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2013.10.15

10/14 社民党の党首選の結果と今後に期待するもの

社民党の党首選が終わり、吉田忠智参議院議員が選出されました。

今回は、豊島区議の石川大我さんが対抗する候補として立候補できて、有効投票の2割を取れたことは大きかったのではないかと思います。
低迷する政党ほど、党首を総主流派で選んでしまいがちですが、今回のようにきちんと論戦して、新たに選ばれる党首が今までの延長のことをしてはいけないんだ、ということを自己認識させ、街頭演説を表明させたことは重要ではないかと思います。
今回の党首選に持ち込む最大の難関であった、都道府県組織の推薦も、一番困難に思えた東京都の地方組織の英断は重要だったと思います。

私は思いきった社民党の改革を期待していたので、石川さんが党首になってほしいと思いましたが、大分県出身という同郷人でもあり、野党第一党の地域を保ってきた県から出てきて、対抗政党が何をすべきか知っている吉田新党首の誕生をまずは歓迎したいと思っています。

福島前党首は脱原発によって差異化することで生き残りを図り、村山元首相は護憲や脱原発を旗印に政界再編に乗り出せと提言しているなかで、新党首はどのように社民党やそのDNAを生き残らせるのか、課題になるのではないかと思います。

これまでは党勢の拡大による差異化が社民党の戦略でしたが、このことはただ孤立を招いただけではないかと思います。また過度な民主党批判が、ブーメラン効果となって、民主党を含めた中道左派勢力への国民の嫌悪を招いたともいえます。
国民に役に立つ政治勢力として再生し、そのことによって党勢の拡大を図るという戦略に転換してくれたらと切に願っています。

●残念なことは、党首選挙の街頭演説こそ、社民党が人々に訴える貴重な機会だったのに、1日に1回程度しか行わなかったことです。小政党はこういう機会しかマスコミが注目しないのですから、もっと積極的に活用した方がよかったのではないかと思います。

●社民党が今見直すべきことは、大政党時代の党運営のルールや慣習の改革ではないかと思います。その一つが今回の党首選における立候補要件で、国会議員何名の推薦または党員何名の署名に加え、都道府県組織の組織決定が必要という要件は、国会議員5人となった現在、あまりにも無理な水準です。そのことがこの10年、福島前党首につき従うしかなかった党運営だったのではないかと思います(その最大の失敗は鳩山内閣からの下野です)。
党としてはいろいろ思うところがありますが、各市議会議員レベルでは、社民党にも良質な議員がおり、そこにはこれだけ社民党に逆風の時代のなかで応援してくれている支持者がおり、そういう支持者や議員の考えていること、良質な部分をつないでいくために組織がどうあるべきなのか、派閥と国会議員が山ほどある時代の組織運営のやり方を思い切って変えていくことが必要ではないかと思います。

●社民党がどこに進むかということも問われていくと思います。リベラルとか意味不明な言葉に飛びつく前に、改めて戦後の社会民主主義のあり方を定義となった、1951年の社会主義インター・フランクフルト宣言などを再確認する作業が必要ではないかと思います。

●繰り返しますが、私は現在、いずれの政党にも党籍がありません。したがって今回の社民党の党首選は、党外の人間の論評ということに過ぎないものです。

社民党:投票率71% 新党首に吉田氏「政権と対峙」 
毎日新聞 2013年10月14日 15時25分(最終更新 10月14日 16時49分)

 社民党の党首選は14日、開票が行われ、党政審会長で参院議員の吉田忠智(ただとも)氏(57)=比例代表=が、東京都豊島区議の石川大我(たいが)氏(39)を破り、新党首に選出された。吉田氏は党本部で開かれた記者会見で「責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いだ。安倍政権としっかり対峙(たいじ)していきたい」と強調した。

 党員と協力党員による投票結果は、吉田氏が9986票、石川氏が2239票、無効253票。投票率は71.67%だった。吉田氏の任期は2016年の党大会まで。社民党は所属国会議員が5人に落ち込むなど党勢低迷が続いており、吉田氏は党再生に向けた取り組みが急務となる。

 今回の党首選は、昨年12月の衆院選と7月の参院選敗北を受けた福島瑞穂前党首の引責辞任に伴い行われた。党首選が選挙戦になったのは、1996年に旧社会党から党名変更後、初めて。投票権を与えられたのは5人の所属国会議員を含む党員・協力党員計1万7410人だった。【光田宗義】

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