3/31 「飯舘村は負けない」
岩波新書「飯舘村は負けない」を読む。原発事故を受けた福島を理解するには必読ではないかと思う本。
飯舘村は本当に丁寧に丁寧にコミュニティーを作り上げて、市町村合併を拒否する選択をしてきた村。私も本書P91に書かれていた、2002年に行われた市町村合併をめぐるディベート村民集会を傍聴しに行き、その内容を労働組合機関紙に記事を書いた。極端な議論を村民にさせて、村民に多面的な思考をさせつつ、村の選択を委ねていく、そうしたことを続けてきた村。愛郷心も村民の統合意識も強いし、さらには村にきちんと村民がものを言う村。
その村が、何を考えているのか、ただ安全だと言い続ける物理学者や、逆に逃げろとしか言わない運動家に、それだけでいいのかと思う人に読んでほしいと思う本。飯舘村民がひどい放射能被害をどう受け、どのように乗り越えようとしているのか、知ることは他の書物ではできないように思う。
●タイトルはどうにかならなかったものかと思ったが…。
●帰省の折、由布院に立ち寄る。核となってきた由布院美術館が本日をもって閉館となった。残念。、
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