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2014.07.13

7/13 何から何まで秘匿させる今の個人情報保護法は、名簿仲介業者育成法だ

ベネッセの個人情報漏洩事件で、個人情報保護法が全く逆効果な存在になっていることが見えてきたように思います。

この法律が通って以降、名簿に対して敏感になっていて、人間関係が問われるような場の多くで名簿が全く作られず、PTAにしても保護者会にしても同級生にしても、どこの誰かが全くわからない状態になっています。もちろんそれらは法律に違反していないから作ればよい、と役所は言うのですが、現実的には違法合法かかわらず、人間関係が見える場ほど、名簿をやりとりすることに神経質になっていると言えます。

一方、企業はホームページのよくわからない多くの条件を加えた断り書き一つで、名簿を収集し、グループ企業や連携する企業で共有できてしまいます。

さらに、名簿が貴重なものになってしまったからこそ、昔は古本屋で二束三文で売られていたような名簿ですら、今はものすごい価値を持ち、ただの名簿が、仲介業者の金づるになってしまっています。
どこの店いってもポイントカード作ったり、クレジットカード作らせられるのは、ものを売るためでもありますが、実はこの財産価値のある名簿をかき集めるための仕組みでもあったりします。

そうすると、本来は、通販業者や金融業者がひどいことをしないようにと策定された個人情報保護法は、その法の目的を超えて、名簿仲介業者の希少価値を高めて、名簿取引業育成法になってしまっています。

その一方、PTAや保護者会、町内会、様々なサークル活動での名簿が作成されず、コミュニティが形成されなくなっています。いくら法律で許されてると言っても、もはや「個人情報保護」が社会の全てに及び、その漏洩した企業が激しく糺弾される状況では、多くの人にはPTAや町内会の名簿が合法といくらいっても、「作らないでくれ」という意見には勝てません。

政府は税金を出し惜しみするために、自助、共助などと言いますが、こうした人間関係を作りたくたって作りにくい社会のシステムのなかで、そんなものは育つわけがないのです。

暴論かも知れませんが、個人情報保護法は廃止し、新たに、通販業者や金融業者など、大量の名簿とプライバシー情報をあわせもつ事業者だけに限定した個人情報保護法を作成する必要があると思います。

●今朝の毎日新聞1面でも、「情報価値が高まった」というタイトルで、危機管理コンサルタントのコメントとして、「皮肉にも個人情報に規制をかけるほど、集めた情報の価値が高まった」とコメントしています。

●学校教育の現場で、愛郷心を教えていますが、愛郷心って、同級生の思い出が大きいのだろうと思います。ところが今の学校は同窓会名簿を作らないので、卒業したら、同級生とはそれっきり、ファストフードで隣席に座った人みたいな関係に戻ってしまいます。それで愛郷心なんか育つとは思えません。

●選挙プランナーと言われる人から笑うに笑えない話を聞いたことがあります。彼が20代の候補者のプランニングをしたときに、支持の広がりが足りなくて、同級生は応援してくれないのか、同級生を1人でいいから連れてきたら、と提案したところ、「同級生はどこにいるのか、連絡先もわかりません」と答えられたそうです。同級生の名簿がある30代後半と、ないそれ以下の世代とで、地域社会での人間関係力の差が出てくるのだろうと思います。

●もちろん、DV被害者や、いじめなどでそっとしておいてくれ、という、名簿が公開されて困る人の個人情報の秘匿はされるべきものだと思います。

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