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2014.05.29

5/28 次の総合計画の基本的な考え方がまとまる~総合振興計画審議会を傍聴

5月19日と29日、朝霞市の総合振興計画審議会を傍聴し、次の総合計画の検討状況をお聞きしてきました。

29日は「とりあえず仮止め」ということで、計画の根本となる基本構想の文言整理が終わったところです。以前このブログでも懸念しましたが、柱が分立してそれがそのまま基本構想の柱建てになり、縦割り行政の印象を与えたところについては、抜本的な軌道修正が図られました。
「仮止め」なので、計画の各分野の記述がまとまったら、再度、この基本構想が定着できるのか、検証することになるようです。

今回はボトムアップ的に政策分野を集約して柱建てをするのではく、朝霞市全体として、次の10年、どのような価値で行政を進めるべきなのか、という観点で言葉がまとめられています。また、その前提となっているのは、春に実施したワールドカフェなどの議論をふまえてのものです。議論の進め方はよかったのではないかと思います。

基本構想のもとの「市の将来像」では、「私が住み続けたいまち」または「私が住み続けるまち」のいずれかから次回整理することになります。委員の発言からまとめると、市民の視点、市民を含むことを前提とした市の持続性、市民が主体的にまちをよくしていくことなどが思いに込められているようです。
審議会の最後に、この文言について、「住み続けたい」という願望にしていくのか「住み続ける」という意志にしていくのか、議論が分かれ、その決着は次回に送られることとなりました。また、私がと住みの間に「豊かな」を挿入すべし、という意見もありましたが、会長が「豊かさなのか」と疑義を示し、いったん斥けました。

その下の「将来像実現のための基本的コンセプト」も分野別ではなく市民生活に観点をおいて、
「(1)安全・安心なまち、(2)子育てが楽しいまち、(3)つながりのあるまち、(4)自然・環境にめぐまれたまち、(5)元気で活力のあるまち」と整理されました。

審議会が参考としたのは、兵庫県のベッドタウン、第5次川西市総合計画で、行政分野ごとにまとめたものではなく、市民生活のステージによって計画を分類していったものです。

また他都市では総合計画となっているものが、朝霞市の場合なぜ総合振興計画となっているのか、という疑義が委員から出され、別の委員からは、未開発な状態を前提とする右肩上がりの発想で取ったらどうだ、という賛同意見があったことから、審議会として総意で、行政側に前提となる計画名を変更することを検討するよう、求めることとなりました。

次回は7月、次々回は8月に開かれる見込みです。日程はこれから調整して決定するようです。

●いささか文言が「わかりやすさ」を追求したために、ごく当たり前の表現ばかりになった、という感想を持ちます。
その一方で、ここに挙げられた「コンセプト」は、各課横断的に意識しなければならない課題ということでもあります。例えば、従来は、行政分野別だったので「子育て」とくくると子育て支援課・保育課ばかりに負荷をかけた対策を打つということではなく、道路や公園の改善、学校での子どもの人権などは市の施策として「子育て」ということと連動せず、各セクションで「よかれ」と思ったことを勝手にやってきたという扱いになっていたし、問題が起きたら対症療法する、何のため、誰のため、どのような効果ということについて全庁的な共有したものはないなかで政策が進められていた、と思います。そういう点では意味のある変化ではないかと思います。

●今回の基本構想のなかに欠けているかなと思ったところは、狭い意味での教育ではなく、人が学び成長していく、人的開発の面ではないかと思います。
成熟社会への移行で、経済やモノによる成長が一自治体の努力では難しくなったとしても、一方では、子どもだけではなく人の能力を高めていくことに挑戦していくことは不可欠ではないかと思っています。
朝霞市の居住者の多くはサラリーマンやその家族であり、家産がある市民はごく一部です。そうした市民の能力を高める取り組みをしないと、朝霞市の持続性や活力はつくられないのではないかと思います。
ただしそれを単に「教育」と書いてしまうと、多面性がなくなってしまい、教育委員会の事務分掌の世界にだけになってしまうので、書き方には難しさがあると思います。

●日本創世会議の人口減の未来予測が効いているのか、今回は、人を呼び込むだけの成長話は出ていないのが興味深いところです。朝霞市はもって生まれた環境的な面で、バブル崩壊・デフレのもとでも一貫して人口増がありました。その結果、市民に十分な公共サービスを提供できてきたのか、改めて検証した方が良さそうです。武蔵野市や鎌倉市がそうですが、地域ブランドを確立した住宅地の人口は、オイルショック以後40年、ほとんど伸びていないのです。

●聞くだけでうずうずします。
議員代表が3人出ていることと、最後の段階で議会に議決をかける(基本構想+αのみ)ので、途中の議会への報告や説明はいらない、というのが策定している行政の方針。議員も価値を共有したり、途中経過を見てもらわないと、と思うのですが。議員による総合計画に無関係な政策の押し込みとか、政策を削らなくてはならないときの価値判断として総合計画を共有することは重要だと思うのですがねぇ。

●朝霞駅東口の出張所を利用された市民の方から、パスポート交付事務の厳密さについて疑義をもたれ、ご意見をいただきました。本当にそうかどうかわかりませんが、そのようなご意見をちょうだいしたこととあわせ、大阪の准看護師の殺害事件に関してパスポート偽造が行われたこと、それにともなうテレビ番組の有識者のコメントから偽造は難しくない、などのコメントが出たことから、改めて担当部長に、パスポート交付については、事務以外の点で多少市民から苦情が出ても、厳密に行うべきではないか、などとお話をいたしました。
それにしても、国の入出国や海外邦人の保護、海外にまで及ぶ重篤な犯罪やテロの防止に関係する仕事を、福祉自治体化、サービス化をしている市が行うべきなのか、改めて考えさせられます。

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