3/29 各議案への討論や賛否の理由
3月定例会の議案に対して討論に参加して賛否を明らかにしたものと、退席した議案に対するその理由です。
第20号議案 平成25年度朝霞市一般会計予算【賛成】
財政調整基金(赤字の年の財政赤字を埋める基金)の残高が7.5億円しかないところ3億円取り崩す予算であるのに財政再建への取り組みが見られない、そのなかで電気自動車の購入、電気自動車充電無料スタンドの設置、ICT戦略なき公衆無線LANの庁内設置、パスポート申請・交付事務の開始など、市民の生命や生活に影響のない不要不急の新規事業があることは問題。執行段階での是正を求めたい。また市民請願を上回る義務教育課程を超えた子どもまでを対象とする医療費の無料化は熟慮が必要だったのではないか。
また「広報あさか」の月1回化が行政改革努力ということだが、市民と市役所の細い絆を細らせることがよいことなのか、財政縮減効果が小さいなかで残念である。
その一方で外国語しか使えない児童への小中学校での通訳ボランティアの活用の事業化、障がい児学童と旧定義での授産事業の開設、プレーパークの本格スタート、女性センターの事業の本格化、地域福祉計画の推進委員に活動費が付けられたことなど必要な目配りはしたのではないか。また財政的には土木費の絞り込み、赤字垂れ流しのわくわく号の抜本的見直しに着手することに着手することは評価し、継続事業の多くも相当な努力をしていることから、賛成したい。
ここまで多くの反対項目をつけながら賛成するなら、予算修正動議を出してその他を賛成する、という態度を取りたかったが、私自身の政治力の問題で提出と至らず、そこは自己批判しながらの賛成である。
第23号議案 平成25年度朝霞市介護保険特別会計予算【賛成】
介護保険の必要性、制度創設の意義は失われていないので賛成。新たに始まっている地域密着型サービスの内容も小規模施設偏重で、在宅福祉への基盤整備の着手が遅れていることは危機的。早急に是正していただきたい。
〈追記〉具体的には24時間巡回看護介護サービスの事業者誘致が課題。これがあれば介護度が高くても在宅で介護できる体制と安心感ができ、「畳の上で死ぬ」ことが普通に可能になってきます。朝霞市のように福祉施設が簡単に作れない地域は、不可欠な取り組みです。
第24号議案 平成25年度朝霞市後期高齢者医療特別会計予算【反対】
(制度そのものを否定する他の反対意見と異なり)多くの保険者に分かれ、それぞれの保険者間のリスク格差と保険料格差の激しい我が国の医療保険制度のなかで高齢者の医療給付についてこうした制度が生まれる必要性は理解している。しかしそのためには医療予防、健康管理ができる体制もあわせて必要だが、相変わらず広域連合はガバナンスがなくその機能を果たせていないし果たす見通しもない。健康管理は市町村がやるしかないが、県内各自治体に医療給付の情報が返されていない。明細のない請求書にお金を拠出するもので反対。なお、担当課と国保連の努力で朝霞市分については情報を入手しておられるようなので、市の努力については評価したい。
〈追記〉国民健康保険の県単位化を推進することは国保の改革の最低条件のような言説が厚生労働省に協力的な人も反対的な人も容認するような議論がされ、何の疑問も呈されていませんが、①県全体でリスクがならされるだけで失業者や高齢者が集中する国保財政の構造的問題は解決しない、つまり県民全体での負担は減らない、②県直営ならともかく都道府県が後ろ向きである以上、後期高齢医療制度のように広域連合化することになりそうだが、その場合、責任ある行政機関や、保健センターや保健所など保健行政、介護運営とも分断されたなかでガバナンス不能な状態におちいる、ということではないかと思います。
第25号議案 平成25年度朝霞市水道事業会計予算【反対】
(意見表明をしませんでしたが、田辺議員が指摘した県水道購入へ大きく依存していること、そのことによる収支の逆ざやの発生、さらには県が推進する八ッ場ダムの建設コストが将来的に県水道料金に上乗せされてくるであろうことにおおむね同意し、その構造的問題に対して反対しました。八ッ場ダムの建設中止に動いた民主党が建設中止に失敗したことを政治ゲームの文脈で揶揄する評論家が多いのですが、建設中止できなかったツケはやがて首都圏の水道料金に跳ね返ってきます)
第35号議案 朝霞市こども医療費支給に関する条例の一部を改正する条例【退席】
→子ども医療費無料化の年齢枠拡大
(棄権の意思で採決に退席しました。同趣旨の請願が出されたのが与党議員の主張で長期にわたり継続審査にしてきたのに、市長がこうした議案を提出したことは問題ではないかと思い、採決不能と判断しました。また、市民請願も15歳まで、県内他市をみても12歳~15歳が相場であること、医療の濫用に対する対応策などがあわせて提案されていないことなども、趣旨は理解しても準備不足で、反対することもないが、積極的に追認してよいのかと迷うところもあっての棄権です。)
第38号議案 朝霞市循環バス検討委員会条例【賛成】
毎年6000~7000万円の赤字を出し続け、経営指標も把握できない運営は問題であり、是正するための検討開始は賛成したい。ただし建設委員長報告では市民委員はすべて沿線住民ということのようだが、税金を拠出している交通不便地域の住民もいることから、それでいいのか疑問。また沿線住民のほんとうの声はコンサルタントによる調査活動の提案内容で判断すべき。要は1運行のバスに10人20人と乗っていただけるようなものにしなければならないわけで、今回の検討は経営の再建という観点で行うべきだ。
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