9/25 より安全のための修正の試みは遠く~子ども子育て新制度に向けた条例原案どおり可決~9月定例会最終日
25日、市議会9月定例会最終日。8月27日から議論を続けてきた、各条例、前年度決算、補正予算などの討論と採決を行いました。
市議会としては全ての決算を認定、利益処分と若干の追加事業を含む補正予算の全てを可決、市長提出の条例改正・新設案はすべて可決という結果になりました。
このうち、私は、①国民健康保険の前年度決算は、前年度に予算の予算見積もり誤りがあり(議論済みだが)、決算としては認定できない、②一般会計の補正予算で今回決めなくてよい部分を除くと、社会福祉協議会、文化スポーツ公社からの多額の指定管理料の返還金が雑入で計上されており、これら外郭団体の自立・自主性を奪うものとして反対、③障害者医療給付に関する条例では、障害者医療費無料化の施策のうち、65歳から新たに障害者になる人を対象から外す、という内容に反対し修正案に賛成、修正案が通らないなら反対、の3議案に多数派と異なる賛否を投じました。
全議案の採決結果と、私の討論内容は「続きを読む」をご覧ください。
また全議員の賛否の表は、近日公開の市議会ホームページから確認できます。
●各議案の採決の前に「討論」というものを行うのですが、採決に向けての相手への説得だと思うのですが、日本の議会では単なる「投票態度説明」に終わってしまっていて、もったいないものです。
町村部に多いのですが、議会改革が進んだ自治体議会では、投票態度表明の討論の前に、本当の討論として議員間討議というのを導入して、議案に対して議員どうしで議論をしあい、参加している議員が最後に自由に賛否を考える機会を作っています。
私自身も含めて、討論で、相手に投票態度を翻してもらうことを前提に議論をしている議員がいただろうか、と自問自答しています。
●通常、8日~12日まで開かれた各委員会審議が終了すると、審議のなかで行政から委員会に提出された資料が委員以外の議員にも配布されるのですが、今回、教育環境常任委員会の資料だけは、ずっと配布されない状態が続き、いぶかしがっていました。
ようやく昨日の最終日に配布されました。
その資料を見ていたら、最後の方に、市内の一部学校で、次世代の党の山田宏幹事長を講師として呼んで、選挙や支持拡大の演説ではなかったようだったものの、政治的な内容、逆の立場がやれば偏向だの何だの言われるような内容の教員研修を行ったようです。これを容認するなら、教育という場での、教職員の政治活動の部分的解禁です。そのことが70~80年前にどのような意味を持ったのか、反省が必要です。
公務員にも政治的自由は認められるべきだとは思いますが、あくまでも私人としてであり市民や地位を利用してのものであってはならないものです。地方公務員法的にも問題ではないかと思っています。
これについては、教育環境常任委員会で、25日以降、12月定例会までの間、閉会中審査が行われ、真相究明が行われるようです。
●野党議員にとっては重要な事業評価となる決算(またこの資料のつくりが不親切)、清掃工場や新航路の設定など重要な一般質問、子ども子育て新制度の関連条例の対応で、机といすと書類と会議室と資料購入の書店ばっかりだった2ヵ月だったと思います。
●25日最終日の採決結果と私の討論の内容は以下のとおりです。
【決算認定…すべて認定】
平成25年度朝霞市一般会計歳入歳出決算認定について 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、黒川
〈反対〉共産党、田辺、小山
・討論者 山口(反対)、野本(賛成)、小山(反対)、黒川(賛成)、石川(反対)、田辺(反対)
・私の討論 市民協働や保育所の整備など落ち着いて良質な事業が展開できた1年。ただし外郭団体への財政的な閉めつけ、次年度から行われる各種サービスカットに対する各審議会への諮問がなかったことなどは問題。是正されたい。またこの年度は久しぶりに実質単年度収支の黒、財政調整基金の積むことができたが、先日財政危機宣言を出した千葉県富津市と住民1人あたりの数値では類似の決算内容であり、資金繰りは厳しいということを忘れないようにしてほしい。
平成25年度朝霞市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について 賛否→×
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会
〈反対〉共産党、田辺、小山、黒川
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、黒川(反対)、田辺(反対)
・私の討論 平成25年度は当初予算で、各社会保険と65~74歳までの退職者の医療保険を負担するための協会けんぽや他の健康保険・共済組合との間で財政調整で受け取る「前期高齢者交付金」の見積もり誤りをしその内容が、他市と比べて桁2つも違う誤差が出た結果、多額の追加財政投入が必要になった。事後の事務処理や保険運営の事務についてはともかく、こうしたことがあった1年なので認定できない。また当初の説明で、国のせい支払基金のせいというような説明をしたことも我がこととしていない仕事として指摘したい。また、誤りの原因である平成25年度当初予算を見抜けなかった私自身の反省でもある。
平成25年度朝霞市都市計画下水道事業特別会計歳入歳出決算認定について 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 田辺(反対)、星野(賛成)
・私の討論 せず
平成25年度朝霞市介護保険特別会計歳入歳出決算認定について 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、田辺(反対)
・私の討論 せず
平成25年度朝霞市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定について 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、田辺(反対)
・私の討論 せず
平成25年度朝霞市水道事業会計歳入歳出決算認定について 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 田辺(反対)、石原(賛成)
・私の討論 せず
【補正予算】
平成26年度朝霞市一般会計補正予算(第2号) 賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会
〈反対〉共産党、田辺、小山、黒川
・討論者 斎藤(反対)、須田(賛成)、黒川(反対)、田辺(反対)
・私の討論 歳入歳出の半分以上を占める剰余金の処理と基金の積立については法律の期限までいつやってもよい財務処理なので考慮の外に置くと、最大の歳入・歳出項目としては、歳入の雑入、社会福祉協議会や文化スポーツ公社からの合計1億円以上の返還金である。この返還金を受け取ることによって、これら外郭団体では職員の休暇の著しい抑制や、運営の自立性が奪われている問題が起きていることは再三指摘していることであり、今回もやめないということなら、賛成できない。その他の事業予算はおおむね妥当だとは受け止めているが。
平成26年度朝霞市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
賛成で全会一致
平成26年度朝霞市都市計画下水道事業特別会計補正予算(第1号)
賛成で全会一致
平成26年度朝霞市介護保険特別会計補正予算(第1号)
賛成で全会一致
平成26年度朝霞市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
賛成で全会一致
平成26年度朝霞市水道事業会計補正予算(第1号)
賛成で全会一致
平成26年朝霞市一般会計補正予算(第3号)
賛成で全会一致
※高額納税者・法人の所得修正申告や前納分に対する市民税の返還で追加財源が必要になったため追加提出された予算。約3800万円を基金を取り崩し市民税返還金の予算とする内容。
【子ども子育て新制度…全議案とも可決】
朝霞市放課後児童クラブ設置及び管理条例の一部を改正する条例
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、共産党、小山、黒川
〈反対〉田辺
・討論者 田辺(反対)、黒川(賛成)
・私の討論 各会派が求めてきた対象年齢の拡大については賛成するが、放課後児童クラブにおいても待機児童問題が発生することが見込まれるため、その対応が急務。学校敷地内での拡張が限界の施設もあり、そこでは学校側で利用している保護者とそうでない保護者との間の確執にもなっている。また待機児童問題が発生する際、低学年児童を一律に優先すべきか、高学年であったとしても保育の保護の必要度の高い児童を優先すべきか、そのあたりをきちんと調整する入所判定が必要だろう。
朝霞市保育の必要性の認定に関する条例
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、田辺(反対)、黒川(賛成)
・私の討論 そもそもの子ども子育て新制度は、素手の自由契約という当初の考え方で、利用者や研究者の間で不安が懸念された。反対者の討論にもあったが、全国の様々な保育に関わる社会団体などの働きかけによって市役所の介在した制度に是正されてきている。そのため安心度は増した。いろいろ問題があるが、新制度がここまで修正を加えられたことは、一定の社会合意であり、準備も含めると走り出さざるを得ない。しかし結果として1947年の児童福祉法の保育所の姿に近くなったことは、いかに認可保育所制度がシンプルで堅牢なシステムであったか、振り返る必要があるだろう。
この条例については、預ける保護者と市役所との事務を規定するものであり、保護者は来年度からどうなるのか不安を持っていることから、今回に決めておくべきものだと考え、賛成する。
また今後設定される保育料についてはコンプライアンスを重視してほしい。
朝霞市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、黒川(賛成)、田辺(反対)
・討論 原案として帰ってきた本条例について。賛否は分かれたが、委員会で修正を加えてよりよいものとしようとしたところ、1票差で修正案の委員会否決となってこの場に持ち込めなかったことは残念。
修正案は、新設される保育施設のタイプのうち、保育士がいなくても開設できる小規模保育C型を削除する内容のもの。修正案に対して「国が従うべき基準としているから削除できない」という反論と、「立法事実がない」という反論をいただいている。
「国に従うべき基準」に対しては、2000年の保育の地方分権の考え方に矛盾するものであり、地方自治法は国の関与は最小限にすべき、となっている。こんなに事細かに「従うべき基準」を設定した政令の存在は、国と地方との関係において妥当なのか疑問である。国が関与すべきなのは、子どもの人権侵害が起きないようにすることであろう。また、待機児童問題を放置している自治体への対策だ。朝霞市が待機児童問題の対応策として育ててきた「家庭保育室」は、保育士を置くべきとしている小規模保育B型の水準以上のものであり、そこで積極的な対応を取ってきたからには、その水準以下のC型を新たに制度として設ける必要はない。
「立法事実」に対しては、共産党の石川議員の討論にもあったように、保育士が十分にいる施設と、保育士が一部しかいない施設で、事故発生件数が3倍、分母の施設数からいうとさらに比率が高くなり、専門職の配置と事故防止に一定程度の関連性があると見るのが妥当だ。これまで待機児童問題が激しくなるたびに開設される国も自治体も関与していない保育施設、ベビーホテルなどで周期的に死亡事故が続発している教訓もある。単なる保育事業者の営業の自由に対抗するのに、厳密な立法事実を要求すれば、事故が起きなければ国や自治体が対応しない、ということになりかねない。危険回避のため、というのは十分な立法事実である。
しかしながら小規模保育C型のカットを内容とする修正案が委員会で否決されたため、本会議に持ち込めない以上、それを含む原案に対しての賛否を表明せざるを得ない。
朝霞市内の家庭保育室のうち大半が、認可保育所、小規模保育施設B型への移行の準備を始めており、この条例を否決すればその事務が混乱する、ということから賛成せざるを得ない。
問題にとなっているC型については、事業者が進出する前に必要な制度修正を望む。
朝霞市特定保育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、駒牧(賛成)、田辺(反対)、黒川(賛成)
・討論 前条例案と同じく、移行手続きを始めなくてはならない家庭保育室から認可保育所への移行園のために必要な条例であり賛成する。県以上の朝霞市として必要な基準が守られるように、取り組みを求めたい。
朝霞市放課後児童クラブの設備及び運営の基準を定める条例
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、小山、黒川
〈反対〉共産党、田辺
・討論者 石川(反対)、小山(賛成)、田辺(反対)、黒川(賛成)
・討論 あくまでも認可は市役所にあるので他の議員が言うような民間参入をどんどん促すような条例ではない。また私自身も放課後児童クラブに困っていて自主事業を検討したことがあるが、儲かるどころか採算すれすれの事業で、どんどん参入するようなことはないだろう。その上で、今までの放課後児童クラブも、民間が参入すると事業者も、適用される条例。これまで公営社協委託施設しか認可しないため県や国のガイドラインをもとにあいまいな規制をしてきた放課後児童クラブの基準を明確化して、正しい法手続をしたことは評価して賛成。別会派の反対討論で杞憂される事実もあることから、それらが問題として明確になったときには躊躇せず条例改正を求めたい。
【その他の議案】
朝霞市水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例 可決 私の賛否→○
〈賛成〉進政会、公明党、絆、明政会、共産党、小山、黒川
〈反対〉田辺
・討論者 田辺(反対)、石原(賛成)
・私の討論 せず
朝霞市重度心身障害者医療費の支給に関する条例の一部を改正する条例
65歳の新規の高齢者への給付カットを削除する修正案 否決 私の賛否→○
65歳の新規の高齢者への給付カットを含む原案 可決 私の賛否→×
〈修正案賛成・原案反対〉共産党、田辺、小山、黒川
〈修正案反対・原案賛成〉星野議員を除く進政会、公明党、絆、明政会
〈退席〉星野
・討論者 黒川(修正〇原案×)、駒牧(修正×原案〇)、石川(修正〇原案×)、小山(修正〇原案×)
・私の討論 精神障害者一級に対する対象拡大という良い面もあるものの、一方で65歳以降に新たに障害者になった人は対象から外すという問題の多い改正である。そのため問題を取り除く意味で修正案に賛成していただきたい、修正案が通らない場合は、現状維持の原則から出し直しを求めて、反対としたい。
65歳移行に新たに障害者となった人への対象から外す判断は、県にならったものだが、その県の判断である、65歳以上の高齢者は年金が満額で所得水準が高いというのは、高齢者の所得問題に対する見間違いを行っている。基礎年金だけや無年金の高齢者と、厚生年金や共済年金のある高齢者との間で大きな格差があり、一概に既定することは間違いである。
また、制度改正によって、こうした高齢者の介護も、まずは介護保険を利用しなければならなくなり、その分、すでに少なくない自己負担が求められている。
市の制度説明も公式に出てくる書類一つなく、あやふやで、こうした不利益変更を承認してよいとは思えない。委員会における、市単独で制度を続ける際の費用負担の答弁は、市が今後適用を推奨すると言っている後期高齢者医療の前倒し適用を考慮に入れず、過大な見積もりであったし、実負担額についてはよくわからない答弁であった。
当事者との手続きも問題がある。障がい者との公式な政策決定の場は、障害者団体や障害者を支える団体で構成される障害者プラン推進委員会だけだが、そこにも諮られていない。このことは今年度の予算で大幅削減された障害者福祉の変更でも当事者抜きで決定した。批判したのにまた繰り返した。
財源が課題となるなら、所得制限を設けるとか、障がいにともなう固有の医療に限定するとか、方法はいろいろあったはず。
県がやらないから市もやらないという論理なら、子ども医療費無料化を拡大はどうなのか。子ども医療費無料化は、県の水準を大きく上回る給付が行われている。好きで障がい者になった者はほとんどいないが、子どもの医療費、頻回受診や不適切な夜間救急医療の受診など利用者の態度として様々な弊害があっても続けられている。障がい者だけがどうして我慢させられるのかよくわからない。
そうしたことを考えると、修正案に賛成していただくことがベストの対応ではないかと考え、呼びかけたい。
なお、委員会中心主義を取る以上、委員会の結論を尊重していただきたい。また、県内他市では、市長与党の公明党が本議案と同内容の議案に反対して否決になる可能性があったことを紹介し、ぜひ障がい者福祉に思いのある議員の方々の修正案に賛成することをお願いしたい。
修正案が否決された際には、問題があるなら現状維持の原則、として反対したい。
朝霞市ひとり親家庭等の医療費の支給に関する条例の一部を改正する条例
賛成で全会一致
朝霞市市営住宅条例の一部を改正する条例
賛成で全会一致
【人事案件】
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見を求めることについて
承認で全会一致
【請願】※近日市議会ホームページで請願本文を公開
平成25年第2号 所得税法第56条を廃止の意見書を国に上げることを求める請願 否決 私の賛否×
〈賛成〉共産党、田辺、小山
〈反対〉進政会、公明党、絆、明政会、黒川
・討論者 野本(反対)、斎藤(賛成)、小山(賛成)、山口(賛成)
・私の討論 せず
【意見書】※近日市議会ホームページで意見書本文を公開
ウイルス性肝炎患者に対する医療費゛しょせいの拡充を求める意見書
賛成で全会一致
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