8/10 社会保障と税の一体改革による朝霞市の税収増
社会保障と税の一体改革関連法案が成立しました。内容は様々な法律の寄せ木で、1つ1つ説明するのは難しいものですが、中国新聞の要旨が、ある程度まとめられています。これでも難しいという方やもっと深く知りたいという方はこれを手がかりに各省庁や内閣官房のホームページから情報をたぐられると良いのではないかと思います。
さて、社会保障と税の一体改革では消費税の相当額が、社会保障を実際に行うのは自治体だとして、自治体への地方消費税が増額されます。現在、5%のうち1%が自治体分ですが、将来10%になったときには2.2%まで引き上げられます。それが朝霞市ではどのくらいあるのか、簡単に試算してみました。
地方消費税は、現行1%で、埼玉県と朝霞市で半々となっています。平成22年度決算では総額9億9297万7000円が収入額です。平成26年4月1日から地方消費税が1.7%となり、県との配分は引き続き半々となっていますから、平成26年度予測は16億8806万0900円となります。また平成27年には地方消費税が2.2%となるので、年度途中で改正される平成27年度で19億3630万5150円、平成28年度で21億8454万9400円の税収となります。
一方、税収が必要な支出より多い自治体に配分される地方交付税が、平成22年決算で1億6037万9000円ありますが、これよりはるかに上回るので、平成26年度以降は地方交付税がなくなります。
その差額は8億円から最大で20億円の税収増になりますが、一方で「社会保障」の改革の部分で、国がやるべきとしている事業が相当あり、それらは国の補助金も出ながら、自治体にも一定割合負担を求めています。またその他にも高齢者の増加に対応して必要な各種支出などが想定されます。税収が増えるんだからと、従来型の支出を増やしたり、安住して見直さないようなことがないよう、緩まないようにすることが必要です。
ちなみに平成22年度決算の繰越金を除く収入総額は343億8321万1724円です。10億の税収増は3%相当となります。
※したがって、せっかく増収になって市民サービスの根詰まりを改善できると思っても、市民の所得が低下したり、原発や火山の噴火で土地評価が下がればあっという間に減ってしまう危険性もあります。
また、朝霞市は再び地方交付税不交付団体になります。財政の自立度が高い一方、国の補助事業の種類によっては、補助率が引き下がり、自治体の持ち出しが増えることもあります。そうした部分での減額にも注意を払って補助事業の選択をしていくことが必要だと思います。
●今後の課題として法人住民税の見直しが考えられており、本社機能が集中しすぎる東京23区と他の地域の法人所得格差による税収格差の是正も検討される可能性があるようです。ただし朝霞市の場合、法人住民税が多くも少なくもない水準ではないかと思うので、東京都の法人住民税は、通勤者分をベッドタウンにも配分する、という特殊なルールでも作られない限り、地方消費税ほどプラスの影響はないのではないかと思います。
●一体改革による支出増として考えられるものとして高齢化による量的な支出の増大の他、
・潜在ニーズも含めた保育施設への補助の拡大
・延長、病児保育、専業主婦向けの一時保育の拡大
・保育施設の職員配置、処遇の改善
・在宅医療の推進(医師確保、育成、チーム医療の育成)
・介護の地域包括支援の構築
・24時間介護体制の構築
・リハビリの強化
・入退院と介護の連携強化
・認知症対策の推進
・介護人材確保
・病院医師の負担軽減
・がん対策の推進
・市町村国保の負担軽減
・介護保険料の低所得者対策の強化
・難病対策
・生活保護給付の消費税分改善
など。
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