3/3 2013年度朝霞市予算案を検証中
平成25年度朝霞市予算案を分析しています。
借金のやりとりでは、返済元本が約25億円、新規債務が約16億、差し引き9億円の返済です。
新規債務のうち12億は、国が自治体に地方交付税を支払えない代わりに借金をさせられ、後に国が元利返済を地方交付税として保証するというものですが、皮肉なことに景気回復などによって朝霞市の収入が改善されたときには、国から手当てされないこともある借金です。もし国から本当に手当されるとすれば、実質的な債務は21億円減少となります。
積立金の関係では、自由な財政調整基金から3.7億円取り崩します。残高が5億円強になりますが、例年2億円程度予算が余るので、決算では2億円程度の削減でとどまるのではないかと思われます。いずれにしてもあとわずかな財政調整基金の残高なので、かなり厳しい運営になることだと思います。
収入、税収ともにほぼ横ばいで見込んでおり、個人市民税の収入割の減少が見られます。
支出については、建設関係の緊縮が目立ち、前年比4分の3の予算です。その内容としては新規事業をほとんど入れないということで、選択と集中をかなり激しく行っています。水道道路(緑ヶ丘線)朝霞警察前の交差点の狭隘部の拡幅、旧朝霞コマ劇場前の交差点付近の道路の拡幅など、道路関係では危険箇所の拡幅のみに限定されています。また、下水道の改良なども行います。
増加が著しい福祉関係では、家庭保育室の認可保育所への転換1園(朝志ヶ丘地区)と新設認可保育園(仲町地区)が盛り込まれている他は、障がい児学童保育の新設、栄町保育園の耐震化などです。高齢、障害については、ほぼ横ばいの予算となっています。一方、放課後児童クラブの一部施設でのリースが終了によるリース費負担が軽減となっています。
その他では、プレーパークが週1回の定例の市民協働事業となります。
パスポート発給業務の県から市への移管で800万円、電気自動車スタンド設置で600万円を組んでいます。このうち電気自動車のスタンドについては、原発事故による電力使用量の抑制の取り組みや、そもそも公費が投入されてこなかったガソリンスタンド整備とのバランス、最終的なCO2削減などの観点、給電される電力料金負担などについては問題ではないかと思っています。
また職員政策では自治大学校への派遣を中断したことは、エリート職員育成に向けて弊害も大きいのではないかと感じています。
教育関係では、一部小中学校で校長の裁量予算で行われてきた日本語を充分つかいこなせない児童へのサポートが独自予算化されました。まだ十分な量ではありませんが、通年で断続的にサポートをつけることができそうです。
とり急ぎ、ざっと内容を見たところでの変更点です。
●原発事故以来、東電許さぬ、電力料金引き上げ許さぬ、という話はよく通るのですが、電力を使わなくて済むものをわざわざ電力に依存して生活するようなことに少し鈍感なのではないか、と感じています。電力消費地がクリーンだからとパッパカパーと電気の使用量を増やし続けている限り、電力を増産せざるを得ず、それは原発運転再開か、高い火力発電を増やさなくてはならないことになります。結果として東電の売上高は増加しますし、電力料金の引き上げることになります。
私は、震災後福島の避難所に行く機会がありましたが、行政支援で来たのであろう西日本の某県庁は電気自動車に乗り付けてやってきていました。ガソリン不足が深刻だった時期とはいえ、複雑な心境でした。
●日本の地方自治法での予算審議って何だろうと思わざるを得ません。予算を出すのは行政、議会には部分的な削減する権限しかなく、それも与野党逆転している議会のもとでしか実現できません。
そうした中で、ゴールキーパーなんだろうな、と思って、少なくとも再来年度予算への注意喚起と思いながら、問題点や課題を質問していくしかないと思っています。
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