11/18 まちづくり関係の2つの会議を傍聴
まちづくりに関する2つの審議会・委員会をチェックするために傍聴しました。
18日夕方は、朝霞市の総合振興計画審議会を傍聴。2016年からスタートする10ヵ年の総合計画の策定をしています。市の全体計画なのに、議会には抽象的・基本的な事項しか審議にかけられないので、詳細は傍聴して逐一、感想を言っていくしかありません。そのためしつこく傍聴するようにしています。
18日の審議内容は、総論と基本構想。今回、話題になったのは、ここにリンクさせる「都市マスタープラン」というどこをどういう地区にしていくのか、という図面。リンクさせるはずなのに、審議会の全体会に初めてかけられ、承認してくれ、という提案だったので、委員からは猛烈な反発がありました。その反発のなかには一部思い違いもあるように見受けられましたが、公開された全体会で揉んでこなかったことは、確かにあるな、と見ていました。
市民がまちづくりというと、やっぱり地図とハコモノに向かってきます。そこは大事だし、委員のみなさんもそれは気にすると思います。
来年1~2月頃に30日間の第一次のパブリックコメントが行われることも決定しました。
19日朝は、基地跡地利用計画検討委員会を傍聴。
私が市議会議員になった大きなテーマの一つなので傍聴したかったのですが過去3回とも用務とぶつかって聞けず、ようやく傍聴いたしました。今回は、いくつかの重要な提案がありました。
①公務員宿舎跡地の用地を公園ゾーンとし、図書館・中央公民館隣接地を公共施設用地のゾーンとして入れ替える。
②新たにすでに小中学校や福祉施設、体育施設等があるところはそうしたゾーンと位置づける。
③いわゆる「シンボルロード」の計画を市役所前交差点まで伸ばす。
④商業のゾーンを朝霞駅周辺から、旧イイダ前の通り、城山通りまで拡張する。
⑤新たに旧川越街道沿いを商業ゾーンとして位置づける
という内容です。
公共施設用地の確保をめぐって委員間で大きな意見の違いがあり、今後の課題となります。
単なる安らぎの空間として作っても市民に大事に思ってもらえない、という大事な提案がありましたが、それが、世界一の公園とか、起業の場に、という実体があるように思えない話になってしまったのはちょっと残念な感じがしました。その関連でシンボルロードのあり方について自由な議論があったと思います。
最近のまちづくり系の議論は、集客力と経済的利益に議論がひっぱられるな、と感じています。池袋には勝てない、池袋ではできないことをする場、周辺の商業のあり方を模索しないと、集客力や経済的価値の創出に議論が引っぱられると、結構しんどい展開になるのではないかと思います。
朝霞市民は県内4位の所得水準で、人口も13万人と地方の県のナンバーツーぐらいの都市と同じくらいの人口があるのですから、池袋の向こうをはって集客力などいうよりも、市民が寄って使っていく仕組みがあれば相当なことができるのではないか、と思っています。
また副会長から、ハローワークの位置一つ調整できなかったのに大丈夫なのか、と不安を指摘する意見がありました。名前こそ出さなかったものの私が市議会で問いただしたことも言及していただきました。
そういうことはありながらも、歩きたくなるような利用をしていきたい、という市、委員全員の共通した価値観はできあがったのではないかと思います。
●もちろん美しい表現をしようと思ったのでしょうが、「バスに乗っている人がバスに乗らずに歩きたくなる」という委員の発言があったので、終了後、認識が違う、バス利用者は歩いていないのではなく歩くこともあるけれども、歩きたくなるまちづくりの最大の敵はマイカーの濫用なので、バスと歩行者を対立するものという価値観を改めてほしい、と申し上げました。
朝霞市の公共施設の過剰な駐車場へのニーズは、公共交通の不足と公共交通への誘導の不足にあります。
●商業ゾーンとして位置づけされて、それが都市計画上でも商業地として指定されると、土地の付加価値を最も生む活用が分譲マンションの建設・販売となってかえって商店がなくなる、ということにならなければいいなと思っています。この点、金融資本と不動産業が何より強い産業になっていて、身内でもこうした状況をめぐる深刻な意見のちがいがあって、胃の切れるような思いもしています。
●私は公共施設用地の「種地」の解釈をめぐってどうしたらよいのか、時間軸を加えて考えていった方がよいのではないかと思っています。
もちろん私はハコモノ公共事業で都市開発されると活性化するなどという、ピカピカツルツルの無機質さを求めているわけではありませんが、じっくり考えながら、市民が参加するということが徹底された上での公共施設の再配置と、それにともなう空間を作ることに全く否定できる論理ばかりではないと思っています。とにかく一足飛びに何かを作るのではなくて、じっくり議論と思考を重ねて、基地利用を展開していくことが大事ではないかと思っています。
公園として保全したいという考えと最もぶつかる大きな課題は図書館ではないかと思っています。人口9万・マンションがあまりない時代の都市条件で作られた図書館は、敷地不足が深刻な状態で、読書や蔵書スペースの確保が課題、市民活動団体からの要望も提出されています。将来的には想定される公文書保存などの業務など、対応できないなど新しい朝霞市のための課題も出てきます。そのあたりを公園だけ、という主張でよいのか考えなくてはならないところもあります。
朝霞市は現在、財政難で、複雑な金融工学を利用した公共施設向けのリースを使わない限り、施設建設はできない状態です(仮に今すぐ金融工学を使って建てたら、今度は債務残高が問題になり、本当に財政に黄色信号がともり、総務省からの介入を受ける危険性があります)。市の貯金と、健全に借りられる市債の範囲からしか公共施設を作らせない、というタガをはめることが、大事ではないかと思っています。
●都市計画系の構想図の独特なペインティングって何とかならんか、と思うところがあります。20年ぐらい前から使われている手法ですが、地図に素直に線を引けばいいのに、太いカラーの点線と両矢印、太いカラーの楕円をあちこちに乗せていきます。
説明を聴かないと全くわからない図面で、誤解も生まれるし、疑いも生みます。正確な図面なら混乱しない話が、この手の書き方をした地図がでてくると、議論の混乱が多いな、という感覚もあります。
都市計画畑の文化なのか、コンサル業者の体質なのか、改善してほしいものです。
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