2/4 学齢期の子どもへのヒアリングも実施へ・ただしやり方が問題~子ども子育て会議
4日午前中は、3日に引き続き古巣の自治労が主催した地方財政セミナーで勉強。来年度の自治体予算を決める自治体の税制や交付税の方向性などを学習しました。
4日の最初は、夕張市議の厚谷司さんが夕張市の再建の状況を報告する講演でした。
再建計画が、当初の枠組みでは動かず、修正をかけながら実施していることが報告されました。都市構造を変える取り組みについても、コンパクトシティー化を模索する計画が作られましたが、業者に委託できない業務を直接市職員がやらねばならなくて、結果として市職員が肉体労働に疲弊して長期的な自治体の仕事の改善ができていない状況も報告されていました。
夕張市の発注する事務も、最も安価なところに頼む結果、夕張市内の業者が落札できないことも多く、地域経済と共倒れしてしまわないか、心配になる話もありました。朝霞市も最近、地域経済対策を意識した政策が目立ちますが、財政と地域経済のバランスを取らないと、最後にはこういうことになる、という警鐘として私は受け止めました。
まだまだ貸借対照表ベースではとんでもない債務を背負っていながらも、貯金である財政調整基金は3.8億円に積み上がり、12月補正予算の後、年度末に見込まれる朝霞市の見込み額を上回っています。それだけ朝霞市の資金繰りが厳しいということかも知れません。
全く違う都市に見えながら、自治体が主導せず自然発生的に多極分散的に開発しているところ、地域循環経済が確立せず、大資本(朝霞で言えば東京の経済力)に依存した経済構造、移り住んで来た人ばかりで構成されていることなど、朝霞市に共通する構造も感じています。
午後は朝霞に戻り、市の子ども子育て会議をインターンと傍聴しました。報告事項は、昨年後半に行われたアンケート調査の単純集計結果。おおむねマクロで取られている朝霞市の実情と同様の傾向が出ていたように思います。詳細はまた3月11日の次回会議で報告がされます。
父親である市民の10時間以上の長時間労働が目立ち、結果として育児は母親に依存している状況、何があっても親以外には子どもを見てもらえない市民が16%いること、女性の就労はパート含めて6割、朝霞にはまだない認定こども園の利用意向が2割、幼稚園に預けながら働きたい保護者が3割いることが出ていました。
アンケートの調査で追いかけられない実態について議論になりました。アンケートを神の真理のご託宣のように扱うことには限界があります。ヒアリング、ディスカッション、そしておしゃべりみたいなもののなかからニーズをつかみ取る努力をしないと、いつまでたってもごろついた不満が残ります。
また幼稚園・保育所間の意識の差が議論になりました。この分断された議論をお聴きしていると、文部省による幼稚園の財政政策がまずかったんだろうと思わざるを得ません。
協議事項では、中高生へのヒアリングを実施する方向が打ち出されました。
すでに中高生へのアンケートはすでに総合振興計画づくりで実施しており重複業務になることから、その労力を中高生のヒアリングに向けるというものです。
ぜひやってほしいことですが、市の示した案では、「留意点」や「聞き取り事項」という制約ばかり書かれて、自然な話の流れから中高生の生活をかいまみる工夫がなされていませんでした。学齢期の子どもから本音に近い話を聴くには、自然に話してもらう工夫が欠かせません。それなしに「聴きました」というアリバイづくりに実施するなら、子どもはタテマエ論ばかり話をします。子どもに関する計画の対象者であり当事者は子どもである、ということを忘れないで計画づくりをしてほしいところです。
委員のみなさまの意見では、アンケートをやめてしまってよいのか、学童保育や児童館の利用者がいる小学生がまったく対象になっていなのではないか、私と同様に中高生にこのやり方や内容で本当の話をするのか、公共施設に来る子どもだけに聴いて問題が浮かび上がるのか、などの疑問が示されました。
市もそうした意見に修正をする方向を示しましたが、この1週間ぐらいで意見を寄せて、あとは行政が一方的に修正して成案としたい、という話になってしまいました。もうちょっとじっくり次回の委員会で諮って成案にするぐらいの組み立てにしないとならないと思いました。
予算が時間が、と計画策定で毎回展開される中途半端な結論づくりをして、それに縛られムダに計画遂行だけがされることのないよう、きちんと監視する必要があります。
●委員会の終了後、委員どうしがいろいろおしゃべりしている光景が見られました。こういう自然な会話のなかから、子ども政策の情報源があるのではないか、と感じました。
委員のフリーディスカッションをする機会を作った方がよいように思います。
●調査と政策を実施するまでの間にいろいろなフィルターがあるのに、行政は調査結果とやらなくてはならない政策が直結しているように誤解して、そもそも調査で不都合な情報が入らないようにするきらいがあります。それで実態がわからなくなるのが、良くない展開です。
●都内との移動のなか、原田「ヤンキー経済」(幻冬舎新書)を読みました。ヤンキー第三世代、「地元」志向のマイルドヤンキーの調査をまとめた新書。調査手法、地域のとらえ方、そして私自身でいえば地元志向の強い若者に対する選挙分析にも役に立ちそうな話ばかりでした。
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