9/11 2013年度の市政を点検
9月定例市議会で行われた決算審査。2013年度の市の仕事をすべて棚卸しする作業です。
議員になったばかりの頃、決算審査は、正直なところ終わった仕事にあれこれ言っても、と思っていましたが、やり始めたら、私のような野党議員にとっては、とても大事な機会だと認識するようになっています。
私は、市議会の民生常任委員会に配属されていますが、そこでは2013年度の市の福祉・保健行政の評価を行いました。詳細は「続きを読む」をクリックしてください。
※ここに書かれてるQ&Aと討論は私の議論した部分です。他の議員の方も同量程度の議論をされており、それで3日にまたがっています。
●今回の委員会審査の前に、福祉部長と子ども子育て新制度の条例解釈についてあれこれ話をしている中で、「委員会審査は、福祉関連の課長補佐以上はみんな来ているので、政策の勉強になる場です。人を育てる意味で質疑をしてもらえるとありがたい」との言葉をいただきました。本会議より委員会でやってくれると率直に答弁しやすい、という意味で言われたのかもしれませんが、その言葉の意味はウソではなさそう。
委員会質疑は原稿もないし、答弁者のそばに座った前のインターン生は答弁する課長補佐・係長級職員がえらく緊張していた、というので申し訳ない、という思いでいましたが、そういうことなら、と思いましたし、一方では程度の低い質疑をすれば職員も育たないという緊張感が今回はありました。
1.2013年度一般会計補正予算民生費
【社会福祉政策】
Q 職員の研修は行われているのか。とくに県の政策方針の研修というものではなく、先進自治体などの見学など、職員間での差が出ても、先端の実践を見ないと、具体的な政策の腹は決まらないのではないか?
A 県の実施する研修などには積極的に出席している。
Q 昨年行った地域福祉計画の実践を紹介する集会の成果は?
A まだ直接の効果は出ていないが、繰り返すことで町内会や団体の実践が他の団体に波及することを期待している。
Q 社会福祉協議会から多額の返還金を市は受け取っているが、コミュニティーケースワーカーの配置などの実践に使えたはず。配置は考えていないのか。
A 再来年度からの第三次計画では配置することを計画に盛り込みたい。
Q 地域福祉活動補助金が縮減されたが、市内の福祉活動をする団体との窓口が福祉課で、高齢者福祉や児童福祉など専門分野にうまくつながっていない。補助金の再編成や、介護保険の地域活動支援金の対象拡大などで団体と市の施策との連携ができるように、財源確保も。
A 福祉課から他課への連携を広げていくので、当面この制度で続けたい。
Q 社会福祉協議会の運営がラクでないというのに、多額の返還金を受け取ってよいのか。その原因は。
A 人件費が浮いた分である。公務員にならっての給与特例減額の実施が中心だが、事業によっては人員配置がうまくできなかった分もある。
Q 障害者福祉の認定調査員の待遇は。
A 1回の調査で、時給1580円3時間というみなしで賃金を払っている。県の研修のときには920円にしている。
Q 今年度に縮減された障害者福祉の見直しは、昨年度の障害者プラン推進委員会などに諮ったのか。当事者主権という意味をどう考えているのか?
A 諮っていないが、その後当事者団体等にごあいさつにうかがうときに説明した。
Q 水害のときにボランティアセンターが動かなかったが、ふだんからも課題が多いと市民から言われている。組織として機能しているのか。
A 全体状況がつかめなかったから今回は見送った。
【高齢者福祉】
Q シルバー人材センターが市の発注事業の孫請けとして入り労務提供型の業務をしている。高齢者雇用としてハローワークに出すべきものではないか。
A 高齢者雇用を奪うことにならないようにしている。
Q 発注業者が高齢者雇用としてハローワークに人材募集させるか、シルバー人材センターが孫請けするにしても派遣業法の適用を受ければ、高齢者に払われる賃金改善につながるはずだ。有償ボランティアを想定しているため、労務提供型の業務が増えると、労災問題や、労働基本権の抑制などに問題がある。
A 考えていきたいが、影響も考えたい。
Q ブームのときに退職金で購入した分譲マンション住民に後期高齢者が出始めるが、オートドアで見守り施策が行き届かない。対策は。
A 地域包括センターなどに働きかけている。管理人との人間関係をつくりつつある。
Q 敬老会が2年連続中止になった。大箱で芸能人を呼んでやるやり方は、リスクがありすぎないか。
A このやり方を楽しみにしている高齢者がいるので続けさせてほしい。
Q 今回中止になることの対応として、中止を防災無線で広報するというが、脅迫によるものであるなら、派手に中止を宣伝するとかえって愉快犯の行為をエスカレートさせないか。
A(翌日答弁) 防災無線での案内は前日と当日だけにしたい。
【子ども家庭福祉】
Q 放課後児童クラブの大量の剰余金の原因である人件費の余剰は?
A 指導員は賃金体系が低いので特例減額はしていないが、3人が欠員。
Q それで2100万円も余るのか。退職者数が全職員約80人のうち20人で25%、平均勤続年数4年となるが問題は感じていないか。
A 待遇改善の必要性があると思う。
Q 待遇もあると思うが、良い職場なのか。やることが多すぎるとか、仕事を通じて育てられているという感じがあるのか。
A 研修はやっている。
Q 放課後児童クラブかあれもこれもやりすぎている。子どもの生活の場としての基盤をきちんと確立して、子どもの居場所としての機能をきちんとするべきではないか。
A 利用者の要望をもう少し整理しながら、放課後児童クラブの本来の目的から業務内容を整理してもらうよう働きかけたい。
~10日はここで終了・ここからは11日~
Q 病児保育の準備はどこまで進んだか。
A 朝霞台中央病院で引き受けてくださる方向だが、移転改築後ということになるのでしばらく保留となる。
Q 同じ規模の公設民営園の保育士数が全然違うが。
A 勤務時間の長短があるのだと思う。
Q 民間保育所への処遇改善の対策が打たれたが、使われているのか。
A 実際に支払われた賃金と法定福利費の増加の合計額はいずれも補助額より上回っていると確認している。正社員が月7000円、非正規職員が3500円の改善と確認している。
Q 公立保育所の入所開始月齢の8ヵ月が0歳児から保育所に預けられる保護者と1歳児から預けざるを得ない保護者の入所の可能性の落差が起きている。コストも人員も十分にかけられている公立がなぜ8ヵ月まで遅らせているのか。
A 現状8ヵ月としている。
Q 保育料とは別に払っている主食費を保育料に込みとできなかったのか。主食費の徴収事務は保育現場に負荷となっているし、民間園など費用がまちまちで問題になっている。
A 保育費と主食費の性質が違うので、一緒にできない。保育現場の負荷は承知しているので検討はしたい。
Q 民間保育所に払った委託料・補助金が資本支出への流失になっていないか。
A 今のところ収支を見るとそういうことは見られない。
【生活保護】
Q 以前は生活扶助と医療扶助が同額程度だったが、医療扶助が突出している。
A 年金等があって生活扶助は少額で生活できても、医療にお金がかかる人が増えている結果である。
【保険事務】
Q レセプトの再検査の状況は。
A 資格職を雇って点検をしている。46万枚のうち、2187枚676万円の過誤を発見した。
【保健センター】
Q 健康まつりの参加者増加は。
A そうしていきたいが、700人の来場にとどまっている。参加者には好評なので続けていきたい。朝霞台地区の参加を増やしていくことを考えなければと思う。
Q 団地まるごといきいきの成果は。
A 膝折団地は定住率が高いので、高齢者向けメニューと人間関係を強化する内容が効果を挙げている。東朝霞団地は若い人が多いので、タニタの健康チェックが効果を挙げている。
Q 望まない妊娠をした人など悩んだ人の対応がおくれがちで結果、お産をする場を見つけられなくなっているが。
A 医療機関が逼迫してなかなか見つけられなくなっている.課題だ。
Q 乳幼児検診を集団でやる意義は。
A 多職種の眼で行われるほか、保護者どうしの関係性づくりの場にもなっている。
Q 30代のヘルスチェックは意義がありそうなのに受診者数が少ない。
A 年間5日間しかやっていない。周知不足はあるかも知れません。
【討論】
特に支出に大きな問題はなく賛成する。
評価するところとしては待機児童対策に積極的に取り組んだところ。課題としては、①2014年度の補助金縮減などに向けた不利益変更に当事者との合意を図らなかったこと、民主主義にもとる問題である。②決算にあたり障害者福祉の組み替えの資料が未提出であったことは問題。③職員研修が不十分。とくに先進事例の学習が不足している。④敬老事業が地域としての敬老として意味をもつものに。⑤放課後児童クラブの待機問題はじめ運営全般の改革が必要。⑥指定管理先から多額の返還金の受け取りの問題などを指摘する。
【委員会採決結果】 認定
賛成 黒川、福川、駒牧、小山
反対 石川
2.国保会計
【討論】
私自身も見抜けなかった問題があるが、2013年の国保会計の当初予算で、社会保険とのやりとりを行う前期高齢者交付金の歳入の過大な計上があり、結果として多額の補正予算を投入しなければならなくなったことは問題であり、認定に反対する。
【委員会採決結果】 認定
賛成 福川、駒牧、小山
反対 黒川、石川
3.介護保険特別会計
【委員会採決結果】 認定
賛成 黒川、福川、駒牧、小山
反対 石川
~ここまで11日、ここから12日~
4.後期高齢者医療特別会計
Q 75歳以上被保険者数の伸びと、納付金の伸びは。
A 被保険者数は105.2%、納付金は105.14%(1人あたり医療費は伸びていない)
【委員会採決結果】 認定
賛成 黒川、福川、駒牧、小山
反対 石川
5.一般会計補正予算
Q 新たな高齢者福祉施設の内容は?
A 平成27年度に溝沼7丁目近傍に開設。小規模特養とグループホーム。グループホームは、24時間定期巡回随時対応訪問介護の事業も併設となる。
Q 児童福祉費の研修の内容は。
A 新制度の小規模保育事業B型に移行する家庭保育室の職員に対して行う。
Q 予防接種の内容は?
A 赤ちゃんへの水疱瘡と、高齢者肺炎球菌のワクチン接種である。
Q 子宮頸がんの予防接種で問題になっているが、ワクチン接種にともなう苦情解決の仕組みはないのか。
A 国の専門家会議で検討していると聞いている。
Q 本委員会の審議は、雑入は含まれないか。
A(委員長答弁) 含まれない。
【討論】
それぞれが必要な事業である。保育士の派遣活用については非常勤職員の採用努力に努めて極力抑制してほしい。社会福祉協議会からの返還金にともなう雑入は問題だと捉えているが本委員会の審議事項ではないので、それを除く部分として賛成したい。
【委員会採決結果】 委員会可決
賛成 黒川、福川、駒牧、小山
反対 石川
6.国保補正予算
Q 腎不全の透析予防事業は国保連が主体的にやり朝霞市は市民情報の提供だけというが、全体の保健行政や国民健康保険の運営と連続したものではないか。
A 国保連がデータをもとに分析して問題のある加入者に対して受診勧奨などを行っていくが、やがては朝霞市に移管される可能性も考えて対応したい。
【委員会採決結果】 全会一致で可決。
7.介護保険補正予算
【委員会採決結果】 全会一致で可決。
8.後期高齢者医療特別会計補正予算
【委員会採決結果】 全会一致で可決。
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