5/12 和光市の介護保険がNHKクローズアップ現代で紹介されました
昨日のクローズアップ現代「介護からの卒業式」で和光市での、介護度が軽い人が自立復帰できるように取り組んでいることが紹介されていいました。
高齢者の全数調査から始まったこの10年の和光市の介護保険の取り組みには学ぶべきところが多いですし、公的に介護を事業として取り組むということがどのようなことか考えさせられます。
あまり近隣市と比較すると、余計によいことをしなくなると言われていますので、比べるのは控えるべきですが、議会の質問でも、介護施設をどのくらい増やすか、という話と筋力トレーニングの話しか出てこない、わが市の状況と嫌でも比較してしまいます。
和光市の介護保険の運用の成果を比較するための対象として朝霞市がならないように、引き続き在宅介護をどうしていくのかというポリシーと、介護予防の多面性について、議会で質し、市役所の仕事の質の問題として、目標を「何をするか」「何をつくるか」ではなくて、「どんな問題を解決すべきなのか」という視点に置き換えていくよう、議論をしていきたいと思います。
●朝霞市の介護保険制度の運用は、個々のケアマネージャーや医師の判断に任されている部分が大きいので、気づかない人には気づかないままの一方、スキルのあるケアマネージャーや医師に当たった人には自立に向けたケアや、重度な人でも必要な支援が受けられる、という結果になります。専門職を信頼した制度運用とするなら、今度は介護の要否の判断を行う専門職が相互に触発しあえるよう合同研修みたいなことをやらないと、と感じているところです。
●和光市の介護保険料が安いということが番組ではクローズアップされていましたが、それだけに話が焦点化されると、戦略性のない介護保険の運用しかしていない凡百な自治体では、とんでもないことが起きる、ということも注意を払っておきたいと思います。同じ年齢別人口構成のもとで、介護保険料を安くするには、介護事業を絞り込むことになるのですが、その際、和光市のような在宅中心での高齢者の幸福度を高める取り組みをして自立につなげていくことをしなければ、単に介護施設の利用者待機者を増やすだけになるか、補正予算で追加財政投入を繰り返して、次の計画期間で大幅値上げをしなければなりません。
また、和光市の介護保険料が特段安いかというと、朝霞市も近い水準です。介護保険料負担だけをあれこれ議論しても仕方が無く、意味のある介護保険制度なのか、効果のない無意味な介護保険料なのか、という議論をきちんとしないとまずいと思います。
●数日前、民主党の社会保障派を自称する議員が、和光市のこうした取り組みを、「大して自立していない」とくさすようなツィートを見受けました。民主党の社会保障政策の方針が、菅内閣の細川厚労相から軌道修正がかかったはずですが、また先祖返りしているようです。社会保障は大事な政策ですが、大事な政策だからと政局化すべき話題かどうかはまた別なことです。仮に和光市の介護保険制度の課題があったとしたら、そのレベルの話ではないと思います。残念なことです。
●和光市の介護保険の運用の鍵は地域コミュニティーケア会議の運用ではないかと思います。今は優秀な部長がいて、前向きな議論をし、全体の底上げと、自立に向けた挑戦を促す場となっています。そのためには管理職の人材と、会議に参加する専門家・事業者間の信頼関係が大切だと思っています。
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