9/28 火山噴火と危機管理
昨日あった木曽御岳の噴火、被災者が1人でも少なくなりますよう、お祈りいたします。
さて、これを我がこととひきなおすと、首都圏全体でかなりキワドイ問題が浮上します。
富士山や浅間山など関東平野をとりまく火山が噴火し、大量の噴煙を降灰させたときの被害です。もちろん灰の種類、飛び方で全然被害が変わってきます。
熱風、溶岩の到来となれば、もう危機管理云々という状態ではありませんが、一番始末に悪いのは、そうした被害がないなかで、細かい粒子で、金属性の物質を大量に含んだ降灰が次から次にとめどもなくやってくるときです。「地域」という概念を超える広範囲にわたって、電気設備がショートする可能性が高く、電気が使えないことから、電灯がつかないだけではなくて、水道も動かない、物流を支えてる受発注システムも動かない、避難するための電車も動かない、クルマに至ってはエンジンの呼吸と、電装系の両方からアウト、となり、数日内に物がなくなったまちから、何十キロ、百何十キロの道を徒歩で脱出しなければ住民一同飢え死にします。
それが首都圏のかなり広域にわたってですから、首都圏3000万人全員ではありませんが、100万人単位の難民が発生して、首都圏外に脱出しなければならなくなります。大混乱です。対応が遅れれば遅れるほど、残った食糧を誰が食べるのかという問題になってきますので、避難民どうしの窃盗・略奪などが出てくる危険性もあります。
そんな恐い話があるのに、国が火山噴火の方針をまだ決めていないから、と多くの自治体では火山噴火を想定した危機管理について、検討すらしていない状況です。
●電気を使って効率的な社会を作れば作るほど、電気がなくなった途端イチコロの社会になります。
土地の効率的な使用って言って高層化するということは、高層化した住宅それぞれに水を圧送するポンプを設置して、エレベーターを設置しないと役割を果たしません。
小売業が在庫を極限まで減らすということで計算しつくされた物流をやれば、情報システムがないと物がまったく動かなくなります。
防災のための様々な電気製品を購入させる動きもあって、悪いことではありませんが、電気が使えないときどうする、ということが考慮されていないとしたら、きわめて危険なことではないかと思っています。
●被災者の治療にあたっている長野県立木曽病院は、看護師がどのような日常と勤務にあるのかを記録するために、2日半お邪魔して、日勤、夜勤、準夜勤の勤務サイクルと生活がどのようになっているのか見せていただいたところです。あのときに協力してくださった医療スタッフのみなさまが今奮闘され、またまだ下山できていない人に対する対応をめぐって忙しくされていることを思いながら、陣中見舞いの気持ちでいます。
| 固定リンク
コメント