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2012.05.20

5/18 民生常任委員会の視察

朝霞市議会民生常任委員会のメンバーで、尼崎市、生駒市、川西市にヒアリングに行きました。いわゆる議員視察です。

P1000446_2兵庫県尼崎市は、ヘルスアップ事業という、血管病対策の取り組みです。講師は、2011年9月14日「ためし​てガッテン」の放送で登場した野口緑保健師でした。
脳血管、大動脈、心臓、腎臓など「血管病」対策に、余剰な脂肪対​策を求め、ていねいに検診と面談を行っている取り組みです。予防​できる段階では自覚症状がないこうした疾患の予防のために数字と​メカニズムを国民健康保険加入者にきちんと体の状況を伝えいくこ​とを中心にしつつ、国保財政の肥大化を抑制する取り組みをしてい​ます。また担当保健師の所属を国保担当課においているのも特色で​す。
そもそも職員の早期死亡対策として取り組みが始まり、効果を確かめて市民に広げたというステップを踏んだことも参考になります。
居酒屋談議レベルの社会保障給付削減の議論でなはくて、原因と対策に​きちんと着目して施策を行っていくことを大切にしていることが強​い説得力を持っています。

P1000481_2奈良県生駒市は介護予防と市民病院建設についてヒアリングを行いました。
介護予防では、小さなボランティア活動を30以上の市内のサロンを組織化して継続している取り組みがされていました。サロンでは、筋力トレーニングの他に、知的能力の維持のための計算ゲームなども行われ、高齢者のおしゃべりの場として機能していることが紹介されました。非常に参考になる取り組みでした。
市民病院建設では、医療崩壊が起きる中で、生駒市が公募で徳洲会を誘致して、年間5000万円の地代支出で市立病院​を誘致したことには、よくやったなぁ、というのが正直な感想です​。
一方で、徳洲会という医師集団からはキワモノ扱いされてきた医療法人に指定管理者として指定したことによる地域医療をめぐる医師会とのあつれきなど、副次的​な問題や、市長選挙の対立を背景とした市議会との難しい関係など大​変な一面も勉強になったと思います。
また、病院経営のほかに、地域医療、二次医療圏をどうしていくの​か、そういうことも細密に検討されていることを確認し、志木市民​病院の混迷する事態を見る視点ができたと思いました。

最後は、兵庫県川西市の「子ども人権オンブズパーソン」事業の取り組みです。川西市長の直属の機関で、子どもがつらいと感じたことの相談・調整と、場合によっては問題解決のための勧告などもできる機関です。
子どものいじめ、不登校、虐待などの問題を、人権の視点から、子どもの自己決定権を支えるための取り組みをヒアリングしました。相談活動と、それにもとづく調整を重視し、告発型のオンブズマンとは一線を画し、本人の力づけ、自発的な問題解決能力を支えている取り組みが参考になりました。子どもをめぐる問題は、社会や家族の複雑化、人間関係の希薄な状況などから、おとなたちの配慮だけでは子どもが救われないような事態が増えているなぁと感じています。とくに虐待は、子どもの立場によりそって力づけ、問題解決を支えるこうした役割は重要だと認識してきました。また不登校やいじめは、学校の官僚的な対応と、保護者の強い姿勢で対立してしまってどうにもならないような状況に対して、こうした相談・調整・勧告ができる機関があることは、当事者間の深刻な状況を解消し、不毛な訴訟に至る前に問題解決できる役割があります。

●今回の視察の選定は、東京と朝霞市の距離感に似た、大都市・大阪から電車で15~30分で行くことのできる大阪府の隣接地域の自治体にしました。すべてが似ているわけではありませんが、おかれた社会状況が似ていると思ったからです。都心から10~20キロ圏のベッドタウンの課題というのはなかなか全国的に共有されているものではありません。そうした意味では、今回、朝霞市でできそうなことが想定しながら話を聴くことができたのではないかと思います。

●視察については税金で旅行するわけですから、いろいろ議論があると思います。私は2つ効果があると思います。一つは自治体というのは自治という大義名分で、ついつい自分たちの自治体の中のアイディアだけで政策を進めようとしてしまいがちです。他の自治体の様々な事例とふれたり、その仕事の仕方の違いを確認にする中で、新しいやり方を学ぶ効果は少なくないと思いました。特に朝霞市は介護、保育、医療など福祉分野の政策が弱いので、他の自治体の事例を学ばずに問題解決は前に進まないだろうと感じています。もう1つは会派や控室の違う議員と数日一緒にいることになります。考え方の違う議員と話し続けることで、お互いの問題意識をじっくり確認することができました。議会は違う立場の人たちが合意形成をしていく場ですから、こうした時間は不可欠とは言わないまでも、有為だと感じています。

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