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2013.01.16

1/16 地方公務員の賃金引き下げの麻生提案を考える

麻生副総理あたりが、地方公務員の賃金引き下げを自治体に要請すると言われています。

地方公務員の賃金という標的を見せておいて本当にやりたいことは地方交付税の削減です。地方交付税を削減すると表から言うと、小泉政権の後のように、地方自治体が世論を味方につけて一斉に自民党政権に反発した経験をふまえて、あたかも国が地方公務員の賃金を一方的に下げるポーズを取りながら、実は地方交付税を削減し、国の財政問題のツケを自治体に回そうということになっています。

また、首都圏ではあまりありませんが、首都圏から一歩外に出ると、大半の自治体が何らかの公務員賃金の定率カットをやっていて、すでに自治体としては公務員リストラをある程度、取り組んでいるところです。また2003年から5年間に、地方公務員数の定率削減を半強制的に取り組んだ結果として、人口増加のない自治体では職員数が4分の3程度に低下しています。

そうした各自治体が取り組んだ努力の結果を全く評価せず、さらに「乾いたぞうきんを絞る」式に数値目標だけ押しつけて地方交付税を削減すれば、もはや公務員の賃金削減ではなく、自治体の行う行政サービスのかなりの数が犠牲になると考えるべきではないかと思います。

単に公務員の賃金が下がった、と拍手喝采できる話ではないのです。本質を地方交付税の削減というところで見ていく必要があると思います。

公務員の賃金が下がると拍手喝采を送ると、道路の補修を先送りにされたり、市民活動団体へのささやかな運営補助みたいなお金が取り上げられたり、公民館がいくつか廃館になったりするほか、実は保育料の大幅値上げだったり、国民健康保険の保険料の値上げだったり、コミュニティーバスの路線の廃止だったり、生命線に関わる行政サービスが変わっていくことなのではないかと思います。

●最近の自称「改革派」の政治家は、総論主義で地方交付税の廃止や大規模な改革をすぐ打ち上げたがりますが、制度を詳しく知れば知るほど、様々な工夫によって、自治体の主体性を壊さずに公正に国から自治体への財政保障をしている制度だと認識できます。財政的限界と、支払うべき根拠のバランスがある程度取れた制度で、自治体間格差が広がる一方の今の日本のなかでは微調整はできても、抜本改革はやりにくい制度ではないかと思います。

一方で、私は「男気政策」と最近呼んでいますが、大した効果も考えられないのに、政治家が意気込みだけ見せるために、変な国策を次々に繰り出す傾向が見られます。そうした国策に動員される自治体を巻き込んだ補助金はどうなんだと言わざるを得ません。とくに安倍政権が打ち出した経済対策の、財政出動の部分は、国が勝手にやるならどうぞ、という感じですが、その大半は、自治体の財政を巻き込みながら公共事業を撒いていくというものですから、自治体は矛盾した立場におかれるわけです。自治体は日々市民に必要とされる仕事についてぎりぎり切り詰めてリストラさせ、一方で政治的道楽みたいな事業はパッパカパーと使ってしまえというわけですから、自治体内での経済感覚のモラルみたいなものはずたずたに崩壊する可能性を指摘しておきたいと思います。

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