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2014.04.03

4/3 臨時給付金を自治体が配布することの問題

4月に入り消費税が増税になり、低所得者の負担緩和として、臨時給付金が出されます。朝霞市の事務手続きは住民税が確定する夏頃となる見込みです(多くの自治体と同じ時期です)。

臨時給付金は2種類で、①住民税の課税がされていない人(生活保護世帯を除く)、②①を除く児童手当受給世帯で、1回きりの1万円です(年金受給者、特別障がい者手当や児童扶養手当の給付を受けている人は加算あり)。

これも申請しないと受け取れません。もちろん市役所から申請書類が送られる見込みですが、申請もれがないよう注意が必要です。

●消費税の増税は必要だと認識していますし、増税の痛みの大きい低所得者を緩和する意味で、国民に税務事務作業を増大させる軽減税率制度よりまし、こうした給付金を設けることには賛成どころか、推進する立場です。

しかし、この事務のやり方について問題が大きいといわざるを得ません。
まず、国の制度として行われ、給付金の財源は100%国の補助、給付事務のコストも国が面倒見る、ということになっています。自治体が痛みがないと言えばそうなのですが、そこまで国丸抱えの仕事をなぜ自治体がやらなくてはならないのか、という思いはあります。
問題は、自治体が実施する拒否したり制度を改変して実施できるはずの「自治事務」と位置づけられて行われることです。もちろんすべての自治体が住民にお金を配るだけの事務を拒否したり、逼迫する財政でバラマキを加算することなどありませんが、地方分権の考え方からするとおかしな話です。自治体はこのために、臨時職員を確保したり、コンピューターシステムを変えたり、印刷物を刷ったりさせられます。
その事務作業量はわかりませんが、コストだけ見ても、自治体によりますが、朝霞市で給付額の10%程度、多い自治体だと2割を超えます。

朝霞市の臨時給付金の歳入・歳出(2014年度当初予算、事務経費は国が手当する金額にあわせて計上)
                   歳出          歳入       持ち出し
臨時福祉給付金        3億1300万円     3億1300万円   0円
臨時福祉給付金事務関係  2898万円     2898万円   0円(ただしこの事務にあたる正規職員の人件費の作業時間分の計上はなし・時間外勤務手当のみ)
子育て世帯臨時特例給付金 1億5000万円    1億5000万円    0円
同事務関係           2069万円       2069万円      0円(この事務の監督にあたる正規職員の人件費の作業時間分の計上はなし)
合計   給付金関係     4億6300万円
      給付事務関係      4966万円
  事務費の内訳 電算システム改造1010万円、郵送料1801万円、口座振替手数料892万、人件費関係341万(正規職員の人件費の負荷工数は含まず)、印刷費などなど。

本来税金を取ることの見返りとして給付されるのですから、所得税の税務申告のなかで処理されればよかったのではないかと思います。扶養家族や低所得者など、税務申告のない人をどうするか、という問題だけ、自治体との間で事務処理を進めるか、そもそもの国税の申告のあり方を変えるなどすればよかったのではないかと思います。

また、増税の部分的見返りなのですから、増収する税金より上回ることはありません。そうであるなら1人あたり平等に1万円戻すことをすれば、事務作業は格段に簡素化されます。

所得格差がそのまま控除額に反映され加速的な逆進性を持つ各種所得控除の廃止の引き換えに、こうした戻しを所得税のなかに組み込み、恒久化してもいいのではないかと思います。

いずれにしても、あっちでとって、こっちで返して、事務作業をふくらますだけの自己目的化した制度設計をして、仕事の効率化に逆らうようなことはやめてほしいものです。とくに子どもに関しての給付金は、子ども子育て新制度への移行準備のなかでやらなくてはならないわけです。困ったものです。

●こうした国が実施する給付金は、民生費支出として増大し、市町村の支出の民生費の比率をさらにおしあげます。そうしたことを割り引かずに、中身をきちんと検証しないで「民生費の増大」という安易な批判が行われているのではないか、注意して聞かないと本質を見誤ります。

●昔、町村部の自治体職員の友人に、国民全員に給付金を配った「定額給付金」を実施する前、配布を効率よくやる方法はないか、と聞かれたことがありました。私は、本人証明できる書類を提示したら、その場で現金を渡すのがよい、と申し上げたことがあります(記憶にないのですが、東北の町村でそう割切って処理した自治体もあったと思います)。
コンピューターシステムを改造して、そのバグを潰し、郵便物を送り申請書を出してもらい、その提出確認業務をやり、銀行に手数料を払い振込事務をする、などと考えると、その場で渡してしまえば、1回こっきりの事務になります。
もちろん騙し取られる可能性もありますが、そのリスクが、この七面倒くさい手続きのように給付額の1割を超えることなど、本人証明の提示がある以上、ありえません。町村部であれば、騙し取ったら、そのまちにいられなくリスクの方が高く、1~2万円の金額のためにそのリスクを冒してまで騙しとるか、ということも言えます。
これだけの事務を重ねても、定額給付金にしろ臨時給付金にしろ、きちんと本人に渡っているかという点では、DV被害者の給付金を加害者が世帯主としてすべて取ってしまったこと、逆に暴力団等に追いかけられている人は絶対に受け取りに行けないなど、あったわけで、本人と違う人に渡ってしまうということを撲滅することは不可能ではないか、と思うところもあります。

行方不明の年金の問題もそうですが、多様な国民市民がいるなかで、その国民との間に現金をやりとりする事務のなかで、1人たりとも間違いのない事務、などありえません。間違いの軽減とその事務工数の限界がどの位置にあるのか、という問題です。

●朝霞市の場合、給付者リストの作成、チェックする職員の人件費、蛍光マーカー、給付金を入れる封筒代、封筒に入れる事務工数に、騙し取られるリスクを加えた金額的経費が4966万円を下回るようでしたら、本人証明・窓口現金払いをした方が効率的である可能性がある、ということです。

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