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2014.07.26

7/25 持続可能な自治体になるために必要な自治基本条例

一日中、バタバタした最後が、19時からの自治基本条例のワークショップを拝聴しました。参加してもよかったのですが、議員という身分で、他にも議論する場があるだろう、と思われていると思ったことと、さらに参加者が積極的に発言されていたので、拝聴にとどめました。

自治基本条例は、地方分権が進み、自治体が様々なことを主体的に決めるために、市民と自治体との関係、地方自治法では補いきれないそれぞれの自治体の意思決定の基本原則、市民参加、情報公開のありようなどを規定する条例です。

私は、①地方分権が進んでいること、②市民が自分に関係する政策が決定・変更されるときに意見を言える仕組みが必要なこと、③成長の配分ができなくなり役所へのおねだりで問題解決すること難しくなっている時代、自治体職員にお任せではよい地域づくりができなくなっていること、などからこの条例は必要だという立場です。
また、④自治を進めるときに少数者の意見が犠牲にされがちいように公正な意思決定をどうするかという問題も、自治基本条例で解決していくべき問題です。

そんな期待をもって朝霞市の自治基本条例づくりを期待して拝聴いたしましたが、課題は多いと思いました。

自治なんだから、自治基本条例を白紙から考えよ、という朝霞市役所からのミッションの設定ですが、私はこれは善男善女のような市民に考えさせるのは酷で、学者レベルの能力を要請しているのではないか、と思います。いたずらに思いつきの議論を誘発して、混乱するだけではないかと思います(もちろん優秀なファシリテーターが介入することがあれば白紙から何かが生み出せるかも知れません)。

議論を拝聴していて、白紙が前提のために、言いたい放題になっている感じがしました。
また、自治基本条例がわからない、という意見も目立ちました。しかしこれは、おとなの自治なら、わかるようにする自分たちの営みが必要ではないかと思います。しかし、朝霞市の基本条例づくりで顧問になっている先生から「コピペはいかん」という言葉に呪縛されて、他に勉強することに消極的です。
その中身をわからないまま、必要か必要でないかというところから議論させるのは無謀です。
先人の芸を盗まずしてオリジナリティなんかあり得ません。「オレ流」はいつも三流で、低レベルな発想を押しつけるために社会問題を孕みます。コピペになるかどうかは、作る側の態度と問題意識、それと条例制定後の市民の側の条例運用にかかっています。その問題意識を作るのも、他の自治体を見に行くなり、本や資料に当たるなり、ある程度勉強しないと形成されないと思います。

●今回の議論で問題と思ったのが、これまでこのワークショップは19:00~開かれていたのですが、どうせ勤労者階層が来ない、ということで次回からは平日日中になりました。役所に声を出せる人たちの都合で、こうした広く市民参加を求めていくものの運営が決まって、勤労者階層が事実上締め出されることになってしまいます。
私も議員になる前、市のいくつかの市民参加を前提とする会議の委員になりましたが、夜間開催を何度も要請しましたが、一顧だにされませんでした。結局、勤労者階層が折れさせられたことばかりです。朝霞市最大の納税者の属性でもあるにもかかわらず…。
勤労者階層が朝霞市の地域や市政に問題を感じたら、やはり意見を言う場がないのですから、クレーマーになるしかありません。

●昨日のサンケイ新聞て、自治基本条例について自民党が安易に作らせるな、という通達を地方組織に流したようです。
その論拠が、自治体内の最高法規と位置づけていることが問題、市民の定義が云々など、重箱の隅をつつくような批判です。地方分権を推進すると、国の法律である地方自治法とその解釈の「行政法学」だけの自治体運営では、住民の納得性や合意のある自治体運営はできません。市民の自発的な活動や意思をどう自治体の中に位置づけるかという問題もあります。
全国の自治基本条例の制定にあたっては、非自民の自治体議員だけで作ることは難しく、それぞれの自治体で自民党の自治体議員も誠心誠意議論に入られていたはずです。自治体における自治とは何か、市民と自治体の関係をどうしたらよいか、真摯な議論をしてきたそういう自民党籍の自治体議員にも失礼な話だと思います。

●これを紹介したサンケイ新聞の記事には、自治労が左翼的陰謀をもって自治基本条例を制定させようとしている、というような書き方をしています。これについて、自民党本部に電話で確認したところサンケイ新聞が勝手に書いた蛇足だ、ということです。
私の古巣のことで状況は見えますが、自治労は自治基本条例の制定を進めるという運動方針を持っていますが、これは組合員には地方自治の進展の一環としての意義があるから最低限妨害はするべきではない、組織内議員には推進する側として議会内で行動するように、というのが実態です。やりたくもない市民を自治労がたきつけて中心的に推進したり、条例制定のために陰謀をはりめぐらぜている実態など、ないのではないかと思います。何を事実にしてそう書かれているのか不思議でなりません。
自治労にとって過大評価してもらったのかも知れませんが、この文脈は明らかに悪者が関与しているという書き方ですから、そういうデマ記事はお書きにならない方がよいと思うところです。

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