3/5 来年度予算の全体像、いじめ防止法関連議案などに質疑をおこないました
3月5日、来年度予算など38議案の本会議での質疑が行われました。今回は議案数が多い上、代表質問などの慣習がないので、予算に対する質疑には、市長の施政に対する質疑も行われてしまうことから、ロングランな議事になり、終了は延会手続きを含め、翌日午前1時までの審議となりました。
(このブログの予測は補正予算までは読みどおりでしたが、条例あに関しては予想を上回りました。確かに、1条例あたりの審議時間を考えると、読みが甘かったと思います。)
議案は、市の来年度の全事業を裏付ける「一般会計予算」含めた予算案6本のほか、いじめ防止法が求めている調査委員会の設置、建築物に修景やカラーコードなどが入る景観条例、介護保険制度の地方分権関連、介護保険料や保育料の値上げ改定など。
詳しくは「続きを読む」をご覧ください。
また市議会閉会後になるのではないかと思いますが、録画公開も行われます。
●5日の市議会本会議で私が行った質疑の概要
【第1号一般会計予算】
Q 引き続き現金不足気味の財政のなか財政再建計画はないのか。財政の基礎体力があるのに同様の資金不足になり始めている富津市が、財政危機を表明したニュースに地方財政の関係者が関心を持っているところ、市の認識を聞きたい。
A 国からの補助金・交付金や税収が毎年変化するなか見込みが立たず、財政再建計画を策定する予定はない。
Q 中期的な資金計画ないと、政策的経費がどのくらい充当できるのか判断がつかないのではないか。突然予算策定のしわ寄せが市民に来たり、事業が追加されたり、不安定な市政運営になりはしないか。
A 固定費の運用は計画的にやっていきたい。その中で議員の指摘のことは整理しておきたい。
Q 目的別の積立金の組み替えは望ましくないので、(使途自由の積立金)財政調整基金に必要な残高を判断する参考として、現金不足のなか資金繰りの状況をうかがいたい。
A 税が最初に入金する6月までは基金等の現金を繰り替えして運用しており、その額は最大13億円になったことがある。
Q 今回の予算、補正予算ともに計画策定の予算が多く盛り込まれているが、コンサルタント会社に委託するのししないのとで10倍ぐらいの開きがあり、委託すると1000万円近くかけている。しかしコンサルタント会社が関与した計画策定は工数管理、工程管理が固まり過ぎていて、融通がきかないことが多く、審議会・委員会に関わっている委員さんたちがアイディア出ししても全く計画策定が変わらないことがほとんど。紋切り型の計画ばかりが作られる。コンサルタント会社の活用は問題ではないか。
A コンサルタント会社が助けてくれないと策定できない計画もあり、政策企画で精査して使用を認めている。優秀なコンサルタント会社もある。
Q 優秀なコンサルタント会社を選ぶ仕組みはあるのか。ほとんどのコンサルタント会社の選定が、価格入札しかしていないではないか。
A 中身を見て選ぶことは大事だと思う。
Q 計画策定の審議会・委員会の予算が委員報酬とコンサルタント料しかなくて、市民が参加する公開の学習会や、意見を聞くワークショップなどが行われない。
A コンサルタント会社の自発的な提案で、委託料のなかから行われることもある。
Q 保育施設や介護施設が不足し、保育園や学童保育では、現に利用している人も、年齢が上がったら入れないような定員設計になっているのに、施設整備予算がないが、よいのか。
A 施設不足で迷惑をおかけしていることは認識している。小規模保育の整備など進めていきたい。
Q 低年齢児の保育需要は高いが、そこを増やしたらますます3歳児の保育枠や学童保育の枠が減るではないか。お金のかかる低年齢児保育をやって、これから保育コストも下がる、保護者の収入もあがるというところで保育がありませんから保育利用を継続できない、ということで持続可能性のある保育政策になっているのか。
A 今後改めて検討したい。放課後児童クラブは緊急の対策を打ち、本日議場に案内を配布した。
Q クリーンセンターの改築の設計予算が入っているがどのような進み方をするのか。
A 平成27~29年の3年間で計画を立て、立地の形状や測量、ボーリング調査などを行い、生活環境調査、処理方式のなどの検討を進め、平成30(2018)~34年の4年間を工事期間としたい。
Q 包括契約など不透明な契約にならないか。分譲マンションの維持管理など割高なフルメンテナンスを見直しているところもあるなか自治体のような発注方式に切り替えている時代に、逆行していないか。
A 検討のなかでは、財務資本も含めてPFI方式やDB、DB+1などの方式や、設計建設運転の包括契約も検討しているが、プラントメーカーなどの定性的評価なども進める。
【第7号一般会計補正予算】
Q 来年度に執行する財政支出を、国の要請とはいえ今年度予算の補正で計上して継続費などで執行してしまうことは、やむを得ないこととはいえ、問題だと認識していないのか。後ろめたさはないか。
A これでよいのかという感覚はあるが、違法ではない。やむを得ないので後ろめたさはない。
Q 埼玉県の生活保護行政を先取りしていた、生活保護など困窮家庭の子どもに対するアスポート教育支援事業が、単なる通塾の補助になったのは問題ではないか。貧困家庭の子どもには、人的に関与する仕組みを残さないとまずいのではないか。
A 県の補助事業が急にとりやめになったことと、国の事業ではこうするかたぢだと交付金が出るから。現状利用者数も少なく見直した。
Q プレミアム商品券の経済効果を測定するのか。
A 利用者へのアンケートや産業連関表などを検討したい。
【第12号職員給与の改定と第14号市長・副市長・教育長の給料の改定】
Q 地域手当を国家公務員の8%ではなく10%とすることは問題ないか。
A 周辺市より2%低く、来年この率に改定される見込みになっているので、人材募集やモチベーションの観点からこの率とした。
Q 市長給料の30%カットはやり過ぎだと思っていたが、今回10%分が元に戻っている。額の是非はともかく、その10%は何に該当する復元なのか。
A 昨年実施した財政事情によるものである。
Q 昨年、財政事情から1%カットをやったがなくなっている。障害者福祉などで減らされた。そのなかに合理的な廃止もあるがなかには切実なものもあった。事業がそのままの状態で職員だけ給料を復元するのか。
A 当初1年限りとしたので、今年は終了させた。障害者福祉のカットについては申し訳なく思っているし、財政事情が好転したら考えたい。
【第17号行政手続き条例の改正】
Q 市民が他の市民の違法行為の是正を市役所に求めるときに文書が必要になるなど、運用の変更が大きくなるなか、市民に周知はされているのか。
A 可決後、広報あさかなどで周知したい。
【第18号介護保険条例の改正(介護保険料の改定・基準第5段階4125円→4650円)】
Q 検討する介護保険事業計画推進会議で、いくつかの提案がされたと聞くが、どのような議論経過を経たのか。
A 市の原案に対して、これまでの市独自の低所得者対策などを評価して継続するよう求める意見などがあり、今回の提案とした。
Q 基準保険料を元の提案より200円高くして、低所得者対策を厚くして、全体として払える保険料体系にしようと努力した内容は評価すべきところもあるが、低所得者対策に来年度以降からはさらに国の低所得者対策が入りり、相当に安い介護保険料になっていく。純粋な低所得者はこれでよいが、年金の種類によって非課税対象の年金を多額に受け取っている人がどんなに高くても低所得者対策に入る一方、本人年金の場合は低所得者対策がない。年金受給者間の保険料の不公平感をどうするのか。
A 何を介護保険料の基準とするのかは、国の定める所得階層区分なので、変更できない。
【第27号まちひとしごと創生総合戦略審議会の設置条例】
Q 現在策定を進めている総合計画と目標がダブって、事務が重複するのではないか。全庁的にも無駄な作業が増えてしまうのではないか。
A 総合計画とデータを共有したい。
Q データを共有するだけではなくて、作業も共通化させないとムダではないか。
A 国の交付条件として、別の審議会として計画策定しないと経費を交付しない、と言っているので、ムダを無くしていきたいが、できないときはそれぞれやる。
Q 想定する委員構成は。総合計画の審議会を横滑りさせるなど効率的な方法は考えないのか。
A 知識のある方に委員に就任をお願いしていきたい。
【第28~30号いじめ防止法関連の委員会設置議案】
Q いじめ防止基本方針を策定する委員構成が公務員ばかりだが、どのような認識か。
A 副市長を本部長に、校長などで構成するが、警察、PTA、人権擁護委員などで構成したいと考えている。
Q それでも外部者というだけで、市にドメスティックな委員ばかりで、゜内部事情優先の結論にならないか。専門家はいないのか。
A 考えていきたい。
Q 昨年8月に一部学校でいじめは規律強化だけで解決できる、という持論の政党幹部が教員研修の講師をして問題になったが、その責任処理が行われていないのに、今回このような委員会を設置して大丈夫なのか。この研修は、発生した事案に解決を働きかけていかなくてはならない、という防止法のスキームから外れはしないか。この研修は、いじめ防止法のこうしたスキームに矛盾することをした研修は法秩序に挑戦する問題という認識はないか。
A 昨年のことでは大変ご心配をおかけした。いじめ防止法の考え方にのっとって運用していきたい。
Q 教育委員会におかれる専門委員会が重大事案の調査にあたるということで肝となる機関だが、委員の職名の専門家として臨床心理士や精神科を想定しているであろう医師しか挙げられていないが、教育委員会はいじめの解決に心理職だけでできると認識しているのか。心理主義ではないか。
A ソーシャルワーカーなどの配置などを考えたい。
Q 守秘義務をどう考えているのか。個人情報は守られなくてはならないが、関係者がケーススタディをすることも大事ではないか。
A ケーススタディは重要で、個人情報が特定されないように注意しながら取り組む。
Q 教育委員会の調査が機能しないときのヘッジとして福祉部に調査委員会が設置されているが、以前の福祉部長の答弁で、体罰や福祉事業に関する人権侵害なども含めて、今回の調査委員会の設置を検討する際に福祉や子ども政策に関する人権侵害の調査や解決にあたる機関の設置することを考えたい、という答弁があったが反映しなかった理由は。
A 今回はまずはいじめ防止法への対応ということで検討した結果、分野を限定させてもらった。
【第32号特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の利用者負担に関する条例】
Q 保育料の改定条例だと思うが、どうしてこのように保護者が理解できないような条例名にしたのか。
A 条例で定める施設名称をそのまま使用した。
Q 基本保育料は丁寧に考えられたが、肝心の利用者からの意見、パブリックコメントに一言もなかったように、保護者が理解できない提案にしているのではないか。延長保育なども保育料のトラブルになりやすいが、そうしたところの統制、延長保育の概念も統一すべきではないか。(延長保育に関しては、はるか昔の常識が制度の定義になっており)、いささか理解や議論が混乱して市民にはわかりにくい。
A 定義がわかりやすくなるよう整理したい。
※過去記事 10/27保育料の値上げ内容が決まる
【第35号景観条例】
Q 市の景観条例の詳細な運用を定義づける景観アドバイザーの人選は。
A 研究者など専門家を選びたい。
Q 景観の全体調整はどのようになるか。
A 景観計画ならびに、設置される景観審議会で定めていく。
Q 景観づくり団体は
A 県の条例ではその地域全員が入るなどの条件があるが、朝霞市の場合は景観を良くしていこうと具体的な取り組みをする市民が近隣で有志を募っていただければ指定できるようにしている。
Q 既存不適格的な建築物・広告物の対応
A それはそのままでよいが、増改築はこの条例の対象になって規制がかけられる場合もある。広告物はこれからの議論になっていく。
【第38号市庁舎耐震化の工事請負契約】
Q 工事価格が上昇しているが、この契約額は守られるのか。
A スライド条項があり、著しい価格上昇があった場合は工費は上昇する。その際はまた改めて契約変更議案を議会に提案する。
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