味を感じられない状態になっているからです。

議員報酬を問題にする議論は、議員報酬を下げろ下げろと言われ続けていたことに一定の歯止めを掛けるには大事な視点でもあります。しかしだからといって上げて人材が集まるかというとそんな感じはしません。

役員のなり手不足、そうした言葉で連想するのは、商店街でも、PTAでも、労働組合でも、町内会でも起きていて、どこも後継者不足が深刻で、後継者を指名できなくて組織崩壊した団体は珍しくありません。

自分の利益に直結しない合意形成に汗をかくことが、全く社会的評価を与えられないばかりか、経済的原理にあわないこととして唾棄される状況です。議員のなり手不足も、そうしたものの延長線上にあるのだと思います。

報酬を上げようが、土日開催をやろうが、小手先の改善。日常生活の上での合意形成の仕組みが崩壊しつつある中、世の中変える力が見えなくて、議員のなり手が少なくなるのは当たり前と言えます。

●まずはここ20年でぐんぐん進んだ、経済的原理の任せるだけで人為的な合意形成が無力な社会構造を変えていく必要があります。自分たちが話し合えば世の中変えることができるんだ、ということが、PTAでも労働組合でも商店街でも農協でも町内会でもできれば、役員のなり手は生き生きとしてくるのではないかと思います。その延長線上に、議員の仕事の意味が出てくるのだと思います。

●選挙をローカルパーティー込みの比例代表制にして、ナルシストしか耐えられないような、パーソナリティーを売り込む選挙のスタイルをやめた方がよいように思います。

●23区の候補者が多いのは、政党が競い合って出していること、自分の背負った生きる問題と無関係に名誉欲だけで立候補できる土地柄だからと指摘しておきたいと思います。自分のライフワークや問題意識があり、その視点から合意形成の一翼を担おう、という意思が感じられる候補者は少ないように感じています。

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コメント

なるほど~!! ウチのまち(北海道士別市)でも「なり手不足」は顕著だけど、市場経済至上の風潮に対して合意形成の価値が暴落しているっていう説明はうなづける。うんうん。ホント小さな事でもいいから合意によって変えてみたらいいんですよね。PTAで「昨年度と同じ事をやりますから役員になってくれ」とかいうよりも「みんなで子どものスマホをどうすればいいか話し合いたいから参加しないか?」のほうがいいってことですね!

投稿: 国忠崇史 | 2015.04.28 21:08

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