2/2 会津若松の政策提言型の市議会運営を学ぶ
2日、朝霞市議会の議員研修会があり、会津若松市議会の目黒前議長をお招きして、「議会改革運動論」として議会改革のキモをお話くださりました。
全国の自治体議会で、現在議会改革が取り組まれていますが、様々な技術的な改革は評価しつつも、考え方としてのキモとして、
①市民と直接対話する意見交換会
②議員どうしの自由討議
③請願・陳情者の意見陳述
の3点を指摘されました。
会津若松市議会では、市民と直接対話する意見交換会で、市民から市政に関する意見・質問を受けながら、課題を整理して、議会として取り組むべき課題を議会全体で予算・決算審議のチェックポイントとして判断、必要とあれば付帯意見をつけている仕組みを整備しています。
そのために、自由討議が必要だと言います。議員どうしが議論してベターな結論を出すためには当たり前のことです。
現在は自治体議会の議論の多くが、議員が行政を問い詰めるかたちで進められています。行政監視という点で最大の効果がありますが、それだけだと全く創造性がありません。行政も防御の論理だけしか仕事の規律を保てません。
市民から市議会に請願・陳情の提出者の意見表明の場の確保、という点は現在朝霞市議会では改革課題として取り上げており、そこは目黒副議長と問題意識を共有できました。
行政と市議会が、提出者の意図とは関係なく議論する請願審査のあり方に、それでよいのか、と議員のなかから問題意識が出たからです。
目黒さんが議長時代、白虎隊自刃の地を管理している社団法人から、飯森山に水洗トイレを設置してほしい、という要望書を受けたことがありました。社団法人のトップには、市議会への請願・陳情として出し、市議会で提出理由や様々な質問をしてもらって答えられるようにしてほしい、と返し、議会でのやりとり、市議会の決議を通じて、水洗化が実現した話などを紹介しながら、市民に役に立つ市議会ということをもっと意識した動きをした方がよい、と話されていました。
市議会に入って、議案に対して賛成か反対しか態度表明ができず、議論して結論出すということは、白黒の論理だけではないだろうと思っていました。そこにこたえていただけた研修だと思います。
朝霞市議会ではこれまでの議会改革で情報公開などを中心に取り組みを行ってきましたが、市民に意味のある市議会として認識していただくためには、こうした改革を盛り込んだ次のステージに進まなくてはならない、と感じた研修会でした。
終了後、懇親の場が設けられましたが、朝霞市議会に大きな激励をいただきました。いわゆる「与党」「野党」との間が、日常的な場面では極端な対立関係にないので、改革が進むときには一気に進むだろう、と言ってくださりました。感謝いたします。
●実は、ここのところ市議会民生常任委員会では、休憩時間中としながら議員間討議をすることが増えています。採決の前に、提案された議案の長所と短所を再確認してしから、賛否の決意表明「討論」をして採決することが増えました。私の勝手な推察ですが、同委員会が「与野党逆転」した勢力比になって、白黒だけで採決してしまうと全く非生産的な結論になるからではないかと見ています。
また、請願者の意見表明も、先日の教育環境常任委員会で、放射能検査の強化を求める請願審査で、提出したひまわりの会の代表者に出席をお願いして、提出理由と質問をお願いし、行政の都合だけではない情報も引き出すことができています。
少しずつですが、やむにやまれず始めていることもあり、それをどのようにきちんとした仕組みにしていくかが今後の課題かな、と受け止めました。
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