7/14 滋賀県知事選挙で非自民が勝利
昨日行われた滋賀県知事選挙で、非自民の三日月大造氏が当選。
市長選挙では、非自民現職が相次いで再選され、自民党がふるわない傾向がありましたが、国政の代理戦争になりやすい知事選挙では2012年衆院線以来の自民圧勝の流れが続いています。
そうしたなかで非自民が勝った快挙でないかと思います。
潮目が変わる可能性をもちつつも、まだ決定打ではない、ということが言えると思います。
滋賀県の非自民は元々強く、全県定数1を争う参院選滋賀県選挙区では、最も自民党が強かった1986年参院選でも、全国でただ一つ非自民が勝った県であり、その後も、何度も非自民が勝っているところであることがあります。その背景には、層の厚い市民活動、高い県民所得を維持している生産性の高い産業とそれに対応する労組の層の厚さ、新住民も多く大阪や兵庫のようなしがらみのなさ、堅実で合理的な県民性などがあるのではないかと思います。
そうした土壌の上に、自民党政権のおごりや、自民党政権に対する不安感が、今回の開票結果になったのではないかと思います。
また勝因として集団的自衛権や卒原発があると言われていますが、私はどれかが決定打ということではなく、東京都議会のヤジなども含めた複合的な要因が、自民党政権への漠然とした不安となって投票行動に表れたのではないかと思います。
●得票差を地域別に見ると、衆院委議員であった三日月氏が選挙区としていた、大津市に隣接する滋賀3区(守山・草津・野洲など)で圧倒的に強く、彦根や長浜などの2区、近江八幡や東近江市などの4区で拮抗、意外にも大津市のある1区で負けている結果となっています。全県的に拮抗の状況に持ち込んで、自分の選挙区で大差をつけた構造になります。
●出口調査の結果を見ると、滋賀県で6%前後あると思われる公明党支持層の投票率が少なかったのではいなかとうかがわせるものがあります。ここに関しては集団的自衛権の議論が影響している可能性が見られます。
●東京の選挙では、苦境のなかでの一発逆転で勝つために文化人を担ぎたがりますが、今回もそうですし、他の選挙でもそうですが、逆風の選挙をひっくり返すためには落選中の国会議員を担ぎ出す方が勝ちやすい、と感想を持っています。
昨今の選挙は知名度を利用した票のとりまとめができる層は薄く、有権者の前への露出、接近戦が問われ、大きな選挙は候補者にとって過酷になっています。文化人候補の場合、本人や周囲がどうしてもそこまで戦術を強めることに抵抗を示されることが多くあります。
前の嘉田知事も、有名な市民運動家ということではなくて、琵琶湖の湖水に関わる人たちを丹念にまわって調査活動をされていた「足」が稼いでいた、ということはよく言われていることです。
●埼玉県知事選では自民党が独自候補を擁立する方向性を打ち出しています。半年ぐらい前、巷で噂されていた人物を候補者にしないよう願うばかりです。
| 固定リンク
コメント