7/3 参院選への候補者調整
参院選・東京選挙区の民主党の候補者一本化で、いままでいろいろお世話になってきた大河原雅子さんが民主党の公認を外されるという結果になりました。残念なことですが、ご本人は無所属でがんばるということです。
今回の一本化劇はお粗末と言わざるを得ません。
鈴木寛さんに一本化した理由は「世論調査」の結果だそうで、まぁ、客観的にはそうなのかも知れませんが、一人の政治家をやめさせる覚悟なら、もっとストーリー性が必要なはずです。理念、論理、有権者をも納得せさる大義名分などが必要なのですが、生き残りの論理と、数字の話だけ。
また一本化された鈴木さんから、大河原さんが取り組んできた、TPP加盟反対や、脱原発政策、八ッ場ダムのような首都圏がもたらした巨大公共事業をどうするか、という政策がどのように一本化されて継承されたのか、問われてくるように思います。
タイミングも強引にやるなら、複数擁立が功を奏さないと判断した都議選直後のはずなのですが、公示日直前でありとあらゆる準備が終わりつつある段階で、出るなと言っても混乱しか生みません。
民主党は結党当初、候補者不足を、これまで政治のプレイヤーになる機会を与えられたこなかった女性、若者、障がい者、帰化者などを積極的にキャスティングしていました。社会の多様性を受け入れて変わりゆく日本社会に寄り添う政党になっていく片鱗を見せてくれました。しかし、民主党が強く成長していくと、徐々に男性候補に入れ替わり、条件のよい選挙区はそつのないエリート男が、あと少しの選挙区は体育会系の男が独占するようになっていきました。小泉旋風の頃には、すっかり自民党と立ち位置が入れ替わっています。今の20代後半から30代前半の若者に政党のイメージを聞くと、それより上の世代よりイメージが逆転していることに気づかされます。
そして、今回のように5人区という中選挙区制のような東京選挙区においては、15%程度の得票をすれば当選できるわけですから、候補者をまとめて小さな勝利を取りにいくことになるわけです。そうすると、まとまれば当選が堅くなりますから、小さなパイのなかでケチがつかない候補、女より男、社会の対立軸に切り込んでいる人より世の中の主流に寄り添っている人、支援組織の幹部たちがガタガタ言わない方、という選択肢になるのかな、とみています。
(私はそういう現実があるから、衆議院での中選挙区制の復活には反対しています。中選挙区制時代の候補者の男女比率、当選者の平均年齢などを見ると、中選挙区制というのは広い土地にある程度の票をとりまとめる仕掛けを持っている人が支配する選挙制度なんです。それは1926年に内務省が意図して作った制度なんです。)
残念な判断ですが、大河原さんが出る、ということですし、支援する都内の民主党の政治家も一本化される見通しがたたないでしょうから、民主党のなかでは社会問題に切り込む存在だったこの6年を最大にアピールしていくしかないんだろうと思います。
もともと大河原さんを応援するような票が多い多摩地区と、山本太郎候補の運動が上滑りしそうな、東京23区の東と北の脱原発票をどうやってとりまとめていくか、が課題になるんでしょう。
そういうことを克服していけば都議選渋谷区選挙区のようなことが起きるかもわかりません。
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コメント
確かに小泉以後の民主党って、使える「即戦力」ばかりが表に出て以前の様な多様な方々が候補者になるってことが少なくなっている気がしますね。
で、それが今なお反ネオリベとか反ウヨとか言う面々にまで尾を引いているって気もします。自民を脱けて民主党連立政権からも訣別して今ではみどりの風に身を置いている亀井静香の「日本は一般の人間が住めない社会になっている。われわれは反乱を起こさねばなりません」 http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1762411.html って発言が所謂グローバリズム批判の文脈で語られ、内田樹のネオナチ的な論説が支持されるのを見ていると、自民党や維新の会とはまた違った形での息苦しさを覚えます。
投稿: 杉山真大 | 2013.07.06 06:51