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2014.04.30

4/30 国会が一部閣僚に携帯閲覧を規制緩和へ

国会で一部閣僚に携帯閲覧を解禁する方向へ。

一部閣僚どころか、会議妨害にならなければ全面解禁したらいいと思いますが。

自治体議会でも今、倒錯した議論が展開されていて、携帯やパソコンの持ち込みを禁止する一方、タブレット端末を議員に持たせるのが先進事例だとして、公費負担までして持たせることが提案されている議会が出てきています。

私はこれに考え方がきちんとしていれば反対するものではないのですが、しばしば手段と目的がひっくり返って、タブレット端末さえ持たせれば先進事例などという間違った報道がされているものもあります。また紙を使わなくなったからエコだとかいう議論もありますが、多分、情報機器を動かす電気代(さらには電力を作るための今日のエネルギー問題を考えると…)より、紙の方が安いし、膨大な資料だからこそ資料がみつからなくなる頻度は少ないはずです。

情報機器を議会に入れるのは、閉鎖された空間で与えられた情報だけで議論することがナンセンスになりつつあるからでしょう。議会で議論に利用した資料を、紙のままにせず、データ化して国民にオープンにする、体系的に保存して歴史的アーカイブにしていくなどの展開も可能です。
また議会での議論の際にも、言葉で説明しきれるものであればよいのですが、表や図面など必要であったり説明が効率的になったり、理解がされない場合もあります。

単にタブレット端末だから先進的ととらえて、他の情報機器を差別する扱いをしている限り、わがまちにもわが駅前にも再開発ビルを、と言っているレベルの話です。

私は圧倒的にキーボード派なので、ノートパソコンがダメでタブレット端末がいいなんてまったく理解できません。

もう一つ、なぜ情報機器の議場への持ち込みを禁止するのかという議論が必要でしょう。
公務は民間準拠とよく言われます。民間企業・団体が情報機器の持ち込みを規制する場合というのはどういう場面か考えると、①秘密漏洩からの防衛、②会議の間に電話やメールが入って気を取られて会議が非効率になるのを防止するため、③単に見苦しい、ではないかと思います。
③については、使わなければよいことで持ち込み禁止まではやっていません。
①については自治体にしても国会にしても秘密会の指定という別の手続きがあります。それ以外は公開原則なのですから規制するのはおかしな話です。
とすると公開する会議で規制すべきは②の基準ということになろうかと思います。もちろん場内での会議を妨害することになる通話は論外にしても、情報機器の持ち込みや、メールタイトルのチェックすら禁止しているというのはどうかと思うことがあります。

●議員が携帯メールのチェックばかりしている、ということがあり、それが政局に利用しやすかったことで持ち込み禁止が始まったように記憶していますが、少なくとも理由は会議効率化のためではないのです。
形骸化して結論が見えてる会議だからこそ、議員たちは携帯メールをチェックする誘惑にかられるのではないかと思います。

●朝霞市議会は、実質的に情報機器の持ち込みは解禁されています。市議会のさなかに北朝鮮がミサイルを撃ち込んだときには、市長が迅速にタブレット端末から事実経過などを確認しています。私はこれでいいのではないかと思っています。
ただしだからといって議論に集中していないように思われないように節度が必要でしょうし、議論の内容に関する調査か、重大な議会外の事態の変更に関わる情報収集に限るべきではないかと思います。

●憂慮されるのが、議員でない人が外部からメールや電話で議員に指示して議論をコントロールするのではないかという杞憂があります。今どきそれだけの組織性のある政治集団があるとは思えませんし、仮にそういうことをすればその議員の評価に関わる問題となるだけです。
また情報機器の持ち込みを制限したって、今でも、質問原稿を代筆してもらっている問題は各地で続発していますし、最終的にやはり議場に何を話すかということでの責任を問うしかないのだと思います。

●学校も、武雄市の取り組みに刺激されて、その外形的先進性だけに着目して、タブレット端末導入せよ、という大合唱が各地の議会で起きたり、教育委員会が打ち上げたりするのでしょうが、今現在、携帯電話やスマートフォンが教育上よろしくない、不純異性交遊のツールだとか非難されています。パソコンは贅沢品だから持ってくるな、というような指導をしています。そのなかで、タブレットだけはOKという矛盾は問われてくると思います(そしてタブレットとスマホの違いについて重箱の隅をつつくような決まりを設けたりして日本的官僚制そのままの行動規制が始まったりします)。
まぁ、確かにツールの技術水準は明治時代のまんまです。プロジェクターを使う会議や説明の現場が社会では当たり前になっている時代に、または議論の技術もポストイットやホワイトボードなど使うのが当たり前の時代に、何か手を入れなくてはとは思いますが。

国会:携帯閲覧「解禁」 首相と8閣僚、緊急事態時  毎日新聞


 衆参両院の議院運営委員会は、大規模災害や事故などの緊急事態時に限り、本会議場や委員会室で携帯電話やタブレット端末の使用を、首相や一部の閣僚に解禁することを決めた。衆院は今後、議員の使用制限の緩和も検討する。

 首相のほか、官房長官、外相ら国家安全保障会議(日本版NSC)閣僚会合メンバーの8閣僚に対し、官房副長官や秘書官が緊急情報を伝える際、端末画面を直接見せ...

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