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2013.01.08

1/8 大企業の経営者の意見ばかり

昨晩のニュースから、経団連の新年会の様子が報道され、大企業の経営者層の意見ばかりが垂れ流されています。

いままで、労働組合が既得権益集団という批判はされてきましたが、大企業の経営者については、「経営能力がある」という先入観で、政治的な発言について何のバイアスもかけられず政府に受け入れられてきたように思いますし、安倍政権の誕生でますますその傾向が強まっているように思います。

しかし、大企業の経営者層が、TPPを推進するにしろ、金融緩和を推進するにしろ、これらは企業経営の利害以外に何があるのか、疑問に思っています。企業経営にとってのメリットという範囲において彼らの主張は正しく、その範囲を超えて世界的正義だとふりかざすと害毒になります。特に彼らが労働力の問題について意見するときには、そうしたバイアスをふまえて聴く必要があります。

一方、労働組合は、もちろん表向きは賃上げなど言っていますが、今はそうした現実にはないという認識のもと、社会保障制度の改革など、全国民的利害について主張していますが、それについてはほとんど無視されています。

欧州では政労使という関係があり、経営者層の意見反映があれば、片側で労働者層の意見反映も行われ、その合意形成で経済や社会政策を動かしています。しかし日本ではみんなが経営者感覚で言葉を選ばされ、よい政策選択があっても、経営者感覚のようなもので労働者自身がお互いに首を絞め合っているのではないかと思っています。非常にもったいないことで、労働者は労働者の立場で必要なことをいい経営者は経営者で必要なことをいい、お互いの合意の着地点を探す産業社会になれば、ぶれつつも長期的には納得性の高い社会になるのではないかと思っています。

テレビニュースの画面から、アンバランスな社会だなと印象づけられた年初だと思います。

●安倍政権の経済政策について関心が高まっています。私は小泉構造改革を否定したということや、雇用を言葉で出していることは一定評価していますが、しかしそれが金融緩和と旧来型の公共工事の拡大でよいのか疑問に思っています。また安倍氏の取り巻きの上げ潮派の人たちが地金を出せば、このうち雇用の部分についてはいつでも捨て去られるように不安に思っています。

内需の拡大なき金融緩和をやれば、生活必需品のデフレ緩和よりも、資産インフレに集中します。「現金保有願望」というものが断たれていないなかで、通貨供給量が伸びることは、消費より投資に向かいますが、高度成長期でも人口増社会でもないので、そうした投機マネーは生産的な投資に向かわず、マネーゲームの資金にしかなりません。
また、その過程で一時的には豊かになる人も出てきますが、それは資産を持っている人たちだけがますます経済力を持つということでしかありません。特に土地価格が他の物価や賃金より相対的に上がることは、新規事業参入の障害になりますし、これから長い人口減社会を乗り切るにあたっても、高くなってしまった土地が塩漬けにされたまま動かないということになりかねません。
また物価が上げられないのに土地価格だけ上がれば、当然その犠牲は原材料価格や労働賃金に跳ね返り、デフレ的問題をさらに悪化させるように思います。

そうした批判は広くあり、その対策として、内需の拡大として飛びついたのが旧来型公共工事の拡大ですが、それも一次的な雇用創出効果はありますが、公共工事をやり続けなければその人たちの雇用はなくなるだけで、社会構造にねざした必要性や効果のある事業に特化しなければ、持続した雇用創出はできません。結局、公共工事の拡大→国債の残高の増加→世界の金融界からのダメ出し→緊縮財政→公共工事の削減→失業の増大と不景気の拡大という結果を繰り返すことになります。

お金を使いたくても使えない人への再配分機能の強化を通じて、内需拡大をするということが重要です。
年収150万円の人が300万円になっても、150万円を丸々貯金することありません。多分、生活水準からほとんど消費に使うことでしょう。ところが年収850万円の人を1000万円にしたら、多少は生活を贅沢にして消費に使ったとしても、伸びた分は貯金になる可能性は高いです。

年功序列賃金の社会においては、若い世帯は低賃金にあえいでいますから、子育て世帯の所得保障はあながち外れた政策とは言えません。さらには、現金を配るよりも、子育てにかかる社会サービスの現物給付を拡大し、子育て世帯の収入ではなく支出を軽減し、あわせて子ども関連の仕事を通じて、雇用を創出することが重要だと思います。

また、現に必要性の高いサービスでも、介護労働者のように政府や国民など支払側の都合によって低賃金に抑制されて人材不足をきたしているようなところに大胆な処遇改善を行うことで、雇用も生まれ、また消費も拡大していくことで、製造業などにも良い影響を生んでいくことになると思います。

年収の高い人たちが必死になって働き、その大半を貯金をしつつ、一方で年収の低い人たちも必死になって経営者感覚で働かされしかし貯金どころか消費すら必要以上のがまんを強いられている社会で、内需が生まれるわけがありません。

そういうことが自民党に可能なことなんでしょうか、ということが安倍政権の経済政策に問われていると思います。

●一方の民主党政権の経済政策はというと、旧民主の結党時の「リベラル」には新自由主義的な価値観が多分に盛り込まれ、社会政策でやるべきことも含めて市場が民間が何とかしてくれる、という楽観的な政策基調があり、それは未だもってぬぐいきれていないと思います。ブレア政権の成功体験で入り込んだイデオロギーの振り返りが不十分なんでしよう。
その後、小泉政権へのアンチテーゼとして入り込んだ社会民主主義的政策が乗っかった構造にあったため、経済政策については、全く無定見な状態だったと思います。
結果として旧民主の「リベラル」の新自由主義派が増税に踏み切り大きな政府とすることを決断する一方、2007年頃からの小沢氏の台頭のもとで従来の民主党の路線に軌道修正をして進出したき議員たちが消費税増税に反対し小さな政府につながりかねない行政改革をせよと言い出す、というひどいねじれがありました。
そうした中で、小沢家父長制のもと政策化された子ども手当にしても高校無償化にしても、ソントクでの説明しか国民に対してはできず、政府の役割、経済的効果などの意味からも全く説明ができなかったことは残念に思っています。

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