6/30 子ども子育て事業計画の骨格が示される~市子ども子育て会議
30日午前、朝霞市の子ども子育て会議が開かれ、傍聴してまいりました。
向こう5年実施する保育政策などの方向性を決める、子ども子育て新制度の事業計画の事務局原案が示されました。
当日議題は2つ示され、議題1つめは、子どもや施設従業員に対するヒアリング調査の確認。
市側からは、子どもとくに中高生の意見を聞くのに苦労した、と感想が述べられました。ちゃんと中高生のヒアリングの専門職を呼んでやれ、と進言して聞き入れなかったことが当たったと思いますが、それでもそれなりには、中高生の課題が出てきていると思います。
議題2は「朝霞市子ども子育て支援事業計画の方向性」が示され、それをめぐって委員が意見を出していました。
議論は様々出ていました。
委員からは
・それぞれの事業がぶつ切りで課題ごとになっていない、
・幼稚園の政策についても考えてほしい。認定こども園の参入は現在のところありえない。
・公園に関する記述が少ない。子どもが体を動かす場面が少なく、エネルギーを持て余しているのではないか
・不審者が多いという感想が多いが、現実にそうなっているのか。
・子育て支援施設を利用するのを決めるのに口コミに依存している。
・発達障がいなどの心配のある子などの対応を考えてもらいたい
・お産の環境が悪すぎる、対策が必要だ
などのご意見がありました。
また書き方に関しては、具体的すぎて理念がない、という指摘と、具体的に書かないと目標が見えない、という意見とが出ていました。
●この支援事業計画は、保育の需給バランスという点での考え方は良くなりましたが、その他の書き方は問題だらけです。この計画を前提にして次の議会に条例案を提案されたら、賛成できません。
用語が人権的にこなれていない、政策分類別にやるというだけの計画で、何を解決したいのか、何が課題と受け止めているのかよくわからないところは相変わらずです。
「女性の就労率の高まり」という前提をふまえて、単に「少子高齢化」とか、「作れば作るほど保育所が必要になる」などの俗論を排して、社会のありようの変化として保育政策をやろうというところは評価したいし、今の朝霞市の保育政策が継続されればそうした方向への問題解決は進むことだろうと思います。
しかし問題点はたくさんあります。
問題1 相変わらず、保育課の事業分野ごとの「推進」が束ねられているだけになっていること(委員からの意見もあり)。
保育所や放課後児童クラブを利用している保護者や子ども、家庭が一体的なものなのに、それぞれの計画になっていて、今の保育所を増やしているのに、その後の受け皿の放課後児童クラブがおざなりになっている現状が放置されるおそれがあること。
問題2 児童福祉法では子どもを養育している人と価値中立な表現として「保護者」と使っているのに、ここでは安易に「親」という言葉が使われていることが多く、考えもの。
問題3 、「働く女性」ということが前面に出ていて、現実から見るとそういうことだと思いますが、子育て支援として保育に力を入れるのは、他にも、ひとり親、父子家庭、母親の方がハードワークな家庭ということが、意識されていない、配慮されていない項目名なども気になるところです。
問題4 最近の保護者が働き過ぎの状況におかれている環境に問題意識を持つのはよいのですが、それは誰の責任なのか、ということの議論もなしに、「ワークライフバランスの推進」として、保護者の自覚を求める書き方はどうかと思っています。
職場の労働環境は、労働法の規制強化か、職場での労働組合が存在して、その上での労使関係でしか帰られません。さらには外的には職場に関わるお客様の理解も必要です。
朝霞市は企業城下町ではありませんし、市外どころか県外通勤者が半分以上いて、何をもってワークライフバランスを推進せよというのか、自覚を促すということで、保育需要を抑制できるのか、数値で効果を聞いてみたいものです。
朝霞市役所には職員労組もないし、男性職員の育児休業取得など低調。さらには委託先や指定管理先に過酷な労働条件を強要している職場もあって自分たちが自分たちを律することもできないのに、何を考えて市民にモラルを要求をし、さらに保護者が「どうしろというのだ」と言いたくなるようなものいいをして、何を解決しようとしているのか、具体的なイメージがわきません。
日頃、手厳しい保育課の来客への鬱憤晴らしじゃないのと思うところもあります。
問題5 会議でも話題になりましたが、高校生の居場所を冷やかされました。それには反論したい気持ちもありますが、市が高校生の居場所というときの解決策の示し方が児童館の建設ありきになっていることが問題ではないかと思います。他の公共施設では中高生をどんどん追い出してきた朝霞市の歴史、コンビニの前でたむろすれば通報されてしまう、そのようななかで、中高生の集団的な人間関係をどのように形成していくのか、問題をきちんと理解していないのではないかと思う提案です。
問題6 勤務形態が月~金9時~17時の公務員モデルしか想定していない計画。休日保育はひとり親家庭の対応としてしか検討されていない。このような出し方をすると、休日保育を利用しているのは離婚家庭というスティグマができてしまう。まったくの問題。
問題7 保育施設等職員へのアンケートでの、半ば「今どきの親」に対するコメントから、「親の責任能力の低下」「子どもの言葉遣いの乱れ」などが書かれているが、それらは証明不可能で、かつ特定の考え方の立場に立つ人の主張の可能性でもあり、だからといって対応するのは専門職としての技量ではないかと思うところもあり、行政が、この計画でやろうとしていることの問題がある。
問題8 まちづくりに関してはほとんど中身がない。
●こういう重要なことを、根本的な問題があってもし修正できない最終段階で、ブリックコメントだけで市民に意見を聞くようなやり方で固めていっていいのか、問題だと思います。
●副会長や会長のご意見にもやや問題があるなと感じることがありました。とくに副会長の病児保育の意見については、今どきの保護者、職場がどういう状況か考えたら、そう簡単に言ってもらっては、と思うところです。
●問題意識の持ち方に関しては、あさか子どもプランより水準が下がっていると感じています。
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