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2012.09.15

9/15 「子ども家庭省」創設に対する懸念

政権が子ども家庭省創設をめざすと打ち上げました。長くても任期からあと1年は続かない政権が2年先の実現をめざすということで動き出したので、実現するかどうかわかりませんが(「政治生命をかける」とは言っていないので合意形成可能かも知れません)、いくつか考えておかなくてはならないと思います。

よく言われるのは子どもに関する施策がたてわりでうまくいかないという批判です。確かにそういう面もあるのでしょうが、その弊害というのが幼保一元化以外にはよくわかりません。

私が懸念しているのは厚生労働省という役所から子どもの部分だけを切り離す弊害です。現在は、生活保護や婦人相談、保健衛生、労働分野などと1つの省庁だから、育児放棄やDV、貧困、失業など子どもと家庭をめぐる複雑な問題に対処できているのに、独立した省として子どもの問題だけで独立させ文部科学省と統合して、果たして保育園政策以外うまくいくのかということは疑問です。現在、文部科学省が、児童虐待や、子どもの貧困を、問題解決すべきこととして捉えられず、主に保護者のモラルの問題としてしか話題が展開していかない状況と、同じ轍を踏まないかと思っています。

日本の保育制度は、家庭の問題のトラブルシューティングと隣り合わせの制度となっていることで、子どもの教育に特化した幼稚園とは異なり、深みをもった家庭支援が可能になっています。

子ども政策のほとんどは主に基礎自治体で取り組まれており、国が何もかも指導していた機関委任事務廃止後の基礎自治体の局部課の編成を見ることが重要ではないかと思います。やはり多くの自治体では、保育園行政と他の福祉分野の関係を切って、教育委員会と接近させるようなやり方はあまりされていないのではないかと思います。

政治の世界では、以前は「子ども省」というネーミングの構想がほとんどだった中で、今回は「子ども家庭省」というネーミングになっています。子ども施策は家庭支援の政策とワンセットという評価がされ始めていることは評価したいと思います。

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