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2012.08.06

8/6 自民党は問責決議案なんか提出して政権回復できるんですかねぇ

政局の話ですみませんが、自民党がここに来て、参議院で首相に対する問責決議案を提出し、3党合意を破談にさせる動きについて、政治の信義則からしてそういうことをやってもよいものか、と驚いています。こうした信義則破りは、かつて民主党の常套手段で、仕返しといえばそれまでですが、しかしそういう場面においても自民党は信義則破りの手段に距離をおいて批判してきたことが「国民政党」としての矜恃であったのではないかと思います。

こうした自民党の動きについて、公明党の山口代表が批判をしておられるようですが、かつて連立を組み、民主党政権で野党として自民党と共闘してきた友党として、そうした諫めをすることは重要ですし、ここは国民政党の自民党として耳を貸し、3党合意の実施と、赤字公債法案の処理をやって、それから政局に望むべきでしょう。

ただただ民主党なんかどうなったって構わないというお立場であれば、そういう目的も手段も問わない追い詰め方というのは有効なのでしょうが、そうした手段を駆使した民主党が実際に政権を獲得して、さまざまな場面で自らのやってきたことの自縄自縛に陥って、政権運営が徐々につまづいている先例から学ぶべきでしょう。

自民党が今回このように混乱させて、消費税増税法案が否決されたり、参議院の採決が行われない結果となれば、消費税増税の政策実行の責任の球は自民党に投げ返されます。もしそこで自民党が今一所懸命取り組んでいる衆議院解散が行われ、事前の世論調査の傾向にはめればおそらくは自民党が政権回復するでしょうから、そのときには、自民党が民主党をはじめ他の政党から消費税増税の不人気政策を実行する役回りを背負わされることでしょう。民主党はあの通りの政党ですから、野田首相を退陣させて下野させれば、もはや「自民党そっくり」と言われるような政策選択をする必要性はなくなるわけですから、またぞろ鳩山氏や小沢氏のようなタイプの人が復権し、かつての自らの立場をかなぐり捨てて自民党を激しく批判し、参院では自民党も民主党も決定打のない議席数ですから、同じように民主党が自民党の足をひっぱることになるでしょう。

また自民党が選挙戦で論理的に窮していくことも明白です。消費税増税にそもそも反対していないのに、3党合意を最終段でひっくり返し、消費税増税法案を廃案にさせてしまった、しかも問責決議案以降、審議拒否をしてそのまま選挙なんてことになれば、選挙戦の中で激しく民主党に批判され、しかも民主批判票はそうした無責任な判断をした自民党の頭を通り越して、橋下新党、みんなの党、社民党、共産党に流れていく可能性だってないとは言えません。

そうなれば、今回、この不信任決議案の提出で自民党をゆさぶった社民党やみんなの党の思惑のまんまに自民党はその罠に落ちていっていると言えるでしょう。

●思想的には不倶戴天の敵となるはずのみんなの党と手を組んで内閣不信任決議案をちらつかせて政局を翻弄しはじめた社民党というのは何なんだろうと思わずにはいられません。社民主義が本当に信条なら、大きな政局を動かす場面かもしれないここで、公的な福祉を切って、公務員数・賃金を下げて消費税増税を回避しようとする路線、新自由主義のみんなの党などと組めるはずがないはずです。そんなことをやっても党勢拡大なんかできるわけがなく、党本部も明け渡さざるを得ないほどミニ政党になりつつある社民党はもっと自分たちのよってたつ社会正義を語らなくてはならないはずです。しかし、毎度毎度、そんな体質を百も承知で嘆いていますが、消費税の増税で苦しむ人に同情する顔をしてその副作用を全く無視し、とにかく民主嫌いと、政局しか考えた行動しかしない党幹部を野放しにしている、今回も全く残念なことです。

●党員でもサポーターでもありませんが、自治労退職まで因縁が深かった民主党の生き残りってどんなものなのかと考えることが多いです。民主党が総選挙で勝利することは絶望的な状況です。この先野党として民主党の良心的な価値、社会保障や労働政策に向き合ってきたような人や、持続可能な社会像を模索してきたような人がどのように生き残っていただくのかということが焦点だと思います。
そのためには総選挙は、来年かならず行われる参院選や都議選より早く行われ、国民の民主党への不満や批判から受ける傷は、2009年総選挙で水ぶくれしている衆議院議員だけにとどめることが重要だと思います。

一方で、あまり早い解散は、国民の生活に影響の大きい法案や、何より赤字公債法案が棚上げになってしまうこと、その上に、橋下大阪市長、河村名古屋市長、石原都知事、みんなの党の政治勢力が、その正体も明らかにならないまま、国民の人気を取って躍進する、時には政権を掌握するということになります。そのことは民主党政権よりさらに混乱する政策判断が待っていると言ってよいでしょう。
自民党が、とくに若手議員を中心に、今日政局にうつつを抜かしている状況について、嘆かわしいことで、自民党の勝利は、解散をできるだけ遅らせて、民主も新党もダメ、やっぱり政治は自民党、という状況をつくることだと思うのですが、そういう長期的な、腹の据わった判断ができなくなっているんでしょうか。これまた残念なことです。

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