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2013.12.17

12/16 教育委員会の議事録をめぐる混乱

昨日の市議会で議案に関係なく市政全般について質問する、一般質問が終了。20人の議員から、3日間にわたって問題提起されました。

そのなかで、問題になったのが、何度か書いた教育委員会の秘密会にしたこととその後の議事録の書き換えをめぐる混乱。様々な問題をはらみ、これをめぐってしばらく混乱しそうです。

私にとっては、この問題の出発点の、必要もないのに「政策決定過程だから」と意思決定する会議を非公開にしたことついてはきっちり問題にしたいと思います。
朝霞市の情報公開条例は、10年ほど前に全国のトップランナーとして走っていたことがあります。その評価点は、朝霞市における審議会・委員会の議事録を全面公開していたことです。日々の運用で注意していかないと、原則公開をふまえて運用しないと、いつでも行政側がもろくも崩せてしまいます。政策決定過程が公開されないことは、有権者にとって有害な政策を簡単に作れることになります。

●今回、問題が明らかになった議論の経緯は以下の流れです。、
① 9月定例会で、市長提出議案のうち、教育委員会管轄の分野が教育委員会に市長が意見聴取していなかった。このことが、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第29条の手続きを無視し、議案としての提出要件が足りないのではないか、と小山議員が指摘。それをめぐって1条例案が取り下げ、1条例案が継続審議となる。
② 12月定例会までの間、2条例案について、教育委員会を開催し、委員からの意見聴取の手続きを行うこととした。
③ 11月26日、教育委員会を開催し、9月議会に市長が提案した2条例のほか、やはり関係する補正予算など新たな2議案について意見聴取手続きを行うが、市の情報公開条例で原則公開としている審議会・委員会について、「個人情報に該当する」として秘密会とした。
④ 12月3日の市議会の議案質疑で、条例提案の過程について小山議員が「なぜ個人情報を理由に秘密会にしたのか、該当する事情はなく情報公開条例に抵触する」と取り寄せた録音データをもとに指摘、教育長が「秘密会にしたが、後で秘密にするほどの内容がなかったので議事録をホームページに公開した」と答弁。休憩時間に議事録を確認したところ、録音内容とホームページに掲載している議事録の秘密会にした理由が違い、議事録上の理由は「政策決定過程にあるため」という理由になっていたことが判明。
 さらに教育長は今後「秘密会にするか公開にするかは都度都度判断する」と答弁。
⑤ 休憩時間後の審議のなかで、この書き換えについて小山議員が質疑。
⑥ 12月4日10時頃、ホームページから議事録を一方的に削除。
⑦ 12月13日の小山議員の一般質問に対して、非常勤の鈴木教育委員長が、書いている議事の原稿をうっかり読み飛ばしたため、と謝罪。錯誤、過失として認識が広がっていたところ、教育長の補足答弁で「地方教育行政の組織及び運営に関する法律第13条2項で秘密会にできる」と答弁。条例や条例運用の実際を無視することも構わないという内容の答弁をした。続いて学校教育部長から補足答弁があり、もともと議事録は委員長の議事のための台本から組み立てていることが明らかにされ、12月6日に臨時の教育委員会を開いて、議事録を正確に記録していなかったことを事後に訂正する決議をしてしまったから正当性がある、ということが明らかになる。

●議事録の書き換え問題は、いろいろな意味で深刻な問題です。

●議事録の書き換えも問題ですが、私にとって問題と考えているのは、委員会の公開の原則です。
その問題意識から、①の発端となった最初の会議を公開していくという原則に反することをしたことと、⑦のようにその理由を法律を楯に取って市条例の意義については無視して判断したと答弁したことです。法律では単に権能を書いているに過ぎません。秘密会にできるときの運用は特に書いていないので、法律以下要綱に至るまでの各段階のルールに従うことになります。朝霞市の場合は、情報公開条例があり、原則公開としているわけですから、③のように「都度都度判断する」というのではなく原則公開で抵触するものがあれば秘密会にできる、ということでしかありません。
情報公開条例で原則公開の例外としている「政策決定過程にあるもの」という何とでも解釈できるものがありますが、原則公開をうたった上での例外ですから、入札における最低入札価格や、道路用地買収、児童虐待対応など、秘密会にしないことが政策の決定に実害を及ぼすと明快に説明できるものに限定されるべきで、秘密会にしなくてよいのか吟味されることはもちろんですが、だからといって、都度都度秘密会にするかどうか判断するまで秘密会にすることが当たり前の光景としてあるべきものではないように思います。
委員会のあとは議会にかけたら覆らないという、条例案や予算案の事前審査がもはや誰かの実害に与えるようなもの、というのは滅多にないのではないかと思います。

●特定秘密保護法案の審議で、参考人としてよばれ、そもそも公文書の管理そのものがちゃんとしていないことを問題にし続けている「情報公開クリアリングハウス」の三木さんのお話を聴いてみたくなりました。

●問題になった大津市教育委員会と、何が違うのか、考えさらられたやりとりです。

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