2/21 基本路線は維持へ~わくわく号の検討委員会の2回目
21日15:00~わくわく号の改革に向けた市内循環バス検討委員会が開かれ、関心ある議員として傍聴してきました。
わくわく号の車体が更新時期にあたること、市の財政的制約のなかでどのように利用者増と、交通不便地域の支援を再構築するかというものです。
今回は、12月に市民に求めた意見募集の結果、乗客や沿線住民への調査、実際に走っているバスの乗客の利用者数、OD調査の結果が報告され、委員から意見を求める展開となりました。
市からの調査報告では、4路線のうち、膝折・溝沼線が全便を通じて20人前後の乗客を維持し、通勤時間帯には満員で運転されている、内間木線の乗客数が課題であること、通勤のための利用が多いこと、駅をターミナルにした移動が多いこと、高齢者の割合も多いが若年者の利用も少なくないこと、自動車を持たない人の利用が大半であることなどの現状が報告されました。
乗客の意向や動機としては、バス停が家に近いから利用すること、運行ダイヤに不満が集中し「支障をきたす」と表現していること、ルートについては内間木線以外はあまりないことなどが明らかにされています。
事業の採算性では、経費に対する運賃の比率が、溝沼膝折線が5割前後、根岸台線が4割前後、内間木線が2割未満、宮戸線が5割前後の収支。路線によっては値上げと本数増で採算を改善できる可能性を秘めた路線がある一方で、どうあがいても採算に乗らない路線はあるし、それはそれで採算とは別の評価が必要だと私は見ました。
アンケートで望ましい運転本数として、30分に1本以上を求める声が強い結果となっています。単なる便利さということだけではなくて、せっかくバスでどこかに行っても、用事を済ませて戻ってくるのに、ある程度の本数がないと、行ったきり、現地で待ちぼうけという使い方にならざるを得ないのかも知れないと思いました。
わくわく号のスタートの時点で少ない便数でまんべんなく走らせるよりも、本当は特定の地域に集中的に走らせた方がよかったのかも知れません。
乗客の流れとしては、
溝沼膝折線が、膝折5丁目のバス停から第三中学校までのバス停で乗り込み、朝霞台駅に向かう使い方が大きな流れになっています。駅から市民会館を経由して市役所に向かうところの乗客はあまりにも細い実態になっています。
根岸台線は、朝霞駅と朝霞台駅の間で両駅に同じくらいまんべんなく乗ってきていることがうかがえます。
内間木線は、人口の少ない内間木地区からどのバス停からも少しずつ乗り込み、北朝霞駅に向かっています。また花の木・城山公園から北朝霞駅に向かう人も少なくありません。内間木地区からのショートカットと、路線の採算性の向上や岡地区の交通不便の解消という観点と矛盾するニーズがあると見られます。
宮戸線は大原から内間木支所の宮戸地区からまんべんなく利用されています。
交通不便地域からのアンケートの結果も公表されていますが、これについては回答数が少なく、また交通不便地域と定義されても調査対象の地域は、バスの多いところもあれば、コインパーキング一つないような地域もあり調査方法を改めてきちんと確認しないと、外出手段とか、動機の調査結果は何とも言えないなぁ、という感じがしています。
自由記入では、バス停の新設、増便に関する意見が目立って多くありました。
バス停の増設希望では、大規模マンション、保育園、スーパー、病院の前に作ってほしいというニーズが目立つほか、内間木地区では事業所のバス停のニーズも多く、社員バスとしての可能性もうかがえます。
市のまとめとしては、①路線バスと一体に地域公共交通ネットワークの担い手として役割がある、②通勤時間帯も多いが日中も少なくない、③運行ダイヤに対する不満は多い、④内間木地区以外の交通空白地域は局地的である、⑤内間木、根岸台地区で外出率が低い、⑥移動の不便さはバス停との距離に比例、⑦ルートへの修正は軽微な変更を求めるにとどまる、としています。
その上で、基本的な考え方案として提示されたものは、
①現行の運行形態の継続を基本としつつ、増便やバス停の追加要望に対応するため利用の少ない区間の見直しなど行い、効率性を求める。
②地域の特性をふまえた持続可能な移動手段の確保を検討する。
③内間木地区には別の理屈が必要。
④運行経費は路線バスとの格差を是正を検討する。
⑤運行本数やバス停の追加などのためには、効率化とともに受益者負担率(運賃×利用者増)が高まることが必要
とまとめています。
委員からの意見は(活発に意見が出たのですが、ペンがインク切れで記憶の限りですみません)、いくつかの地域の個別課題への対応を求められたほか、①通勤の利便性も大事だが、公共施設の利用もみてほしい、②ダイヤが利用時間や役所が募集をかける行事の時間とあわない、③内間木線の改善は課題、などの意見が出されました。
●この方針だと、現在の路線のうち、膝折・溝沼線、根岸台線、宮戸線の路線の基本的な骨格を残し、利用者が少ない本町地区や北朝霞駅とわくわくドーム間の枝線区間を廃止して、その余力を増便にふりわける意向がくみとられます。
その方針は納得性がある程度得られると思いますが、わくわくどーむバス停周辺は、福祉関係施設があるにもかかわらず他の交通手段がないことから、わくわくどーむの新しい運営委託先が送迎交通手段の確保を提案していることから、それとあわせた改革が必要だと私は考えています。
●内間木線については、迂回する印象がある現在の路線の見直しと、県道朝霞蕨線周辺ではないニーズをどう拾うかが課題ではないかと思います。また、既存路線が朝霞駅との間にあり、利用者のニーズとしては朝霞台駅へのショートカットが求められているのではないかと思います。
この路線の採算は見通せないので、赤字の運営を前提に、効率的な運営をどうするのかが課題です。傍聴した内間木の市民からは、企業が多いのでタイアップした従業員送迎バスとしての役割も持たせたらどうか、という感想を話してくださいましたが、私もそうしたことが可能なら、何も住民サービスだけではなくて対企業を支援して市の経済活動を活性化させることが大事ではないかと思いました。
効率化というと、バスの車体の大きさに議論が集中しますが、バスの運営経費の大半は人件費と燃料代ですので、車体の大きさで効率化できる余地はないのではないかと思います。
むしろ、利用者のための便利さを追求する上で、狭い道に踏み込む必要があれば車体を小さくして利用喚起を諮る、という議論の仕方が必要です。
●最初のわくわく号の検討で、駅から700メートル以内で空白地帯ではないことになっている本町や青葉台、栄町の交通問題も本当は重要です。現在、利用されないのだから仕方が無いということかも知れませんが、駅や市役所と、市民会館、中央公民館、体育館、図書館などの公共施設、本町の市民会館周辺や滝の根公園の上、栄町などの交通手段の改善も必要です。こうした公共施設の駐車場がパンクしている実態からも、クルマによらない移動手段を確保する必要性は高いのではないかと思います。今回の抜本改革の後に改善を果たせたあかつきの追加の改革として議論の俎上にあげてほしいところです。
●事業者からは、循環バスとバスやタクシーとの競合の問題を指摘するご意見もありました。
確かにそういう面もあり運賃格差などは是正した方がよいと思います。一方で、循環バスとバスとタクシーは競合関係だけではなくて、増え続けているマイカー利用や朝霞市では根強い自転車利用に対抗していくためには、共同戦線を組むべき相手ではないかと思います。わくわく号が拾わない乗客がマイカーにシフトしたら、他のバス路線も、飲んだり食べたり急いでいるときにタクシーを使うということもなくなっていきます。そういう観点でわくわく号の運営に協力していただいたらと思います。もちろん市役所も、市民に公共交通を利用するよう、もっと利用喚起(市の行事などにできるだけ公共交通を使うように呼びかけた上で、その行事にあうバス便の案内やタクシー会社の電話番号を案内するなど)を図ることが必要です。
●自転車を抑圧しようとは思いませんが、よく考えたら駐輪場を用意したり、違法駐輪の自転車を撤去管理したり違法駐輪の防止の要員などのコストと駐輪場の利用料の差額を考えると、赤字のわくわく号への補助って実は少ないのでなはいかと思うところがあります。予算議会が終わったら計算してみたいと思います。
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