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2013.12.03

11/3 なぞの「土地開発基金」

今回の市議会に提出されている市一般会計補正予算で、2億2510万円市債を発行して、土地開発基金にお金を流し、土地の保有を土地開発基金から一般会計に帰属させる、という内容が含まれています。

この土地のやりとりについて不正があるわけではありませんが、いったい土地開発基金とは何、というものを深追いしていくと、いくつか問題が浮上しています。

・設置は1969(昭和44)年。法律でも何でもなく、当時の建設省の通達一本で自治体に設置することが促されてきた存在で、地方分権の考え方からかなり疑わしい存在です。
・朝霞市においては7カ条の条例だけで、実質的に公有地確保のためならどういう使い方しても問題にできないような内容です。
・収支は概略が監査委員を通じて議会に報告されるだけです。予算の議決も決算の認定も、資金使用の授権もありません。基金残高は、一般会計の予算とともに基金の現在高として報告されるだけです。
・保有している土地については、どういうわけか保有土地の取得額の合計が基金の財産額として計上され、決算カードなどには記載されていますが、個々の保有土地の詳細については報告されていません。
・担当者に説明を求めると、道路用地や公共施設用地など、購入できず賃借してきた土地を、相続を機に、相続対策で譲渡所得税の減免などを通じて所有権を確保するために使ってきた、と言います。
・ではそれが内規となっているのか、規則や要綱があるのか、と聞くと、ないといいます。変な使われ方をしても背任罪に問うのは難儀をするということです。

念のため朝霞市の保有土地の状況について見せてもらいバラバラと確認しましたが、べらぼうな価格で購入させられた土地は見当たらず、その辺では心配ない現状です。しかし、財政民主主義から離れたところでの行政が自由にやれる財布であるため、いくら内部統制をしっかりしても悪い首長がいたり、首長をめぐるとんでもない圧力がかかれば、他の自治体でみられるように不良資産を抱え込んでしまうことも考えられます。
そうしたリスクからの予防として、群馬県をはじめいくつも自治体で基金を廃止する取り組みをしています。

私は今回の議会で土地開発基金のこれらの問題を質し、その上で今後、

・土地開発基金でやってよいこと、やってはならないこと、決裁権限などを明記した規則・要綱を整備する。
・購入している土地に関しての情報を公開する。
・事業供用が開始している土地について、徐々に一般会計で処理していく。
・基金の保有現金について年度ごとに上限額を設定することで授権し、余分な現金は一般会計に返還させる。
・最終的には法律にもとづかない存在である土地開発基金の廃止をめざす

ことに取り組む必要があると考えています。

●四角四面の朝霞市のお金がらみの行政のなかで、こんなに何にもない財布があると認識して改めて驚いているところです。

●別の話ですが、先週末の自治体学会で自由討議について議論したと報告を書きました。その出張のために録画したNHK-BSの映画「ミヨちゃんのためなら全員集合」を帰宅後見ましたが、そのなかでは、いかりや長介が経営する公害製薬会社をめぐって、町議会で議案間討論をしているシーンがあり、さらに議員間討論がまとまらないとして、住民投票をするシーンが出てきました。
議会と意思決定のイメージにおいて、ドタバタ劇の一コマだとしても作ったドリフターズの認識はまっとうなんだろうなぁ、と思いました。最近、議会改革の生産性を問う議論が強まっていて、それはその通りなのですが、議会ってこういうふうに議論しているもんじゃないの、というものと今のずれを是正していくという点においては生産性か上がらなかろうが、改革していかなくてはならないと思うところです。

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