8/8 人事院勧告と朝霞市職員の賃金
昨日、国家公務員の賃金と労働条件の改定を民間賃金の調査結果から示す人事院勧告が出されました。
これによると、国家公務員の賃金が改善され、とくにボーナスは年間3.95ヵ月から4.1ヵ月I改善されるようです。また賃金も0.3%と若干改善されるようです(民間賃金調査の結果としてこの数字ですから、アベノミクスの成長率は実際のところこの水準だということではないか)。
一方、都市部と地方の賃金格差が拡大していることを反映して、来年4月からの公務員の賃金体系は全体として2%下げられ、都市部を中心に2%を積み増ししながら、地域の物価格差を反映している「地域手当」を全体的に見直すことになります。
朝霞市は影響が大きく、従来地域手当が6%で、通常なら8%になるところ、12%にもなります。
自治体職員の賃金も国家公務員に準拠することが基本になっているので、いずれ12月定例会でもこの議論が朝霞市にも反映されることになりますが、職員団体のない朝霞市において、職員集団から要求もされていないのに、どこまで職員の賃金改善をすべきなのかは、考えどころです。
今日のような精緻な人事院勧告制度を作り上げたのは、自治労などの自治体職員団体の全国組織の運動の歴史です。職員団体もない朝霞市で安易に賃金改善を認めると、全国の自治体職員が組合費という身銭を払い、政治的に職員団体が弾圧されながらたたかっている成果にただ乗りさせることになります。
また、今回の地域手当の改善は国からの地方交付税の改善となって収入増となると思われますが、その成果は、正規職員だけで独占させてよいのか、半分以上が非常勤職員・臨時職員で担われている朝霞市としては考えどころです。
一方、公務員給与の水準を人件費として参照している、福祉関係の財政支出にも、地域手当の改善は反映されることになります。
保育園に支払われる保育単価(来年度からは公定価格)、障がい者福祉の支援費、介護事業者への介護報酬などが改善されることになりますが、そのことは、国や県の負担金や利用者負担額を除いた、市の持ち出し分の増額にもつながるので、財政的な注意も必要ではないかと見ています。
●自治労に勤務していた時代、2001年から2005年まで組合の新聞づくりを担当していましたが、毎年、人事院勧告が出るとなると、真夜中に数字とにらめっこしながら、組合の新聞に載せる、人事院勧告の賃金表の校正したことを思い出します。
●朝霞市の市議会議員の一時金(年3.75ヵ月)は、他の自治体のように職員の一時金の支給月数と連動する仕組みになっていないので、今回の公務員賃金の改善は、ほとんど反映されないことになるのではないかと思います。
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