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2014.04.19

4/19 役所の機能分類のままではないか~総合振興計画

17日に朝霞市の最も基本的な計画である総合振興計画の策定委員会が開かれました。その資料が市のホームページで公開されています。策定手法については、大胆な市民参加などが行われて、そのことはとてもよいのですが…。

17日の会議で「施策の大綱の枠組み検討」という文書が出てきました。
これがどのような位置づけの文書になるのか読み取れませんが、この分類は単に、現在の市の部課の分類のままです。高齢者福祉や子育て支援、教育、空間整備がそれぞれ独立していますが、これこそ、高齢化や子育ての環境と無縁ではないし、むしろ交通安全や公園などとの密接な関係などでは大いに高齢者や子育ての政策と関わっています。
また大事な行政経営が吹き出しになっているのに、財政だけが独立しています。政策なき財政至上主義が、政策ではなく節約でしか財政を守れず、今日の朝霞市の財政の惨状をもたらした原因の一つです。

高齢者政策や子育て政策という人のありように関わる課題は横断的目標であり、空間整備や教育や福祉は役所の機能にあわせて分けるべき縦割りの課題で、それがタテヨコの編み目として政策が形成されるのではないかと思います(高齢者政策×空間整備がバリアフリーの推進になり、高齢者政策×福祉が介護事業の整備などになり、高齢者政策×教育が社会教育・生涯学習になっていく)。
そしてそのタテ・ヨコに網をかぶせるのが行政経営だったり財政だったり市民参加なのではないかと思います。
すべてを一次元的にピラミッド的に課題を組むから、役所の中での違和感をそのまま分類にしてしまう結果になってしまっているのだと思います。

組織はピラミッド的になるにしても、政策の大綱を作る上で、無理にピラミッド型にすると、結果として政策は何のためにやるのかという「アウトカム」が見過ごされ、個々各課で当事者不在、目的不在のまま、「いいこと」が推進され、政策はやり散らかされる結果となります。
例えば、「空間整備」でどんどん道路や公園が作られても、「何のため」がなければ、ただの通りやすい道、緑地面積のための公園でしかなく、結局、問題を抱えた人との共存はそこにはなく、子どもは学校や保育施設に収容し、高齢者は高齢者施設に収容し、問題はすべて所管の施設に隔離し、問題を抱えた人たちがゲットー化して誰も歩いていない街ができあがってくる結果になります。

将来像についても、「若々しいまち」というキーワードがありますが、他を圧倒する1970~5年生まれの年齢層が、10年後は50歳代になります。きちんと人口分析していたら、こんな楽観的な将来見通しなど出てこないはずです。やってくる現実は、マンションブームによってもたらされた1990年代の人口急増によって、他市より20年遅れの団塊の世代問題です。現在は保育所不足、30年後には高齢者福祉施設の不足として社会問題化します。そのような数字から簡単に読み取れる朝霞市の将来の姿に向き合う理念が必要です。

一方でそうした議論もあったのか、人口増というキーワードは消え、定住ということに価値が置かれていることは、もはや安易な人口増が朝霞市民にとって幸福をもたらすことにはならないという認識が広がりつつあるのか、と思い、評価しつつ、どのように理念と具体的政策に展開されていくのか注目したいと思います。

●首都圏のどこの都市でも、中長期計画では人口増がいつも話題になります。
調べてみると「住みたい街」と言われる都市のほとんどは、ここ30年ほとんど人口を増やしていません。首都圏であれば、バブル期のはじまりまでに開発可能な土地はほとんど開発が終わっており、人口増をもたらすというのは、空を失う高層化や、守られてきた自然環境を差し出すなど、何らかの「住みたい」価値を犠牲にした上で成り立っています。役所的には、固定資産税や個人住民税の増加がもたらされる人口増は魅力ですが、長期的には、子育て支援、教育、医療、高齢者介護として支出増にもなっていきます(現に朝霞市では今その段階に入りつつあります)。成長しつづける限り、こうした問題に突貫工事で取り組まなくてはなりません。
人口増ではなく、流出した人口を補うだけの人口を受け入れ、住みたくても住めないぐらいの環境を作らないと、住宅都市としての成熟した価値は出てこないのではないか、と思っています。
右肩上がりに増える人口を期待するだけの不動産の価格上昇によって、新たな参入者も出現せず、地域経済も成長しないという感じもしています。
また日本全体では人口減ですし、その先には、首都圏の一極集中も緩やかな縮小に向かっていくのでしょうから、朝霞市だけが人口を増やすということはなく、人口が増えないのに住宅開発をすればその分、朝霞市に空き家・空き室が増えていくことになります(まさかその処分を税金でやれなんて話にはならないでしょうね)。

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