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2014.05.31

5/30 市の保育所の基準と保育が必要な人の定義が出てくる~朝霞市子ども子育て会議

30日午前はさらに、来年度からの保育・幼稚園制度の改革になる「子ども子育て会議」を傍聴。

子ども子育て新制度での給付対象になる、保育・幼稚園施設としての要件となる基準、利用可能な保護者の基準案が示されました(資料2)。
おおむね国基準どおりですが、面積については、1人3.3㎡と広めの基準と、原則1階という基準が示されています。面積を多めに取ることは好ましいことですが、市内保育事業者の移行に支障がないか、条例化に向けては精査が必要だと感じました。待機児対策のために、環境が犠牲になる、という言い方がありますが、地価の高すぎる朝霞市の場合、どこかで折り合いをつけないと、救済された恵まれた児童と、待機児として闇保育に流れていく児童との極端な格差につながる可能性も否めません(保育事業のように土地に見合うだけの付加価値が捻出できない事業にとっては、地価や家賃が下がればいいんですが→東洋経済記事、東大の事業所内保育所を共同保育で運営してきた瀬地山さん「保育所は、なぜ需要があるのに増えないのか?経営してみてわかった、待機児童が減らないワケ」)。

また、短時間保育の利用を必要とする保護者の最低勤務時間は、月64時間(週5日で3時間、週4日で4時間)という基準が示されました。これは国が示す選択肢のなかでは長めの設定です。この長短については保育関係者のなかでいろいろ議論があるところです。
サービス化社会のなかで、早朝・深夜・土休日に働く人が増え、出勤日や勤務時間が多様化するなか、保育時間を一律に縛るような仕組みが有効なのかなぁ。保育カリキュラムから何から連動するので、安易に「抜本的な」考え方の変更はできないとはわかっていますが。私の初当選のときには、スーパーで働く人たちに応援いただいたので、その人たちにとってこのような保育時間の区分が有効なのか、改めて考えさせられます。
多くの人がスーパー、コンビニ、看護師、交通機関、飲食店にお世話になっているのに、なかなかそこで働いている人がどのような状態なのか、考えなくなっていることの恐さかも知れません。

学童保育(放課後児童クラブ)も説明が行われ、当面は今まで通りということでしたが、保育所から上がってくる児童数に今の定員は見合っていないのだと思うのですが、定員超過が課題になっています。
また、大規模な放課後児童クラブも増えてきていて、職員体制が見合っていないことなども議論の俎上に上がりました。

最後に計画本体の構成が示されましたが、従来の「あさか子どもプラン」は満期である今年度で終了させ、その保育以外の部分を10月までに審議して、保育制度改革とあわせて「子ども子育て事業計画」に溶け込ませるということですが、審議時間が足りないのではないかと思いました。
ここには、子どもにとっての道路(通学路)、子どもが育つための公園、子どもを見守る地域との関係など、子育て関連部署が直接関わらないにしても、子育てに関しては市民の関心が高い項目が並んでいます。それが突貫工事で計画を造って、5年間やり通す、ということで朝霞市の政策の子どもへの視点がたちおくれたことにならないのを願うばかりです。

終了後、ロビーで利用者代表、事業者代表のみなさまと意見交換ができ、それぞれの着眼点からお題をくださいました。なるほどと思うことも多く、今回の答申にそって9月定例会に議案として出てきたとき、6月定例会の一般質問でも議論を進めていきたいと思います。

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5/30 6月定例会の日程

午前中、議会運営委員会。6月5日を初日とし、27日を閉会日とする6月定例会の議会日程が議長に答申し、行政側から、議案11本が提案されることが確認されました。
決算審査をする9月定例会と予算審議をする3月定例会は、本会議の議案質疑を2日にしないか、という保守系議員からの提案について協議しましたが、議案質疑のあるべき姿に議論が展開し、議案質疑の制約となっている申し合わせ事項や、議長権限がどこまでか、議案に関する基本的情報が提供されていないことなどの問題が出てきて、まとまらず継続課題ととなりました。

議会日程はこのとおりです。
6月5日 本会議初日(開会、会議録署名人の指名、会期の決定、諸報告、議案の上程、提案理由の説明)
6月11日 本会議2日目(議案に対する質疑、議案の委員会付託)
6月13日 総務常任委員会、建設常任委員会
6月16日 教育環境常任委員会、民生常任委員会
6月20~24日 本会議3~5日目(各議員からの一般質問)
6月27日 本会議最終日(委員長報告、委員長報告に対する質疑、討論、採決、閉会)

議案についてはこのとおりです。
第33号議案 専決処分の承認を求めることについて(朝霞市税条例、3月31日専決)
第34号議案 専決処分の承認を求めることについて(朝霞市固定資産税条例、3月31日専決)
第35号議案 専決処分の承認を求めることについて(国民健康保険税条例、3月31日専決)
※上記3議案は、国の法律が3月定例市議会の実質審査が可能な日程以降に可決成立することにともなう改正で、日程的な余裕もないため、市長による「専決処分」として行われ、議会として「承認」する手続きを行います。

第36号議案 平成26年度朝霞市一般会計補正予算(第1号)
※マイナンバー対応に備えてのシステム改造2691万、庁舎耐震化の設計委託料の追加97万、浜崎学童の設計仕様変更と「設計労務単価」の変更2606万、健康増進センター事故等防止検討委員会の委員謝礼追加25万、塵芥処理費4919万、市民農園の整備の「設計労務単価」の変更による追加36万、公園費の管理の「設計労務単価」の変更にともなう追加290万、児童遊園地の管理の「設計労務単価」の変更による追加83万など、合計1億0753万円の追加。
その財源として、国庫補助2308万、財政調整基金(市の自由積立金)6305万、市債発行2140万円の合計1億0753円が充当されることとなります。
詳細についてこれから妥当性を確認して、本会議2日目の議案審査に臨みたいと思います。
なお、「設計労務単価」とは、工事の設計で標準的なコストを積み上げていく際の単価表のうち人件費にあたるもので、工事現場の技能職不足や東日本大震災による職人の確保の困難さから、改定(値上げ)されたものです。実際に支払われる金額は、入札額や各工事業者のなかの給料などで決まっていきます。

第37号議案 朝霞市税条例の一部を改正する条例
第38号議案 朝霞市国民健康保険税条例の一部を改正する条例
第39号議案 朝霞市非常勤消防団員に係る退職報奨金の支給に関する条例の一部を改正する条例
第40号議案 朝霞市墓地等の経営の許可等に関する条例の一部を改正する条例
第41号議案 朝霞市健康増進センタープール事故防止等検討委員会条例
※4月のわくわくどーむでの利用者が死亡したことをうけての設置です。

第42号議案 財産の取得について
第43号議案 固定資産評価審査委員会委員選任に関する同意を求めることについて

●予算においては予算調書のような積算資料、条例案には、条例の改廃にどのような意味を持つのかの立法趣旨が明確に共有できるもの、逐条解説など、行政側から議会に説明資料として提出されていません。
当選から2年経て、毎回、基礎的な資料なしでどうやって審議するのか困り果てて、結果として山のような資料請求をすることになります。
圧倒的与党の体制のもとでの、行政の慢心じゃないかと思うところです。賛成してほしいというならやるべきことあるはずです。
また、そのことが本会議場での細かい質疑につながっている面も否めません。

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2014.05.29

5/28 次の総合計画の基本的な考え方がまとまる~総合振興計画審議会を傍聴

5月19日と29日、朝霞市の総合振興計画審議会を傍聴し、次の総合計画の検討状況をお聞きしてきました。

29日は「とりあえず仮止め」ということで、計画の根本となる基本構想の文言整理が終わったところです。以前このブログでも懸念しましたが、柱が分立してそれがそのまま基本構想の柱建てになり、縦割り行政の印象を与えたところについては、抜本的な軌道修正が図られました。
「仮止め」なので、計画の各分野の記述がまとまったら、再度、この基本構想が定着できるのか、検証することになるようです。

今回はボトムアップ的に政策分野を集約して柱建てをするのではく、朝霞市全体として、次の10年、どのような価値で行政を進めるべきなのか、という観点で言葉がまとめられています。また、その前提となっているのは、春に実施したワールドカフェなどの議論をふまえてのものです。議論の進め方はよかったのではないかと思います。

基本構想のもとの「市の将来像」では、「私が住み続けたいまち」または「私が住み続けるまち」のいずれかから次回整理することになります。委員の発言からまとめると、市民の視点、市民を含むことを前提とした市の持続性、市民が主体的にまちをよくしていくことなどが思いに込められているようです。
審議会の最後に、この文言について、「住み続けたい」という願望にしていくのか「住み続ける」という意志にしていくのか、議論が分かれ、その決着は次回に送られることとなりました。また、私がと住みの間に「豊かな」を挿入すべし、という意見もありましたが、会長が「豊かさなのか」と疑義を示し、いったん斥けました。

その下の「将来像実現のための基本的コンセプト」も分野別ではなく市民生活に観点をおいて、
「(1)安全・安心なまち、(2)子育てが楽しいまち、(3)つながりのあるまち、(4)自然・環境にめぐまれたまち、(5)元気で活力のあるまち」と整理されました。

審議会が参考としたのは、兵庫県のベッドタウン、第5次川西市総合計画で、行政分野ごとにまとめたものではなく、市民生活のステージによって計画を分類していったものです。

また他都市では総合計画となっているものが、朝霞市の場合なぜ総合振興計画となっているのか、という疑義が委員から出され、別の委員からは、未開発な状態を前提とする右肩上がりの発想で取ったらどうだ、という賛同意見があったことから、審議会として総意で、行政側に前提となる計画名を変更することを検討するよう、求めることとなりました。

次回は7月、次々回は8月に開かれる見込みです。日程はこれから調整して決定するようです。

●いささか文言が「わかりやすさ」を追求したために、ごく当たり前の表現ばかりになった、という感想を持ちます。
その一方で、ここに挙げられた「コンセプト」は、各課横断的に意識しなければならない課題ということでもあります。例えば、従来は、行政分野別だったので「子育て」とくくると子育て支援課・保育課ばかりに負荷をかけた対策を打つということではなく、道路や公園の改善、学校での子どもの人権などは市の施策として「子育て」ということと連動せず、各セクションで「よかれ」と思ったことを勝手にやってきたという扱いになっていたし、問題が起きたら対症療法する、何のため、誰のため、どのような効果ということについて全庁的な共有したものはないなかで政策が進められていた、と思います。そういう点では意味のある変化ではないかと思います。

●今回の基本構想のなかに欠けているかなと思ったところは、狭い意味での教育ではなく、人が学び成長していく、人的開発の面ではないかと思います。
成熟社会への移行で、経済やモノによる成長が一自治体の努力では難しくなったとしても、一方では、子どもだけではなく人の能力を高めていくことに挑戦していくことは不可欠ではないかと思っています。
朝霞市の居住者の多くはサラリーマンやその家族であり、家産がある市民はごく一部です。そうした市民の能力を高める取り組みをしないと、朝霞市の持続性や活力はつくられないのではないかと思います。
ただしそれを単に「教育」と書いてしまうと、多面性がなくなってしまい、教育委員会の事務分掌の世界にだけになってしまうので、書き方には難しさがあると思います。

●日本創世会議の人口減の未来予測が効いているのか、今回は、人を呼び込むだけの成長話は出ていないのが興味深いところです。朝霞市はもって生まれた環境的な面で、バブル崩壊・デフレのもとでも一貫して人口増がありました。その結果、市民に十分な公共サービスを提供できてきたのか、改めて検証した方が良さそうです。武蔵野市や鎌倉市がそうですが、地域ブランドを確立した住宅地の人口は、オイルショック以後40年、ほとんど伸びていないのです。

●聞くだけでうずうずします。
議員代表が3人出ていることと、最後の段階で議会に議決をかける(基本構想+αのみ)ので、途中の議会への報告や説明はいらない、というのが策定している行政の方針。議員も価値を共有したり、途中経過を見てもらわないと、と思うのですが。議員による総合計画に無関係な政策の押し込みとか、政策を削らなくてはならないときの価値判断として総合計画を共有することは重要だと思うのですがねぇ。

●朝霞駅東口の出張所を利用された市民の方から、パスポート交付事務の厳密さについて疑義をもたれ、ご意見をいただきました。本当にそうかどうかわかりませんが、そのようなご意見をちょうだいしたこととあわせ、大阪の准看護師の殺害事件に関してパスポート偽造が行われたこと、それにともなうテレビ番組の有識者のコメントから偽造は難しくない、などのコメントが出たことから、改めて担当部長に、パスポート交付については、事務以外の点で多少市民から苦情が出ても、厳密に行うべきではないか、などとお話をいたしました。
それにしても、国の入出国や海外邦人の保護、海外にまで及ぶ重篤な犯罪やテロの防止に関係する仕事を、福祉自治体化、サービス化をしている市が行うべきなのか、改めて考えさせられます。

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5/29 6月市議会の開会通知

6月市議会の開会通知が届きました。あす、そのために議会運営委員会(傍聴可)が開かれ、議会日程や市長提出議案の確認などが行われます。

今日届いた開会通知の予定議案は、
1~3 専決処分の承認を求めることについて
4 平成26年度朝霞市一般会計補正予算(第1号)
5 朝霞市税条例の一部を改正する条例
6 朝霞市国民健康保険税条例の一部を改正する条例
7 朝霞市非常勤消防団員に係る退職報奨金の支給に関する条例の一部を改正する条例
8 朝霞市墓地等の経営の許可等に関する条例の一部を改正する条例
9 朝霞市健康増進センタープール事故防止等検討委員会条例
10 財産の取得について
11 固定資産評価審査委員会委員選任に関する同意を求めることについて
と通知されています。

このうち4、の補正予算は、3月市議会で審議した「当初予算」の帳尻あわせのために、隠してきた経費が追加予算が出てこないか注意を払う必要がありそうです。
6、の国民健康保険税条例の改正は、国の政策変更にともなう負担軽減の対象者を拡大することとなります。
しかしそもそも論からするといろいろ考えなきゃいけない政策のようです。所得が多かろうが少なかろうが国保加入者にかかる、国保税の人頭税部分「均等割」のみの負担軽減策です。これがあるから人頭税的な「均等割」の額を増やせというのが国の政策誘導。しかし、均等割を増やせば増やすほど、所得のない人には払いきれない国保税となるし、逆に均等割を抑えたときに恩恵はその分少なくなります。弱者を助けているのか痛めつけているのかよくわからない政策です。
8 については。朝霞市に周辺住民の反対や疑義がありながら、墓地が造られることになった場所が2ヵ所あります(1ヵ所は法律で賛否の意見聴取する義務のある民営の公共施設がありながら、そこは認めてしまったらしい)。それを受けての、墓地の乱開発が進まないようにする趣旨のものではないかと見られます。

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2014.05.26

5/24 あさかプレーパークの会10歳

24日、会員になっている、あさかプレーパークの会の総会に出ました。

一昨年秋の朝霞の森の開設で、目玉の市民協働事業として一気に広まったこの活動ですが、その前、10年の歴史があります。
今から11年前に、私が朝霞市の子ども政策に口を挟みはじめて、プレーパークをやりたいという人たちに出会いました。その後、城山公園を中心に活動が始められ、市や消防暑などと公園使用、たき火の許可など苦労して楽しく苦労して10年になりました。

インドア派の私には、積極的に関われていないところばっかりですが、公共施設の使われ方・使い方、役所の人の働き方、市民への関わり方、劇的に変えています。

また、孤立した子育てに悩む人たちをつなげる役割もしています。会員には、ここ数年に朝霞市に転入してきたご家族が少なからずおられ、孤立の回避と、安心感の創造、そして「自然が多い」と思って転居してきた人への十分な機会づくりになっています。総会終了後の意見交換ではそうした会話もありました。

これからが楽しみなプレーパークの会です。

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2014.05.25

5/25 いくつかの読書

アフィリエイトがほしいわけではないので、そういう紹介ではありませんが、いくつか本を紹介したいと思います。

結城博康『孤独死のリアル』(講談社現代新書)
自治体で介護担当職員、ケアマネージャーをされていた著者が実体験にもとづく、孤独死のレポートと政策提言。どうしたらよいのか、という道筋をつけてくれるのではないかと思います。
孤独死を避けられないことで、必ずしも不幸なことではない、としつつ、孤独死に行く過程、死んだ後の遺体や部屋の状況が悲惨となるケースとそうならないケースがある、と紹介し、生前の見守りの体制づくりや、本人の積極的な生活への関わりをどう引き出すか、介護にとどまらず、様々な関わりづくりが必要であることを紹介しています。
朝霞市にとって気になることは分譲マンションでの孤独死をどうするかです。

一方、マンションでは、多くの場合、資産価値が下がるため、孤立死が発生しても公にしたがらない。孤立死が実際に起きているのに、予防や啓発活動が行われないため、ますます増えていく、といったことになりがちだ。
マンションでは、隣に誰が住んでいるかまったく知らない住民も多く、部屋もオートロック式で外部から侵入ができないように遮断されている。管理組合も業者へ全面委託していて活動が形骸化していることがほとんどである。

と現状を示し、札幌市でマンションに介入していく行政事例を紹介しています。
朝霞市のマンションも購入層の大半は働き盛り層でしたが、やがてそれは団子になって高齢化します。また、次の購入層は退職金購入層で、マンションブームから20年経た今、そろそろ重度介護や、場合によっては天寿を全うする場面がやってきます。分譲マンションでの孤独死の問題を直視しないと、大変なことになるのではないか、と思います。
現状の新聞配達やヤクルトでの安否確認も分譲マンションでは届きにくいところがあるのではないかと思います。私も、新しい関わりを作る必要があるのではないか、と議会では問題提起をしています。

濱口桂一郎『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)
定年延長と高齢者雇用が必要な社会になっているのに、どうして進まないのか、という疑問に答えてくれる本です。1980年代のジャパンアズナンバーワンの誤解とそれにもとづくシステムが、労使ともに染みついていて、解決を難しくしている、ということを改めて認識しました。
今日流れている中高年の悲哀という点では、第四章二「中高年を狙い撃ちした成果主義」が読み物です。1973年オイルショック以降の、失業回避の社内配転、グループ企業内配転で、不況を乗り切ったと同時に定着していった職能給制度が、職務の対価ではなくて、潜在的能力も含めた「職務遂行能力」と見合うか、ということが問われていったことの展開は、おさえておいた方がよい中身です。
入社後、一定レベルになると知的熟練が進まなくなっているはずなのに、企業経営がうまくいっていた時代は、その分配として「知的熟練があった」と見なしていたものが、企業経営がうまくいかなくなって分配できる原資がなくなると、見合うだけの「知的熟練があったのか」問い返され、成果主義でリストラされることになっている歴史が紹介されています。
濱口氏が大事なことだというのは、こうした問題がありながらも雇用改革だけで話が進まないのは、年功型賃金が悪いっていったって、社会保障や教育など社会を再生産するコストを個々の該当する労働者に背負わせるのか、国民全体の財布でやるのか、その議論を整理しない限り、実現できない、ということも書かれています。
またまた参考になる一冊です。

全国夜間保育園連盟・櫻井慶一『夜間保育と子どもたち 30年のあゆみ』北大路書房
待機児童対策が注目され、保育園が増設されると、保育政策への関心の高まり、個々の保育所の問題の顕在化で「預かるだの保育」「保育の質」ということが神学論争的に展開されています。傾聴すべきものもありますが、なかには、保育所や幼稚園選びを保護者のステータスやスティグマにしてしまうような危険な議論の仕方もあったり、保育園どうしの業界内の争いから端に発したレッテル貼りが横行していたり、注意して聞かなくてはならないものも少なくありません。
そういう神学論争華々しい渦に巻き込まれている保育業界の中で、最も過酷な状況にあるのは夜間保育園とその利用者ではないか、と思っています。

看護師や鉄道従業員、最近は小売業界など、夜間働かなくてはならない職種は少なくありません。利用者は日中享受しているサービスでも、欠品回避のために、コンビニの弁当工場などそうですが、夜働く仕事もあります。
そうした人たちを支える夜間保育園の経営者が、様々な努力を重ねるなかで、研究者も入れた15年にわたる調査で、夜間保育園に子どもを預けても子どもはおかしくならない、という報告書が何度か出されています。そうした取り組みをまとめた本で、恐らく、夜間保育の実態について知ることのできる稀書ではないかと思います。

すべてのことは子どもを中心において考えるのです。私(報告者の1人)は、この考え方に特に依存はありません。(中略)保育士と保護者の共通の判断基準である「子どものために」が決めゼリフになるのです。(中略)「子どものために夜遅い時間は預けないほうがいいですよ」「子どものために、休日ぐらい子どもと一緒にいてくれませんか」保育士が意識しているかいないかにかかわらず、保護者に、今の仕事は辞めて別の仕事に就きなさいと勧めているのです。

15年間の研究成果によると、「子どもの発達状態には、『保育の形態や時間帯』ではなく、『家庭における育児環境』および『保護者への育児への自信やサポートの有無』などの要因が強く関連していました」。深夜に及ぶ夜間保育であっても、質の高い保育が提供されれば、子どもに望ましい影響が見られ、夜間保育園児と昼間保育園児とを比較しても、子どもの発達状態に差はみられないとの結論でした。まさに神話崩壊です。よって正しくは「児童福祉の観点から、夜間保育は望ましくない」のではなく、「子どもの置かれた環境(状態)が望ましくない」のであって、この状態を前提として「児童福祉の観点から、すなわち児童の健全育成の観点から夜間保育をすることでより望ましい状態に変える」が正解です。

ここからが2000年に朝霞市民を事故に遭わせた経験から耳の痛いところです。
現実に目の前にいる、闇に漂う子どもたち、を見て見ぬふりはできません。夜間保育が制度かされていなかった時代に、劣悪な環境下であったベビーホテルで死亡事故が相次いだこと、あるいは深夜家庭で留守番をしていた兄弟児が火事で亡くなったこと、など放置してよい事例ではありません。それこそ児童福祉の放棄であり、保育園の福祉施設としての意義を失わせているものです。

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2014.05.24

5/23 近未来の福祉を見に、箕面・尼崎・高浜市へ

21日~23日は、朝霞市議会・民生常任委員会の視察旅行で、大阪府箕面市の福祉の苦情解決システム、兵庫県尼崎市の喜楽園の24時間定期巡回・随時対応訪問看護介護の始動状況、愛知県高浜市の地域福祉計画10年目の課題についてヒアリングして歩きました。

21日は箕面市の苦情解決システムの視察でした。
多様化する福祉サービスや、市民社会にふさわしい福祉のあり方をめざすうえで、利用者が不適切だと思った福祉サービスについて問い合わせでき、適正な解決を道案内する第三者委員会やオンブズマンの設置が期待されます。その事例として、同規模自治体から箕面市にうかがいお聞きしてきました。
制度定着により、当初は年間100件以上あった苦情解決の申し立てが、福祉事業者の仕事の改善につながり、改善対策については市内の福祉事業者との共有がされ、現在は年間10件前後まで申し立て件数が減っていました。
事業者の機嫌を損ねないように、専門家に払う報酬がもったいない、市の福祉施策に対するノイズになるなどの理由で苦情解決システムは大きな自治体しか実現されていませんが、福祉サービスの底割れの防止や早期発見に有効です。単なるクレーマー迎合や、公務サービスへの攻撃としてのオンブズマンとは違う展開がされていることが言えていると感じました。

22日は24時間定期巡回・随時対応訪問看護介護の視察でした。
実施しているところでは和光市があるんでしょ、という感じですが、市の施策との関係では和光市はモデルとして立派過ぎるということもあり、選ばせてもらいました。
それでもうかがったところは立派な内容でした。
市役所にうかがい市の施策を聴く、というのが通常の視察ですが、今回は、尼崎市役所の配慮と朝霞市議会事務局の働きかけにより、サービスを実施している喜楽園のヘルパーステーションを母体にした取り組みをお伺いすることになりました。
このサービスが誤解されているようなサービス垂れ流しにはなっていないことが確認された一方、日中きっちりやる介護で夜中に起きなくて済むようにできるスキルの大切さや、地域社会との事業との関係強化がカギだということなどお伺いできたことと、前向きな地域に定着した福祉事業者がやることのメリットも確認してきました。利用者も当初は全身介護の利用者を想定していたところ、むしろ要介護度の高低より、認知症など介護の内容によって利用されている、という傾向もあることが確認できました。
業者が来てやってくれるからありがたい、という朝霞市の8月からの24時間~訪問看護介護がうまくいくのか、チェックすべきところが見つかったように思います。

23日は愛知県に移動し高浜市の地域福祉計画10年の状況をお伺いしてきました。
朝霞市も地域福祉計画10年になるということで、策定時にモデルとして紹介された高浜市や茅野市の状況がどのようになっているのかお伺いしたい思いがあったからです。
10年前の計画策定の住民のネットワーク化は今も定着しているのですが、5年前の2期計画が簡素な方法で作ってしまったために、人の入れ替わりができていないなどの課題を話していただきましたが、朝霞市同様小さな市だからこそできていることが多くて、次回はそれぞれ市民が立ち上げた事業を見ていくこどか必要だな、と感じました。
高浜市は、まちづくりに関して日本福祉大学と包括的な関係を結び、地域福祉計画や発達障がい児の支援、都市のあり方など、助言や実験的な試みを広げています。福祉のような政策が動的に変化する分野では、新しい考え方からの刺激を絶えず受ける必要があることから、大学と連携することに金と暇をいとわない高浜市の市政も学ぶべきところが多くあると思いました。

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2014.05.13

5/12 和光市の介護保険がNHKクローズアップ現代で紹介されました

昨日のクローズアップ現代「介護からの卒業式」で和光市での、介護度が軽い人が自立復帰できるように取り組んでいることが紹介されていいました。

高齢者の全数調査から始まったこの10年の和光市の介護保険の取り組みには学ぶべきところが多いですし、公的に介護を事業として取り組むということがどのようなことか考えさせられます。

あまり近隣市と比較すると、余計によいことをしなくなると言われていますので、比べるのは控えるべきですが、議会の質問でも、介護施設をどのくらい増やすか、という話と筋力トレーニングの話しか出てこない、わが市の状況と嫌でも比較してしまいます。

和光市の介護保険の運用の成果を比較するための対象として朝霞市がならないように、引き続き在宅介護をどうしていくのかというポリシーと、介護予防の多面性について、議会で質し、市役所の仕事の質の問題として、目標を「何をするか」「何をつくるか」ではなくて、「どんな問題を解決すべきなのか」という視点に置き換えていくよう、議論をしていきたいと思います。

●朝霞市の介護保険制度の運用は、個々のケアマネージャーや医師の判断に任されている部分が大きいので、気づかない人には気づかないままの一方、スキルのあるケアマネージャーや医師に当たった人には自立に向けたケアや、重度な人でも必要な支援が受けられる、という結果になります。専門職を信頼した制度運用とするなら、今度は介護の要否の判断を行う専門職が相互に触発しあえるよう合同研修みたいなことをやらないと、と感じているところです。

●和光市の介護保険料が安いということが番組ではクローズアップされていましたが、それだけに話が焦点化されると、戦略性のない介護保険の運用しかしていない凡百な自治体では、とんでもないことが起きる、ということも注意を払っておきたいと思います。同じ年齢別人口構成のもとで、介護保険料を安くするには、介護事業を絞り込むことになるのですが、その際、和光市のような在宅中心での高齢者の幸福度を高める取り組みをして自立につなげていくことをしなければ、単に介護施設の利用者待機者を増やすだけになるか、補正予算で追加財政投入を繰り返して、次の計画期間で大幅値上げをしなければなりません。
また、和光市の介護保険料が特段安いかというと、朝霞市も近い水準です。介護保険料負担だけをあれこれ議論しても仕方が無く、意味のある介護保険制度なのか、効果のない無意味な介護保険料なのか、という議論をきちんとしないとまずいと思います。

●数日前、民主党の社会保障派を自称する議員が、和光市のこうした取り組みを、「大して自立していない」とくさすようなツィートを見受けました。民主党の社会保障政策の方針が、菅内閣の細川厚労相から軌道修正がかかったはずですが、また先祖返りしているようです。社会保障は大事な政策ですが、大事な政策だからと政局化すべき話題かどうかはまた別なことです。仮に和光市の介護保険制度の課題があったとしたら、そのレベルの話ではないと思います。残念なことです。

●和光市の介護保険の運用の鍵は地域コミュニティーケア会議の運用ではないかと思います。今は優秀な部長がいて、前向きな議論をし、全体の底上げと、自立に向けた挑戦を促す場となっています。そのためには管理職の人材と、会議に参加する専門家・事業者間の信頼関係が大切だと思っています。

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2014.05.07

5/7 消費税増税で作った財源を横取りするかのにような法人税減税を主張するなら政策効果と効果が出る期限を明示せよ

消費税増税をしたばかりのところで、法人税減税を打ち上げる安倍政権は無定見ではないかと思っています。

民主党政権をぶっつぶした消費税増税は国益をもって判断されたものですが、社会保障費の増大や現在の債務残高をふまえて、持続可能な国の財政を作るためものだったと思いますし、私もそのように理解しています。

ところが、そうして国民がつらいと思いつつも、国の未来を考えて受け入れた増税財源を、簡単に法人税減税に走るのはどうかと思います。
法人税減税が政策的効果があるのか、私は疑問です。

政府税調に入り込んでいる太田弘子氏などが盛んに経済効果がある、と押し込んでいるものですが、産業が海外に流出しないインセンティブはあるものの、海外から産業が税金が安いからと日本に環流してくると言い切れるものなのでしょうか。
法人税減税によって企業に残る現金が、ちゃんと消費にまわるのでしょうか。儲けの残りから払う法人税が惜しいから日本から出て行く企業が、直接のコストである賃金を上げたり、下請け、孫請けに対する仕入れコストの切り下げをやめる、ということがなければ経済効果などないのです。

むしろ、企業が儲けを残しても税金が取られなくなるのですから、企業活動は活性化しても、それは需要にまわらず法人の蓄財にまわされることになります。それこそ、今の経済構造を歪めている元凶です。
税金が浮いた分の現金が法人の蓄財となれば、その現金は個人消費の需要を生みません。需要がないなかで蓄財した現金に具体的な投資先もないのですから、ただ投機資金に回るだけです。それは投資してもただ現金らしきものを保有することになるだけなので、再び、バブル崩壊の道と、その後のデフレへの圧力になります。

税金以上につよい直接的なコストである、賃金を払うわけがないし、仕入れコストを上げるわけもないし、そうであるなら消費も増えませんから、何の効果もないのではないかと思っています。残るのは、今社会問題になっている、企業だけが蓄財して、国民の貧困化と政府の財政赤字の死屍累々ではないかと見ています。

国民にとって税金がみんなの生活を支えるための共同の財布という考え方がとうとう確立できなくなります。払った税金が自分たちを苦しめる企業・法人に持って行かれた、という被害者意識しか醸成しません。その結果、税金を払うことに対するモラルはさらに下がるのではないかと思っています。

残念な政策判断はしないでしほしいものです。

●甘利経済再生担当相と、太田弘子氏は、法人税減税によるトリクルダウンの、政策効果の目標値と、その実現の期限目標を示すべきだと思います。社会保障はじめ他の政策で、当たり前のようにやらされていることを、法人税減税においてもならってもらいたいものです。とくに太田弘子氏は、福祉を切れ、政府支出を抑制せよ、財政を再建させよと言ってきた人です。責任ある説得をしてもらいたいと思います。

●労働者に、長時間労働や過剰な感情労働を要求して世の中壊し、そのツケは保育所のコスト増大や、家庭の崩壊、精神医療関係のコスト増大となって余波を受けている企業が、そのコストを負担せずやりにげして、それが改革だと言ってはばからないのは、どうかしているとしか思えません。

●競争力強化による産業再生、そのための小さな政府という路線は、イギリスも、アメリカも財政悪化をもたらしてきています。減税の先食いばかりされて、国民を支える十分な社会保障が構築できないので、貧困は底に滞留し、結果として、人権の観点で民主主義国がやらざるを得ない、国民の生存の極限を支える、最もコストのかかる福祉支出が増えざるを得なくなるのです。

●現在、法人税を払える企業は東京に集中していますから、法人税減税の効果は東京と名古屋に集中することだと思います。消費税は地方でも払っていて、それが増税になっていますから、地方から東京の資金の移転が起きることになります。

●消費税増税は必要だという私も、それでできた財源をすべて財政再建に使え、という財務省の金科玉条を言うつもりはありません。銀行に環流させても、投機資金にしかならないからです。使う先が、消費に効果が出てこないところに使っても仕方がないと思っています。
私は、消費との関係で言えば、法人税減税は公共工事予算の増大以下の判断だと思います。今回上げた消費税の1~2割を、現在、ワーキングプアに支えられている介護、福祉労働者の待遇改善に使うだけでも、人材確保難の悪循環と、支出を抑制しすぎて生活している彼らが消費の拡大に回していきます。また社会で生産活動に邁進したいという人たちへの目詰まりを解消する効果も出てきます。高齢者医療費の軽減などにまわせば、今度は現役世代が退職後の不安を解消するための不必要な蓄財をせず消費に回すことが可能になります。

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2014.05.04

5/4 何も伝えていない

最近の朝霞市のホームページに、情報が多いのはいいのですが、主記事に何も書かず、リンクだけ貼っているのが見られます。

スマホや、スペックの低いパソコンからPDFファイルを開くのは負荷と時間がかかります。リンクした記事に何が書いてあるのか、市民は何を注意すべきなのか、本文記事にも記載すべきです。

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2014.05.02

5/2 「燃えないごみ」と「廃プラスチック」の分類

季節の言葉で始めるのは珍しいのですが、青空と新緑のきれいな季節になりました(と書くので花粉症以外は本当に気持ちのよい季節です)。

環境という話で、市役所からごみの出し方に注意喚起が行われています。
廃プラスチックごみに、危険物を混ぜないで、という案内です。

朝霞市では「燃えないごみ」の日に、「燃えないごみ」とリサイクルごみである「廃プラスチック」を同じ日に収集しています。混入しないように、市民のみなさまには、ぜひともご協力をお願いいたします。

また「燃えないごみ」の日に出されるごみも、そのまま埋めるのではなく、作業員が手作業で分類して再資源化できるものは再資源化しています。危険なまま出されると、作業員が事故にあうことがあります。全国的にはしばしばこうしたことで収集員、分類作業員が事故に遭遇しています。

ごみは、出したとたんに、その先のことがまったく頭の中になくなりやすいものです。
その処理に責任を持つ市が、袋に入れられた廃プラスチックごみは誰が片付けているのだ、ということを示している写真を、今回のホームページに入れていることはとてもいいのではないかと思います。
ごみは、収集車に積まれていったあと、どこかの誰かが処理しています。燃やしたごみでもその灰は誰かが引き受けて最終処分場に持ち込めるごみとして整理しています。

●ごみ分別のやり方が変化していくなかで、かつての分別をひきずった呼び方がこうした混乱を招いているのではないかと思います。
廃プラスチックは、本来、リサイクルごみのはずですが、びんかんペットボトルなどのリサイクルごみの収集に量が集中してしまうため、「燃えないごみ」と同じ日に回収しています。
「燃えないごみ」は、われものや十分に気を抜いたスプレー缶などと同じタイミングで収集するので、よくわからない市民には、市のホームページで問題にしたような出し方をされるのではないかと思います。

最終処分の姿を想定して分類名を再定義した方がよさそうです。


1.資源化できるごみ
①びん
②かん
③ペットボトル
④衣類
⑤書籍
⑥新聞古紙
⑦その他古紙(のりつき・サーマルペーパー以外)
⑧廃プラスチック
(⑨生ごみ…これだけ引き受けることができれば)

2.埋め立てるしかないごみ
⑩われもの・刃物
⑪燃やせないごみ

3.燃やすことが適したごみ
⑫燃やした方がよいごみ
※この灰に金属や燃え切れないものが混入すると最終処分場の受け入れ拒否にあい、処分コストがはねがあることも説明した方がよいのではないかと思います。

●しかしこの記事のタイトル、もう一工夫した方がいい。「廃プラスチックのごみ袋に危険物を混ぜないでください」ぐらいがよい。「プラスチック資源化施設からのお願いについて」は、「について」が不要。そして、意味を理解するのに本文を読み下さないとわからない人が多いのではないかと思います。市民へのお願い記事は、見出しと写真だけで意味が伝わるぐらいにした方がいいのではないか、と思います。自分のブログへの反省も含めてですが。

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