3/19 3月市議会民生常任委員会の審議が終わりました
昨日と今日、民生常任委員会でした。
頭から一日半は朝霞市の来年度予算の医療と福祉分野について審議しました。
今年こころがけたのは、委員会審議での行政資料の提出です。予算書の金額にはその積算根拠があり、それを明らかにしないと政策の意図するものが見えないものは、できる限り表から取り寄せました。
実は、委員会で優秀な議員は、そうした資料を取り寄せて質問しているのですが、全員に共有されておらず、そのため同席する委員の多くが雲をつかむような感覚になってしらけています。何とかしなくてはと思って取り組んだものです。
しかし今の議会ルールだと、議事に使う資料を取り寄せ全員に配布するためには、1つ1つ議事のなかで請求しなければなりません。そのたびに委員長が議事を止めて「ただいま黒川委員の請求した資料の提出を求めることにご異議ありませんか」と問いかけて、「異議なし」という確認をもらわなくてはなりません。また、資料を予め行政に用意していただかなくてはなりません。議会でない会議なら、「ちょっと焼いて持ってきてください」で済む話ですが…。
が、費やされる時間は数秒から1分、手間を惜しまず資料を共有して議論をして、よかったのではないかと思いました。
そのなかで保険年金課が作成・提出した朝霞市の国民健康保険の年齢層別の上位疾病の表は、改めて国保財政の改善を考える上で重要な資料でした。腎不全、糖尿病、脳血管に関する予防、悪化防止に取り組むことが効果的であることが改めて認識されました。朝霞市民は若いうちは医療費をあまり使わず、高齢になると県平均より医療費を使っているという結果が出ています。早めの診断と対策によって高齢者になって医療費を使わなくてすむ道をさぐらないと、なかなか厳しいのではないか、という議論ができたと思います。
また保育所にお金がかかりすぎる、というおおまかな議論をしてしまいがちだったので、認可保育所、家庭保育室、認可保育所のオプションの補助金など、様々な角度の資料を取り寄せました。そのことで、政策効果の検証をもっと深める契機になったのではないかと思います。
資料として取り寄せるのが困難だったのが、保育所入所の申請者の点数ごとに入所決定者と保留者(待機児童となった)の数をまとめた表です。どうしても個人が特定できる部分が出てくるというので子育て支援課が提出を遠慮してもらいたいということなので質疑答弁で確認しました。
その結果、夫婦共働きフルタイムで60点のところ、0歳児の入所決定者の最低点は35点、1歳児は62点、2歳児は16点、3歳児12点という結果が出て、待機児童問題といっても、年齢によって差は大きく、2歳児は園によって格差が激しいということも明らかになっています。0歳児は夫婦ともに4~5時間勤務でも入れ、1歳児は夫婦ともにフルタイムあるいはフルタイムのひとり親家庭だという条件だけでは入れないということです。
審議で問題にしたのは、市立保育園が0歳児を8ヵ月から預かることにしているので、年度初めに8ヵ月に到達していない子どもが1歳児に累積して申し込まれる割に1歳児の募集枠が少ないことです。市立保育園の0歳児の募集開始月齢を引き下げて、1歳児募集に集中しないようにするか、0歳児枠を削減して1歳児枠にまわすか、いずれかの対応がないと、生まれ月による不公平は残るので、予算執行で是正してもらいたいとお願いしました。
一般会計の医療・福祉分野では昨年の予算を踏襲し、ことさら大きな問題はないので賛成いたしましたが、政策効果が説明しきれずサービスでしかない事業や、数字や論理の裏付けのない事業が一部あるので予算執行段階で改善してほしいと意見しました。
2日目午後からは特別会計予算、補正予算、各種審議会設置条例の審議を行いました。
このなかでうかつだったのは、予防接種被害調査委員会設置条例の審議でした。共産党の石川議員が、メンバーが固まってしまっていていいのか、と指摘したことで気づいたものです。条例案を改めて確認したところ、医師会、専門医、保健所長、市職員だけで構成されています。法律によってこの委員会を設置するよう求めた1982年以来の要綱をそのまま条例化したということで、事故発生時に厚生労働省に提出する調査報告書を確認するための委員会であるためこれでよい、という市側の答弁でした。しかし条例が想定する予防接種の被害は薬害の一種であり、今の時代、医療提供側だけの調査でよいのか、と思い、この点は調査委員会がないよりましとして、賛成しつつも、委員構成を再考して条例改正を求めることを意見いたしました。
子ども医療費を中学卒業まで無料化、18歳の3月まで入院も無料化とする子ども医療費支給に関する条例については、退席しました。新日本婦人の会が提出した同趣旨の請願が、与党委員によって1年以上「継続審査」扱いが続けられたにもかかわらず、市長提出議案として条例案が提出されたことから、やってはいけないとは言わないけれども、政治的な信義則としてどうなのだ、と思って判断を放棄いたしました。また小児救急医療に携わる医療関係者が、青天井に進む子ども医療費の無料化が、小児医療そのものを崩壊に導くと警告していることも、簡単に「賛成」と言えない思いもありました。
後期高齢者医療特別会計の予算案については、朝霞市として国保連合会に働きかけ、朝霞市民に給付した医療情報の統計の提供を受けられる可能性が開けた、ということで賛成しようかと思いました。しかし、やはり考えるべきは保険者である県広域連合の姿勢です。広域連合が、市町村別一人当たり医療費を公開して市町村格差がある、と脅かす一方で、各市町村ごとの医療給付の統計情報を公開しないため、市町村としては対策の打ちようがない状況について、まったく歩みが遅く鈍感なので、そんなところに拠出金を出せるか、という思いで、市と国保連合会の努力をたたえつつ、反対いたしました。
朝霞市子どもプラン(次世代育成推進行動計画)推進委員会設置条例の審議では、メンバーについて問いました。同計画は保育計画という性質を持つため、労働組合代表の委員に、労働組合の保育政策または男女平等・職と生活の両立支援関係の担当者を要請するよう要望して賛成いたしました。
●休憩時間中、ある次長に私の質問は答弁が難しい、考えなくてはならん、と苦言を呈されました。私は「与党じゃないから成果を求める議論は難しいので、考え方の整理と確認をする質問にしている。5~10年ぐらい先のことを考えて、考え方がきちんとしていればアバウトに答弁していただいてよい。何をするのが政策的に一番効果的か考えながら答弁していただければ満足である」とお答えしました。
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