11/21 総選挙雑感②純化路線は日本社会党の失敗の道
12月16日の衆議院選挙で埼玉4区の候補がほぼ出そろったのではないでしょうか。
民主党は現職の神風ひでお氏、自民党は新人のとよた真由子氏、維新の会は青柳仁士氏、共産党は桜井晴子氏が出ることが確定しています。共産党以外、政党とパーソナリティーのイメージが一致せず、入り乱れているので、みなさんにはこの人という説明はできない状況です。
この他にも候補者を出す政党が出てくる可能性がないとは言えない状態だと思いますので、その頃、考えてみたいと思います。
●鳩山元首相が、野田、安住の専横のもとに民主党の公認を得られる見通しがたたず、立候補断念というニュース。首相時代の言動、消費税問題での対応ではどうかと思うところ大な方でしたが、こうした辞め方をさせられる状況はあまり好ましいことではないと思います。
綱領や基本政策があって純化路線をしても組織として維持されるのであって、党首が思いつきや、状況に乗せられて提案した公約を守らないから党から追放する、などということをして純化路線をしていたら、その政党から公式な議論は消え、いつまでたっても個人商店の集まりでしかないと思います。そこには、たえず面従腹背で党首に対する謀反が渦巻き、政党としては安定しないか、政党運営が恐怖政治に満ちあふれることになると思います。
また日本社会党が1960年代後半から、選挙に負けるたびに純化路線をたどって、現在のような姿になってしまったわけで、政党の基本的な骨格ができあがったら、純化路線は取らず、ある程度異なる意見を派閥を通じて統合していくようなしかけが必要になるのではないかと思います。
しかも今回のネタはTPPですからねぇ。この大義名分で政党内を統制ができるのか疑問です。
●自民党の安倍総裁が、インフレターゲット(リフレーション)政策をぶち挙げたことで、インフレターゲットの問題が明確に認識されるようになりました。最近のマクロ経済の論争では、新自由主義的な政府介入をそいでいく路線(小泉構造改革)か、マネージャブジャブ金融緩和のインフレターゲット路線しかないことを前提に行われていて、そのなかで、これまでの自民党のマクロ経済政策ではまずいと感じている安倍さんは安倍さんなりの誠意を見せようとしてこんなことになってしまったのではないかと思います。
しかし、本当に今必要な経済政策は、金融緩和や通貨供給量の調節だけではなくて、どれだけ多くの人が失業せず、必要な消費がきちんとできる良質な雇用を創出するマクロ経済政策が必要なのですが、そういうことは、労働組合が嫌いなのか、労働組合と近いことが、エコノミストや政治家としてイメージダウンになることが嫌なのかあえて無視されたり、ダメな経済学というレッテルを貼りしてきた問題があるのではないかと思います。
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