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2012.04.29

4/30 公的年金に過剰なストレステストをやるべきか

国家や社会が破綻しても国は年金を払えということなのか。

年金支給にストレステスト

「ストレステスト」というべきかどうかわかりませんが、国債暴落など一定の経済リスクを想定しておけというのはその通りですが、さらに大きなリスクを想定せよ、と紹介される話をまともに取り上げるのは愚かなことです。

国家や社会が崩壊して、公的年金だけが生き延びる保障なんてありえない、これは当たり前で、最大のストレステストの結論になるはずです。
しかし、最悪の財政状況、最悪の社会環境であった日本の敗戦時でさえ、預金封鎖で銀行預金も郵貯も、戦時国債も全ほとんど無価値になった中で、最も確実に国民にとって残った「財産権」らしきものは、厚生年金の受給権と恩給の受給権です。積立方式や自分年金などではあのレベルの混乱では守れなかったことです。その時代の国民がその時代の高齢者に年金を支払える仕組みさえ維持できていれば公的年金は維持されるものです。

積立金というのは、世代間の人口アンバランスはじめ資金繰りを調整するためのもので、短期的な支出超や予算超を必要以上に深刻に問うべきものではなく、長期的スパンで収支バランスを見るべきものです。公的年金の安全性にとって重要なのは年金を支払う側の人口や所得と、年金を受給する側の人口と支給額のバランスです。

公的年金が存立しえない政治環境、社会環境まで想定してストレステストをさせるということは、公的年金は維持できない、という結論を出すための、自己目的化した議論だと考えるべきです。公的年金が維持できない、という結論を引き出したい人、それは積立金の運用利権をねらっている人たちではないかと穿った方がいいぐらいです。

●昨日のNHKスペシャル「徹底追跡年金事件 狙われた!老後の資金 年金運用・驚きの実態 大丈夫?あなたの年金」。ワイドショーのように扇情的なタイトルとともに、公的年金の必要以上の不信ばかりあおる、ひどい番組だと思いました。明日にも年金積立金が破綻するかのような深刻な表情のキャスターが、厚生年金の運用金に問題があって将来破綻するような印象操作をすることは、デマと言ってもいいと思います。
この番組は、AIJに投資して騙された厚生年金基金の積立金破綻が話の始まりのはずで、ここを切り出すのであれば、公的年金の積立金の心配に話を展開するのではなく、厚生年金基金という公的年金としての性格の強い年金を、専門性も企画能力も責任能力もない人たちが、私的契約の中だけで運用していたことの問題がもっとクローズアップされるべきだと思います。

●「想定外」という言葉が問題になりましたが、想定外というのは山ほどあります。どんなに社会環境がおかしくなっても公的年金だけ維持しなければならない、という想定こそ「想定外」の事態に対する鈍感さを表しているものではないかと思います。

●国債暴落があれば為替の暴落があり、外国株式の価格は圧倒的に上昇します。公的年金の積立金は、即時に全額換金する運用はありえないので、ポートフォリオがしっかりしていれば、国債暴落で全てがダメになるものではありません。

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2012.04.24

4/23 狭隘道路の暴走車に殺される市民

路地のような道路で、自動車が人の列に突っ込む事件が京都で相次いでいます。歩行者は自動車に対して無防備です。運転者が十分注意していただくとともに、やはりむやみに生活圏に自動車が入り込まないまちづくりが必要なんだと改めて痛感しました。
しかし、自動車での自由な移動を規制することは、票を減らす話です。過去、志木市の穂坂前市長は、ダイエー志木店周辺の狭隘道路の通行規制を提案して、そこからころげて選挙で落選してしまいました。
しかし、昨年の原発事故を経験して、犠牲になるものの大きさを無視して、便利だから、というだけで立場の弱い人を犠牲にする仕組みを放置しておくことは、後ろめたいものではないかと思わざるを得ません。

常々、自動車の通行について、甘やかされているのではないかと思うことが多くあります。こうした危険な通り抜けに使われるような路地は朝霞市にもたくさんあります。昔は幹線道路が整備されていなくて、こうした道路に流入せざるを得ないと思いましたが、今はある程度幹線道路が整備されてきています。
道路の建設反対運動も、大きな道路ばかりが運動になり、実は一番危険な狭隘道路に流入する自動車について、官民ともに野放しにしがちです。
本来、その路地の沿道住民以外はそうしたところには入るべきではない倫理と法が確立されるべきだと思います。
かつて私もそうでしたが、子どもたちは道路に出れば友だちがおり、道路で遊んでいました。近所のおじさんおばさんたちは道路でたむろして、いろいろな情報交換をしていました。今朝霞市は自治会・町内会を通じたコミュニティ作りに全力をあげています。しかし地域のコミュニティーは組織だけではできません。それにふさわしい生活環境、安全に気軽にたむろできる雰囲気づくりが必要なのです。
そういう地域を分断するのが、狭隘道路に無神経に流入してくる自動車なのです。これは自動車保有台数がぐんぐん伸びたバブル期ぐらいから流れが変わりました。

自動車に依存する生活をし続ける限り、来るなという自動車の進入も避けられません。私交通に依存しないまちづくりも重要です。
朝霞市ぐらい都会なら、クルマや自転車を持たずに生活できる環境整備が必要です。今朝のニュースで埼玉県が自転車保有台数日本一だそうですが、ほめられた話だと私は受け取りませんでした(自転車販売店のみなさんごめんなさい)。エコロジストは自動車と自転車を対立軸において、自転車利用を賛美していますが、埼玉県のこの状況はバスなど公共交通が不便過ぎて、自転車に頼らざるを得ない、自転車に頼らざるを得ない生活は、そのまま自動車にシフトする、ということではないかと思います。
公共交通機関を生活の間尺にあわせられるように官民あげて整備する、公共交通を利用することを促す運動を行う、歩いて楽しいまちづくりを行う、そうしたことを通じて、私交通への依存度を下げていくことが必要だと思います。

●自動車メーカーなども今回の事件を真剣に受け止めて販売政策やイメージ戦略を考えてほしいと思います。

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2012.04.21

4/21 人口の逆ピラミッドだけが恐いのか

高齢社会になっているなぁ、とこの朝霞市でも自覚することがあります。高齢者が増える時代に何とかしなくてはという焦りは当然のようにありますし、いろいろ大変なのだと思います。

しかしという話があります。また引きで申し訳有りませんが、濱口桂一郎さんのブログで紹介されていた、「社会保障の教育推進に関する検討会」での権丈善一慶大教授の発言です。

「・・・最近というか、ここの1~2年、社会保障と税の一体改革とかいう話が出てきた中で、最近まで増税の必要などないと言っていた与党の政治家たちはどうやって増税の必要性を説明しようかと考えた挙げ句、昔、この国で使われていた手段を使いはじめたようなんですね。人口構造が、昔は胴上げ型だったのが、騎馬戦型に、将来は肩車型になるから、さぁ大変だという、あの話ですね。ああいうのは、昔、言葉は違えどいっぱい言われていましたけど、あの手のキャンペーンからは、世代間の対立とか、将来に対する恐怖心、社会保障に対する不信感というようなことばかりが生まれてしまって、少しもいいことなかったわけです。だから、そういうキャンペーンは、社会保障や税制の改革には逆効果だから止めましょうよと、私は10年以上前に書いています。

 だから、次回の検討会では、勤労世代とか就業者が支えている、おじいちゃん、おばあちゃんのところに、子どもや大学生も乗せてもらいたいですね。少子高齢化という現象は、高齢者が増えていったとしても、子どもは減っていくことなのですから、人口構造が、胴上げの時代にも、騎馬戦の時代にも、就業者1人当たりの人口というような指標は、さほど変わらないわけです。将来の肩車型社会になったとしても、やるべきことをやっていけば、さほどおそれる必要もない。

 それと、「サザエさん」の波平さんって54歳なんですよね。定年の一年前の設定でしたから。でも、54歳の波平さんよりも、今の郷ひろみさんの方が年上なんですよね。だから、例えば65歳というある年齢を固定して、それ以上の人たちが、昔は何人で、それが今は何人になって、将来はという話をしてなんの意味があるのか。ああいうキャンペーンはやめた方がいい。」

高齢者がたくさんいて大変だという話は、同じく扶養しなければならない子どもなどの数も乗せていかないと、今と昔とこれからの比較が意味がないという話は押さえておくべきことのように思います。私など権丈先生より一歩前にでて、感覚的な世代間格差を煽る議論には要注意、それこそが社会保障の崩壊をねらった工作ではないか、という疑いを持ちながら話をいつも聞いています。

それはさておき、ここからは権丈先生の文中の「就業者1人あたりの人口」という話です。
同規模の自治体と朝霞市の財政と人口構造を調べていたときに、朝霞市の際だった特徴は、多摩市、狭山市、浦安市などと比較して、子どもの数が多くて、その分就業者の比率が少ないことでした。浦安市とは5%以上も就業者人口が少ないのです。つまり就業者1人あたり高齢者数は少ないものの子どもの数が多く、子どもも入れれば浦安や多摩よりずっと騎馬戦型の人口構造をしているということです。
それだけ朝霞市は同規模他市より税収が少なく、一方で子育て・教育に支出を増やさざるを得ない環境におかれています。
国家公務員宿舎建設の話のときに反対運動に取り組まれた方々が朝霞市の決算書を調べながら、人口が増えるほど支出が増えるというのはこういう現象をとらえてのことだったと思います。

同規模の他都市より子育て関係の施策がやってもやっても追いつかないのは、子育て世代が住み着きやすい諸条件があるということで、その最大のものが東京への近さと地価のバランスなのだと思います。
ですから本当は甘い都市計画でマンションブームを招かずに成長を管理していくべきだったのではないかと思いますが、今は後の祭りで、せっかく朝霞に住んでいただいている人たちが安定した生活を送り、そして子どもたちが流出しないように、着実な都市経営をしていかなくてはならないのでしょう。

高齢社会が支えられないことはない、という権丈先生の本論とはずれますが、一つの地域だけ切り取って見れば、子どもが多ければ、人口が多ければという時代ではない、という話にもなるということです。

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4/20 東郷健さんの訃報

19_01988今日、ネット上で東郷健さんの訃報を知りました。ご冥福をお祈りいたします。

LGBTの世界に全く関わりのない方にとっては、私ぐらいまでの年齢の方しか知らないかと思いますが、今でこそ外山恒一さんだとか、少し前には内田裕也さんとか、ドクター中松さんとか、立候補の自由を最大限に利用されている方々がおられますが、かつて参院選や都知事選の政権放送の話題と言えば東郷健さんで、また選挙の政見放送の自由という点で有名な最高裁判決を引き出した方です。

私は関西の友人に誘われ、4年前にコンサートに行ったのが知り合った契機でした。出張先で深夜11時から始まるコンサート、3時まで抱腹絶倒が続きました。
B02_3260105_2その後、関西の友人が上京するのにあわせて、政治家の先輩として、新宿ゴールデン街の名店を引き継いで開いていた「BAR東郷健」を訪ね、どういういきさつか子育て談義をしたものです。今でいう偽装結婚みたいなことをして、子どもたちに申し訳ないという気持ちでとにかくいい高校行かせたという話や、その子どもの1人が学生運動を始めて親子で学校とたたかい大変な思いをしたとか、思いもよらぬ親としての苦労話を聞けたのが印象に残っています。
また藤代清治の切り絵の話なども一所懸命されて(その頃には私も酩酊していて話をよく覚えていません)、その傍らで、私とその友人とに突き出しであるサラダを何度も何度もおかわりしてくれました。

また話を聴きたいと思っていましたが、最近お店がなくなりどうしたものかと思っていたところの訃報でした。

もっと飛んでいる方かと思いましたが、思ったより冷静で生活感のある方だったと思います。

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2012.04.18

4/15 議会報告会終わりました

4月15日、議会報告会を行いました。予算やそこに向けた政策づくりのタイムスケジュール、予算編成の課題、中長期的な朝霞市の課題、介護保険制度の改正の内容などをお話いたしました。

また参加者から、外国人への補助教員が制度ではなく裁量で断続的にしかつかない話、市役所の節電、蔵書があふれる図書館の問題など意見をいただいたり質問をいただきました。

●ようやく議会報告ができあがりました。これから駅頭などで配布いたします。議席を預かる者としての責任だと思っていますし、みなさんに評価していただくための材料だと思っています。また、他の議員等の方々の配布物も含めて、地域政治に関心をお持ち有権者には必要な情報提供だと思います。うっとおしいと思われる方がおれるかも知れませんが、財源など限られたツールの中で何とかお伝えしようとしていることです。なにとぞご容赦ください。

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4/17 上田知事が尖閣諸島問題でバランスのよいコメント

東京都による尖閣諸島の土地購入に関して、上田知事が批判しており、その内容が非常にバランスが取れたものとなっています。

勢いだけでものを言わないことは良いことです。

●石原都知事の考えというのはわからいではないが、しかし一方で、領土というものが所有権に制約されるものなのか、考えなくてはいけないという意味で上田知事の発言は重要。これは朝霞の基地跡地利用の話もそうで、かつて公務員宿舎を推進する側も反対する側も、当初は基地跡地の土地の所有権をめぐっての議論しかしていなかったなぁと思い返す。土地の私有権の上に、領土や法規制というものがあるのではないか、と改めて考えさせられます。
東京都が尖閣諸島を購入しても、それは他県の土地である限り、一民間事業者と同じ立場で所有しているに過ぎず、房総に福祉施設のための土地を持っている程度の意味しかありません。

●もう一つ、この土地を購入する価格が焦点だと思う。もし市場価値と著しくかけ離れた高額の支出となれば、現所有者の日本人としてのモラルが問われるし、買った東京都の側も監査請求や行政訴訟にたえられないと思います。埋蔵されるガスなどを、市場価値としてどの程度評価すべきなのか、実に微妙な問題もはらみ、都議会も難しい判断しなければならないだろう、と思います。

都の所有問題上田知事が批判
石原知事の発言について埼玉県の上田知事は、17日の記者会見で「尖閣諸島は日本が固有の領土だと主張しているのでじたばたする必要はない。無理矢理、固定化する方が必要以上に紛争状態にあると思われるのではないかと危惧している。私有地から公有地にすることで何か差がつくとはあまり思えず東京都が買い上げないといけない理由が分からない」と述べました。
NHK 04月18日 06時59分

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2012.04.12

4/11 議会報告会を開きます

3月定例市議会が閉会になりました。
急なお知らせで申し訳有りませんが、くろかわしげる個人の議会報告会を開きます。ご参加を歓迎いたします。

日時 2012年4月15日(日)15:00~(開場14:00~開始まで軽作業をしています)
会場 朝霞市コミュニティーセンター・中央公民館 第二集会室
       朝霞市青葉台1-7-1 東武東上線朝霞駅南口徒歩10分朝霞市立図書館となり
       コミュニティーセンター・中央公民館地図
参加費 無料
内容 2012年度予算からみる新規事業
    介護保険の改定
    基地跡地のその後
    など

●反省① 今回のお知らせが遅くなりましたことお詫び申し上げます。

●反省② 私のうっかりミスですが、市の議会だよりの原稿提出が遅れ、3月議会の質疑については掲載見送りといたしました。活躍していないわけではないので、何とぞWEBや戸別配布する議会報告をご参照ください。

●福島原発被曝者援護法制定を求める院内集会を開かれます。福島第一原発事故で被曝した被災者への保障を、東電による損害賠償とは別に、原子力政策を強引に推し進めた国の責任として行え、と求めるものです。
福島の原発事故の被災者の補償が立ち後れ、被災者の生活再建のめどがいつまで経っても成り立たない現状です。また放射性物質の今後の影響について計り知れないことから、その責任についていつまでも放置しておくことはできないという問題意識で、私は参加しています。
日時 2012年4月18日13:00~
会場 衆議院第一議員会館第4会議室
院内集会案内ちらしpdf
※入場にあたっては衆議院第一議員会館ロビーで来館者証を受け取るため、参加される方は10分程度前に衆議院第一会館ロビーに集合してください。受付担当が来館証を配布します。

●上記が先約で参加できませんが、昨日、以下のお誘いをいただいています。
震災復興や原発事故対策についての労働安全衛生の課題について、現場で安全衛生に携わる、自治労福島県本部今野書記長、熊谷組清本産業医、主催の労働科学研究所の吉川副所長のシンポジウムです。福島原発の冷却水供給のため、震災以降、紆余曲折を経ながら避難区域内で自治体職員が働いていることに対して、労組として取り組んできたことなどを、自治労福島の今野書記長から触れられるものだと思います。
案内ビラから〉
第1回労働科学研究所セミナー
震災から復興へ「福島から」労働安全衛生の課題
震災から1年。多くの企業、自治体、団体が、現地で、あるいは地元で、復旧・復興に取り組んできました。その中には、これまでの想定を超えた、直面してみてはじめて実感した労働安全衛生上の課題も見えてきました。
今回のセミナーは、ミニシンポジウム形式で、放射線リスク対策、従業員・職員の健康管理、がれき処理、アスベスト対策、呼吸器保護など、実際に復興に向けて活動する中で、直面してきた労働安全衛生上の課題と取り組みを紹介するとともに、そこから見えてきた今後の取り組みの方向性を示していければと考えます。
■プログラム:ミニシンポジウム「福島から」
今野 泰(自治労福島県本部・書記長)
清本芳史(株式会社熊谷組・産業医)
吉川 徹(労働科学研究所・副所長)コーディネーター
■日時・会場:
東京2012年4月18日(水)14:00~16:30 日本教育会館(神保町)
大阪:2012年4月19日(木)14:00~16:30 大阪科学技術センター
■受講料:維持会員:無料
一 般:3,000円(資料代込み)
■対 象:企業の総務・人事・労務・安全衛生担当者、労働組合、自治体関係者の方
※両日ともセミナー終了後に、名刺交換会(ミニ交流会)を開催します。時間はセミナー終了後~18:00で、会費は2,000円です。簡単な食事や飲み物などを用意します。シンポジストへの相談、参加者間の情報交換などにお役立て下さい。
セミナーの申し込み方法
お申し込みは、裏面のFAX申込用紙または電子メールでお願いします。
電子メールでお申し込みの際は、①参加日(東京・大阪の別)、②維持会員、一般の別、③所属組織名、④セミナー開催を知った媒体、⑤参加者の氏名、所属、メールアドレス、交流会参加の有無、連絡先のご住所・電話番号・FAX番号をご記入ください。
詳細は、弊所ホームページ・セミナー案内(http://www.isl.or.jp/service/seminor)
FAX 044-976-8659 E-mail:islseminar@isl.or.jp
財団法人 労働科学研究所 セミナー係 TEL 044-977-4390 (ダイヤルイン)

●上記主催の労働科学研究所は、大原孫三郎が作った労働安全の研究機関としてスタートし、戦後は各種の労働災害のメカニズムを解明してきた伝統ある研究機関です。法大にある大原社研や、倉敷の大原美術館とルーツは同じです。

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2012.04.10

4/10 改革のための総論がポピュリズム

濱口桂一郎先生が、東浩紀氏を批判していて、そうなんだろうと思う。

東浩紀氏はtwitterで
「ポピュリズムには反対だけど、大衆の善良な意志は信じる(キリッとかいう立場は論理的に存在しえないんですよ。ポピュリズムを肯定するか、エリート主義にいくか、どちらかしかありえないのです。だからぼくは、民主主義者としてポピュリズムを否定しない(否定できない)ってだけ」

と書いたことに対して、
「問題をポピュリズムに流されるか、エリート主義に行くかという二者択一でしか考えられないところが、(総論政治学者や総論政治評論家や総論政治部記者と同断の)総論しか頭の中にない哲学者という種族の宿痾なのだろう。(中略)
誰にもこだわりの「各論」てのがある。「総論」に巻き取られると不愉快になる「各論」が。

大事なのは、そういう「おおむね大衆ときどき専門家」な人々の「民意」をどこでもってつかまえるべきなのか、ってこと。

ポピュリズムがだめなのは、その人々の「おおむね大衆」の低次元の「総論」だけをすくい取って「これが民意」だ、ってやるところ。

決して馬鹿なだけじゃない大衆の馬鹿なところだけをすくい取るのがポピュリズムだ。

レベルの低い「民意」をすくい取られた大衆が、しかし自分の専門分野について「とはいえ、こいつはおかしいんじゃないか」と感じるその違和感をきちんと言語化するのが、言葉を商売道具にして生計を立てている連中の最低限の義務だろうに。」
と批判している。

私自身も自治労という今日、社会の敵のように扱われた場で守るべき人を守る理屈を考え行動するOJTによって、総論で話をごまかすポピュリズムをだいぶ治してきたが、「総論」に絡め取られる弱さというものを時折実感している。

●こうした体質は維新だけの問題ではない。

●一方、政治の行動原理の中に、特に日本のように候補者個人を選ぶ選挙制度において、どうしても政治家をやっていく上で、ポピュリズム的言辞を使っていくことに巻き込まれる場面がある。また議員のように同調圧力が強い環境にいると、さらに他人によってその流れに流されて居いく場面がある。私はできるだけそうしたものに一線を引きたいと思っているが、どうしてもやむを得ない場合、できるだけ無意味な傷をつけない理屈になるよう解毒する役割を努めていきたい。

●先日偶然見た討論番組で、東氏が「福祉など整備すると、日本の場合ただ甘える人が増えるだけになる」という発言をしていて、研究者にしてはずいぶん乱暴で粗雑なものの考え方をしているんだ、と思った。総論みたいな話になるが現代思想に携わる人たちの福祉に関する鈍感さにはいつも驚かされるし、総論的な話になってしまうが、左派市民派(リベサヨ)を製造しふりまわした害毒は大きいと思うことが多い。

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2012.04.06

4/5 国民健康保険の県単位化はうまくいくのか

与野党そろって賛成して成立したみたいですが、国保の都道府県ごとの共同事業化は本当に効果があるのでしょうか。

改正国民健康保険法が成立、市町村国保を支援.

先般、すでに県単位で共同事業として始まっている後期高齢者医療制度を運営する埼玉県の広域連合が、市町村に医療統計情報も提供せず、市町村に負担金を払わせていることを市議会で明らかにしました。またコストも毎年7%以上も増加し続けています。それと同じことを国保でもやろうとしているのかと思うと心配でなりません。

医療提供体制や、地域の保健行政の決定権と一体的に健康保険は運営されるべきだと思います。その点でいえば都道府県なのでしょうが、そうであるなら医療基盤整備についてもっと埼玉県が責任をもってやるべきだと思います。また、共同事業なんてことをせずに都道府県の特別会計しないと運営上のガバナンスが働かないように思います。その見本が先に掲げた後期高齢者医療制度の広域連合ではないかと思います。

共同事業ということなら、朝霞市は参加しない権利があるのだと思います。

また財政的には国の負担分を増やしますが、高額な国保保険料の水準からは微々たる効果ではないかと思います。その上で、埼玉県内で国保財政を単一化したとしても、県内の払う保険料総額と給付額総額は同じなわけで、大数の法則でリスクが平準化されるだけだと思います。

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4/5 篠田徹「再びニワトリからアヒルへ?」との再会

私の政治観を軌道修正していただいた論文があって、どこに書かれていたものか長くわからないままでいたが、先日、ジュンク堂大分店で偶然発見、購入した。掲載していたのは「年報政治学・55年体制の崩壊」岩波書店。

民主党と連合の関係について、あることないこといろいろ言われ、労働組合の政治活動に過大な批判が行われている。そうした状況のなか、では労働組合がどれだけ政治に影響を与えて、政策的効果をかちとっているのか、ということについて実は不明確な状態だ。経団連がやりたい放題やっているのに比べれば、労働界なんて片務的協力だったなぁ、というのが13年労働界に身をおいて感じていることだ。

そうしたことを明らかにするものはないものかと思っているが、社会党や民社党が解党してからの労働界と政治の関わりについて、うまく解説した本や論文が少ない。その中で、唯一といってよいものとして中公新書の「労働政治」という本があるが、民間労組と官公労の対立項として書いて、民間労組=改革協力勢力=善、官公労=抵抗勢力=悪という単純な決めつけを展開し、一面的な書き方の本だったなぁと、このブログでも取り上げたことがあり、これでは実態はわからなかった。

労組と政治の近年の関わりとその文脈に関して、唯一といってよいぐらい実態に迫った論文が今回探したこの本の、篠田徹「再び"ニワトリからアヒルへ"?」という論文である。数年前、自治労の職員の先輩に誘われ、篠田先生と3人で飲みながらこの論文を題材に議論をする機会があった。このときに渡された論文がコピーであったためその後の整理で見失ってしまっていた。

「ニワトリからアヒル」というのは、かつてアメリカ占領軍が親米労組として作った総評が、左傾化して戦闘的労組になっていったことを表現したもの。篠田先生の論文は、本来、政治とはニュートラルな関係にするつもりで結成した連合が、激しく動く政治情勢の中で再び政治的影響力を公使するようになったのではないか、という疑問について整理したもの。

今日、民主党支持団体の悪玉代表のように連合が扱われて報道されている現状からは意外にも思われるが、連合というのは民間大手製造業労組が、労働界と政治をニュートラルな関係にして、減税などの政策要求だけ政治に関わるようにしようとした運動からスタートしてきた。
ところが先延ばしにしようとした連合と公務員関係労組との統合時期が繰り上がり、その同タイミングでおたかさんブームによって政治の変化が始まり、できたばかりの連合の都道府県組織が選挙に傾斜しそれなりの成果を上げてしまったところから、ふたたび労働界が政治への傾斜が新しいかたちで始まってしまった。細川連立政権の崩壊によって、自社さ政権についた旧総評と、新進党についた旧同盟と、労働界の政治的分裂も不幸な歴史のはずだったが、連合の政策活動では与野党に分かれたパイプをそれぞれ使って、手玉に取るように政策を実現させてしまう。
気が付いたら、政治的にはニュートラルの労使関係だけに専念する労組を作る運動が、再び政策実現を通じて政治に深入りする運動になってしまった、そこには政治の大きな変化という状況の変化による「めぐりあわせ」と、55年体制の後の連合のアイデンティティ構築の模索などがからみあったものだというのが篠田先生の論文である。

●この論文で興味深いのは、1993年以降の労働界の政策実現能力の高まり(自社さによって生まれた橋本政権時代まで続く)について、各労組の支援が与野党に分かれていたからできたんだということ。確かに細川連立政権のときには定率減税しか実現できていないし、今の民主党政権でも連合の政策で取り入れられた大きなものという目玉はあまりない。労組が提言した時短、介護保険制度、パート労働法、介護基盤整備のゴールドプラン、今日の待機児童対策の始まりであるエンゼルプラン、消防署での職場代表制とでも言える消防職員委員会制度などがこの時代に次から次に実現している。

●一方、同論文で「これらの動きにうんざりしていたのが鉄鋼、電機、自動車といった(IMF-)JCを中心とした輸出産業労組であった。円高で最も甚大な被害を被っていた彼らはこの間一刻も早い規制緩和の実施を求めていた」「春闘見直し論議でも、パターンセッターを務めてきたJCは「産別自決主義」を唱えて、高生産性セクターが必死に作った賃上げ相場を踏み台にする低生産性セクターを批判」などと書いていることが興味深い。

●これに対置されるのが同論文で取り上げられる中小企業労組で「中小企業労組は、JC系労組以上に産業空洞化や不況に喘いでいる。しかしその対策として中小企業労組は、JC系労組とは逆に公的職業訓練の充実や公正取引の保障などいわば「再規制政策」を望んでおり」「中小未組織の組織化とナショナル・ミニマムの保障を連合最大の課題と位置づけると同時に、社会的相場の底上げこそ自己の使命」と取り上げられている。

●この論文を読み通すと、連合が利権集団でその欲を押し通すために民主党に肩入れしているという俗説が間違いであることがわかってくる。

●残念なことにこの論文は1996年12月に執筆されたもので、それまでの時代について的確に書かれているが、その後について書かれたものがさらに読みたいと思っている。

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2012.04.03

4/2 がれき処理問題をめぐる国会質問

札幌市長が震災がれき受け入れを拒否したからといって、国会質問で追及した自民党議員がいた。

私も震災がれきは全国で処理することが必要だと考えているが、拒否する側にも一理はあって、そうしたことは各自治体の判断だと思っている。どうも筋違いな質問ではないかと思う。

最近の震災がれきを受け入れるべきと自治体の現場で迫る流れは、どうも反対する人たちを「非国民」扱いしたいような空気を感じていて、そういう物言いの仕方には本当に気分が悪いし末恐ろしいものを感じる。
がれきの受け入れについては、技術的に受け入れが可能かどうか検討し、市民の合意形成や納得感があるのか政治的判断を首長が行って判断すればよいことだと思う。その段取りを無視して道義面だけで異論を排斥するようになるなら、本来、東京でも大阪でも国直轄で処理場を作ってやれ、という話にしかならないと思う。

また、今回自民党の若手議員が、選挙区の民主系市長にかみついた構図になっていて実は政争の具としての質問だと思うしかない。それというのも、自民党だって、昨年の4~5月は、菅首相がたたかれやすい状況なのを利用して、菅内閣を倒すことを復興より優先して、復興増税はじめ復興のために必要な政治的合意をことごとく遅らせてきた。がれきだけで復興のための正義をふりかざすことができる立場なのか、私は疑問に思っている。

震災の被災地そっちのけの、政治的正当性のためだけの議論のやり方ががれきでも原発問題でも続いていることに、私は心を痛めている。ちょうと一年前、福島に入って震災復興支援に携わってきたことを思い出しながら、そんな感想を持っている。

●最近の政治は自らの恥辱の歴史を隠蔽して、平気で同じ論理で相手を追いつめる。戦前の保守二大政党制の失敗の再現としか思えない。

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2012.04.01

3/31 「飯舘村は負けない」

岩波新書「飯舘村は負けない」を読む。原発事故を受けた福島を理解するには必読ではないかと思う本。

飯舘村は本当に丁寧に丁寧にコミュニティーを作り上げて、市町村合併を拒否する選択をしてきた村。私も本書P91に書かれていた、2002年に行われた市町村合併をめぐるディベート村民集会を傍聴しに行き、その内容を労働組合機関紙に記事を書いた。極端な議論を村民にさせて、村民に多面的な思考をさせつつ、村の選択を委ねていく、そうしたことを続けてきた村。愛郷心も村民の統合意識も強いし、さらには村にきちんと村民がものを言う村。

その村が、何を考えているのか、ただ安全だと言い続ける物理学者や、逆に逃げろとしか言わない運動家に、それだけでいいのかと思う人に読んでほしいと思う本。飯舘村民がひどい放射能被害をどう受け、どのように乗り越えようとしているのか、知ることは他の書物ではできないように思う。

●タイトルはどうにかならなかったものかと思ったが…。

●帰省の折、由布院に立ち寄る。核となってきた由布院美術館が本日をもって閉館となった。残念。、

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