6/13 NHKクローズアップ現代・向精神薬を飲む子ども
13日のクローズアップ現代の「向精神薬を飲む子ども」という記事にショックを受けました。
今、発達障害児を何とかしなければという雰囲気が盛り上がっています。そのことで認知が進み、ほんとうに発達障害児をとりまく社会環境や、人間関係が改善されていけばいいのですが、どうも議論が、へんな子発見ゲームになっていやしないか、と思うことが多くあります。
これまで周囲が理解しにくい子どもに関する現象を発達障害で整理しようとする流れが強まっていて、エセ科学が立ち入ってきて、とんでもないことをしたがります。その一つがこの番組で紹介されていた、発達障害児に対する向精神薬の投薬、さらには過剰投薬の問題です。そして神経がさらに侵され、ますます体が悪くなっていくという事例が紹介されていました。コメントしていた石川憲彦医師は「ごくわずかな例外を除いて子どもに向精神薬を飲ませるのは絶対に良い影響があるわけではない」と解説しておられました。
こんな状況になっているのを見ると、旧ソ連の過剰な科学主義が、国内反体制派や社会の異端者に対する弾圧を精神医療を通じて行ったことを思い出します。
何がなんだかまだ全貌が明かでない発達障害というカテゴリーを利用して、理解しなくてよいものを無理に理解したつもりになって、みんなが善意でよってたかって間違ったことをしてしまう、本当に恐ろしいことです。
今回は薬でしたが、大阪維新の会の大阪市議団が条例化しようとした家庭教育条例案では、発達障害は母親の愛情不足と決めつけたことは話題になったところです。大学の教育学者が提起していた怪しい見解を政治家が全部鵜呑みにしてしまったことの過ちでした。これが実現していたら、とんでもないことになっていたはずです。
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