5/12 過去の仕事をつらい・つまらなかったと発言していけないものか
どうせまた自民党の参院強硬派あたりとつるんでいる政治部記者が、また問責決議案で政治を空転させてネタ作りたくて垂れ流している情報だろうと思うのですが、
読売新聞 小川法相「裁判官だった3年間、退屈だった」
裁判官が退屈だったと言った小川氏が法相に不適格だと騒ぎたい政局向きの話なんだと思います。しかし、過去の仕事すべてハッピーなんて、あるものなんですかね。自分に合わなかった仕事のことを話して何が問題発言なんだかわかりません。
裁判官が下積みかどうかはわかりませんが、世の政治家には下積み生活時代の苦労自慢をされる方が少なからずおられます。私はそれはそれでいいことだと思っていますが、今回の小川氏を追及している読売のようにし、過去の仕事がきつかった、辛かった、合わなかったということを言ってはいけないという倫理があるなら、そうした下積み生活の苦労紹介すべてが問題発言にすべき倫理となると思います。それは、下積み生活だと思って働いている職場では、それを一生の仕事にして働いている人々もいるわけで、そういう人に失礼だということになるわけです。
そうした社会のいくつく先が共産主義国だと思っています。共産主義国は、就職はすべて社会的要請に基づくものです。どんなにつらい仕事でも、社会のために献身することが人類史の発展のためと位置づけられています。したがってつらいなんて言ってはいけません。理想の社会で、自らの仕事は社会に貢献していると評価しなければならないのです。
どんな人にも楽しい仕事とつらい仕事があって、職務に使命感を感じる場合もあれば、待遇との対価で誠実に働く場合もあるわけで、西側自由主義国の一員という位置づけをしてきた我が国において、それぞれの仕事の感想について、しかも終わった仕事については、感想を自由に発言して責めを負わない自由ぐらいあるはずだと思います。
●「過去の肩書きに利用したとの批判を浴びそうだ」などと読売は書いていますが、そんな批判、誰がしているんですかね。読売政治部記者の世論誘導でしょ。つまらなかった職業を経歴として挙げてはあけないんでしょうかね。言いがかりです。選挙時の政策のテキトーなことなんか誰も責められていないのに。
●どうせまた民主党閣僚の問責決議に道筋をつけていくための情報リークでしょ。日本政治は政局ばっかりで政策をやれ、と怒っている国民は、こんな情報に踊らされてはいけません。
●別に民主党も小川法相もかばいだてする理由はないのですが、こうやって政治家の首を絞めることにマスコミと国民が一体となって面白がっているところのいきつく先は、これ以上、選択肢のわからない政治になっていくということです。政治家が空気で潰される政治風土を放置しておく限り、政治家は国民に説明責任を果たさない方向にインセンティブが働き続けると思います。
小川法相「裁判官だった3年間、退屈だった」
小川法相は11日、母校の立教大学(東京・池袋)で行われたシンポジウムに出席し、「(裁判官をしていた)3年間は退屈でもったいなかったが、選挙の際、『元裁判官』ということで大変に評価が高く、全てを取り返した」と述べた。国民に裁判員への負担を求める中、裁判官の仕事を軽んじ、選挙の際に肩書を利用したとの批判を浴びそうだ。
シンポジウムは「現代社会と司法の役割」をテーマに、同大生らが参加。法相は「裁判官は、責任があって大変大切な職業」としつつ、1998年の参院選に立候補した際のことを振り返り、「元裁判官の一言で、小川敏夫は清潔な人だろうと思っていただける。裁判官に対する信用が高いということの表れだ」と述べた。
(2012年5月12日07時37分 読売新聞)
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