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2013.09.04

9/4 子ども子育て新制度で朝霞市は良くなるか

今回の提出されている議案に「朝霞市子ども子育て会議設置条例」があります。消費税増税の抱き合わせで、保育所や学童など保育サービス、幼稚園、児童館、地域子育て支援の制度改革と財政投入が行われます。

その内容は各自治体で計画を立てなさいという制度で「子ども子育て会議」が設置され制度設計が始まります。
しかし、その手法が、今回も、エンゼルプラン以来、相変わらずの問題を抱えていると思いました。

一つは当事者の参加です。子ども子育てに関する計画なら、第一の当事者は子どもです。しかし市に聞くと考えてもいなかったということで、とくに小学生、中学生、高校生のために公共が何をできるのか、ということが全く視点にないことが見えてきます。

次に、この財源投入で最も解決しなければならないのは保育所や学童保育の待機児童問題です。しかし、待機児童問題に直面している保護者代表を委員に入れる話もなさそうですし、待機児童問題の当事者の話を聞く機会も考えられていません。
そうするとどういう方が委員になるかというと、労使代表で商工会と労働組合の幹部役員の委員、町内会代表、公立保育所の代表、幼稚園PTAの代表など、比較的、さしせまった保育ニーズとは縁遠い人たちばかりが選ばれてきます。

そうするとどういうことが起きるかというと、待機児童問題がどこかの誰かのかわいそうな話と議論してくれればいい方で、育児放棄ではないかというような言葉まで使われたこともあります。朝霞市ではまだ公式な場では聞きませんが、夜間の買い物なんか平気でして人が夜働かせるようなことしている人(今、それをしていない人をさがす方が難しい)が、長時間保育は害毒だ、というようなことを言ったりすることもあります。

しかしやっぱり必要な保育サービスが整備しなくてはいけないから、役所が勝手に下案を書く。そうすると子育てに一家言ある委員から「行政が勝手に絵を描いているばかり」「保育園の話ばかり」という批判が出てきて、どういう子どもへの公共サービスを組み立てるのかという話がそっちのけで会議が混乱します。

行政側が期限に焦って計画とりまとめをして、適当に絵を描くと、結果として、看護師やコンビニ店員のように深夜労働をさせられている人の保育ニーズなど、困った人への必要なサービスについてまったく考えていない計画ができあがるわけです。

あるいは、地域の市民活動をしている市民・団体が提供している公共サービスについて見落とした議論をしてしまうことになります。

そうした見えないニーズについて、市はアンケート調査をする、と言いますが、アンケート結果は多数の無難な人の意見を聞くだけで、本当に公共サービスを使わざるを得ない人の叫びなんか、1000や2000の標本の前に少数意見として切り捨てられるだけなんです。それと紙のアンケートは、みんな優等生として回答します。厳しいことを書く人も含めて、本当のことが書かないんじゃないか、というのが社会調査でも言われていて、今はアンケート調査だけではダメという話になっています。
何度も事例を出しますが、黒字転換した武蔵野市コミュニティーバス「ムーバス」はおばあちゃんどうしのディスカッションやおばあちゃんの生活の追跡記録を通して、真のニーズを見いだしています。調査とは、できるだけ必要とされるものの近くに寄っていかないといけないのではないかと思います。そうでないなら、国勢調査やらすでに行われている公的調査の数字だけで、後は想像力を働かせてやった方がましです。

また、一緒に出されている補正予算案には、委員の報酬とコンサル業者へのコンサルタント料しか計上されておらず、委員自身の作業や学習のためのコストがまったく考慮されていません。

子ども子育て会議が一本でやるというのもどうかと思っています。
一方、保育園問題だけではない地域の子育て支援策(≠現金バラマキや負担軽減ではない実サービス)も考えなくてはならないので、それと保育サービスの整備が同じテープルで議論できるのか、という疑問もあります。
他市では、保育サービスの整備と、それ以外の課題ぐらいでは分科会や専門委員会を分けて、整備の議論をしています。

半年以上前から子ども子育て会議をどうするのか、市議会の多くの議員から指摘されて、考案する機会があって、ようやく出てきたと思ったら、遅れちゃったのでここからはスケジュール闘争みたいな話で、子ども参加やアンケート以外の調査は…なんて話になっているので怒っています。

子ども政策の当事者自身や、市民自身の関わりによる問題解決をしていく、ということが見えなくなってしまっています。それでは本当に残念な展開になると思います。

今の児童福祉行政の担当者のセンスが良いのでまだ絶望しませんが、過去経験しましたが、人事異動で保育行政にフェアな視点のない人が着任したら、かなりな展開になる危険性があるなと思っています。

●国民が嫌がっている消費税増税と抱き合わせで行われる制度改革ですから、納得性の高い改革プロセスを踏まないと、市民からは何だという話になると思います。日常的に行われている行政の計画策定とは、少し政治的重みが違う認識が必要です。

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