1/28 請願した市民の意見陳述が行われました~市議会・給食への放射能検査の強化をめぐって
28日の市議会・教育環境常任委員会で、11月に市民から市議会に提出された「学校・保育園の給食の放射能測定の改善に関する請願書」をめぐって、提出した市民の意見陳述が行われました。
内容が専門的なものであり、市側の収集する情報だけでは十分な判断ができない、と思うところもあり行われたものです。
請願をめぐって、提出した市民をお招きしてご意見をうかがうのは、市議会としては久しぶりのことでした。私の所属する民生常任委員会も同じ請願が提出されており、都合のつかない1人を除く民生常任委員も、この議論に参加いたしました。
市民からの請願は、現在の朝霞市が熱心に放射能検査をしてもらっていることは理解しているが、さらに精度の高い検査を行うために、現在の機材のほかに、10ベクレル以下も検出できる検査器の導入を求めるほか、市の放射能検査の結果も市の基準値以下のものを「不検出」と記載するだけではなく実測値も記入してほしい、などを内容とするものです。
昨日は請願者に来てもらい、請願を提出した経緯や理由、市議会議員が市職員に聞いてもわからない疑問点などを質疑しました。その後、委員会採決をするか判断しましたが、次回以降の判断となる「継続審査」とすることを決して終了しています。
●請願を提出した市民に、意見表明をしていただいたり、議員からの質問に答えてもらう機会をつくるのは、市議会の改革のテーマとなっています。
現在は提出者を市議会に呼ぶことはめったにしていませんが、その場合、市民が市政に困っているから課題があるからと請願を出しているのに、現状の仕組みのもと精一杯仕事をやっている市職員と議員だけでその扱いを議論するのは手続き的に問題があるのではないか、と思います。もし、請願に応えられない判断をするとしても、何が課題で応えられないかを市役所の事情だけではなくて、全体状況から正確に突き詰めておくことが大事ではないかと思います。それがその後の市政の改善につながっていくはずです。
また、これは市議会の課題ですが、昨年来の自治体議員の相次ぐ不祥事で自治体議会不要論が根強くあります。朝霞市民も口には出しませんが、投票率が3分の1を下回ろうとしていることは、潜在的に市議会に意味を見いだしていない市民が多くいるのだと思います。いったい市議会は市民とどう向き合おうとしているのか、従来の後援会を通じた市民の組織化だけではなく、こうした表玄関からも市民と向き合い、議論に巻き込んでいくことで、かえって市議会の機能や議決権の意味を理解していただく機会になるのではないかと思います。
●委員会でどのような議論が出たかは、続きを読むでご覧ください
●請願は、「放射能から子どもを守りたいひまわりの会」から提出されました。請願内容は
1.ゲルマニウム半導体検出器の導入をお願いします。
2.放射性物質が検出された食材はHP上で実測値を公表してください。
3.放射性物質が微量でも検出された食材は、国の定める基準値以下であっても使用を中止してください。
というものです。
この請願は11月10日に提出され、12月の定例市議会から議論が始まっています。
※なお、朝霞市は2012年度から、シンチレーション型検出器で放射能検査を行っており、毎回1食分、週1回材料検査を行っています。請願者は、そのことは評価しつつも、この検査器が1㍑10ベクレル以下の放射能を検出できないことを課題としています。また、不検出の場合、検出下限値となる数値が公表されないことも課題としています。
●委員会の審議に向けて、請願提出した会からは3通の資料提出が行われています。
1.ゲルマニウム半導体検出器(ガンマ線スペクトロメーター)について(提出者が作成した検査過程の写真記録)
2.武蔵野市が導入している放射能測装置TG150Bベクレルモニターの商品案内(テクノエーピー社)
3.武蔵野市小中学校学校給食食材の放射性物質測定の結果について(平成26年度)
●紹介議員(岡崎和広議員)の説明の後、請願提出した会の代表者には請願提出の趣旨説明が行われました。
〈内容〉
市議会で話す機会を作ってもらい感謝。2011年3月の福島第1原発からの放射能の放出で被害を心配する保護者で活動している。勉強会や、会員間の話し合い、会員外も含めた茶話会などを通じて活動している。その取り組みの一つとして給食を取り上げている。放射能の問題は、マスコミでもだんだん取り上げられなりこれからが心配だ。
給食は学校に通う全ての子どもたちが食べなければならないもので、選択権がない。できるだけ安心して食べてもらいたいという願いから請願を出した。
子どもの尿検査や甲状腺検査で放射能の影響が検出されている。原因を特定できないが、放射能の心配をこれ以上にしたくない。
(その後資料説明)
●その後請願提出した会の代表者に教育環境常任委員である議員等から質疑がおこなわれました。
Q 資料の説明を
A 導入している武蔵野市に調査した資料と機械の資料を提出している。実際の使い方は現在の朝霞市のシンチレーション型と同様で、従来型のゲルマニウム検出器のような複雑な操作は不要。武蔵野市で導入している当資料の機械は液体窒素による操作が不要で、従来機が2000万円だったものが武蔵野市は950万円で購入している。
Q 思いについてお話を。
A 子どもの甲状腺がんが見つかっているということは他人事ではない。最近では放射能への心配が共有できないので、自衛するしかないが、自分だけで守るしかない状況。見えない問題だが、見えないからと無視することはできない。゜少しでも影響を食い止めたいという思いである。
Q 週21食のうち5食を検査することをどう考えるのか。外食はどうなのか。
A 家庭で提供する分は、保護者として測定されてる食材を使用している。外食についても相当心配しながら摂取している。
Q 県内や近隣市のゲルマニウム検出器による検査実施の状況は
A 県内18市町村で実施している。入間市では食後だが月2回、ふじみ野市も外注で実施。近隣市では和光市がシンチレーション検出器を1台所有していて順番に各学校の給食を測定の上、週1回ゲルマニウムで外注、志木市は朝霞市と同じくシンチレーション検出器、新座市は外注で月2回ゲルマニウム検出器で実施。
Q 国の基準値への評価は。
A 震災後引き上げられた。基準が大丈夫だと言い切れないのと個体差もある。外部被曝と、体内被曝では同じ放射線測定値でも異なり、チェルノブイリ原発事故では孫の代に出てしまうということで心配している。保護者としてやるべきことはやった、と言うようにしたい。
Q ヨウ素やストロンチウムなどカンマ線以外の放射線を出すものはどう考えているのか。
A ストロンチウムはカルシウムのように取り込まれるので心配している。
Q 単品検査をやってくれと言って実現したばかりなのに請願を出すことをどう考えているのか。
A 市や教育委員会には当初からゲルマニウム検出器を導入してくれと申し上げてきた。検出限界を見落としてしまうからだ。
Q (食品を生産している)被災地の人たちの努力をどう考えるのか。
A 被災地の人たちを応援したい。風評被害とは、正確な情報で判断しない被害だと考えている。実測値を知って不検出としたものを子ども達に食べさせていくということが必要ではないか。一生つきあっていくなか極力影響を受けないように。
Q 朝霞市の検査をどう考えるのか。月1回とか2回の検査ではダメなのか。
A 他市よりきちんと向き合ってくれている。そこは朝霞市で良かったと思っているが、心配を無くしていきたいという思い。口に入れるものなので、できるだけ精度を上げないと防ぎ切れない。武蔵野市も(検査時間の関係で)検出されたとしても基準値以下なら給食として提供して、検出された食材・産地を以後回避するなどしてリスクを低減する対応を取っている。
Q 保育園は数も多いし、運営法人もたくさんある中、どう対応したらよいか提案はあるか。
A 私たちもどうしたらよいか悩んでいる。
●教育環境常任委員会として、請願に対して、
1人の委員が採決を求めたものの、
1人の委員がこうした請願はもう少し合意形成を図るべき、として継続審査を求め、
3人の委員も継続審査に同意したことから、
今回の常任委員会では採決せず、次回の教育環境常任委員会以降に採決することにしています。
●保育園給食にかかる部分は、私の所属する民生常任委員会でも審議の対象になっており、請願者の意見表明を求めることを検討しましたが、
・度重なる市議会への出席を求めることによる請願者への負担
・想定される質疑も重複する内容となること
・教育環境常任委員会との連合審査では採決での手続き的課題があること
などから、必要であれば委員外議員としてためらうことなく質問することとして、今回の教育環境常任委員会に傍聴出席することとして参加しています。
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