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2012.02.08

2/8 東海村議会で原発推進派が過半数割れというニュースから考える自治体議会の会派

興味深い選挙結果がありました。

選挙:東海村議選 原発推進派が過半数割れ 2会派で9議席 脱原発寄りに変化か /茨城

●ここで考えたのは原発問題もありましたが、自治体議会の会派です。

有権者と議論すると、抽象的には会派なんかなくて、というご意見をたくさんいただきます。行政権の裁量が大きい今の国・自治体の仕組みを前提に、理想主義的な政治の議論もそうした議論がよくされます。
私自身、とりあえず会派なしの無所属ということもあって、そうした議論にありがたく支えられているわけですが、しかし私は、会派無用論は違うのではないか、ということを、この東海村議会選挙の結果の報道を見て思うわけです。会派がなくて、フラットな無職透明な議員候補ばかりだったら、民意がどう結果に影響したのか、今回のニュースのような報道ができないわけです。

その自治体に大きな課題があるときに、みんな無所属で、本当は誰と誰が組んでいるのかわからない、というのは実は不透明感たっぷりで、そんなことなら会派として表沙汰にすべきだと思うのです。

議会では会派単位に議員は行動し、議会の運営の効率化を図っているわけですが、選挙に出るときに個々の議員が、どういう会派に属して、その会派がどういう判断をしてきたのか、地域の政治的うわさ話のネットワークに入らない限り明らかにならないことが民主主義の機能を考えると問題だと思っています。そうしたことは朝霞市のような地域ネットワークが弱くならざるを得ないベッドタウンでは、自治体議員の選挙で投票自体を放棄されたりして、選挙民の意識と選挙結果に対する大きなバイアスを与えます。
これは議員や候補者、会派の宣伝の問題もありますが、選挙では大きな文書規制などが行われ、有権者はそうしたことを判断材料とする情報を入手しにくいという選挙制度の問題もあります。

日本のように地域マスコミが弱くて、プラウダや人民日報並みの発行部数を誇る新聞社や中央に系列化されたテレビ局が政治情報を独占する中で、有権者は市議会議員について、中央政党との系列でしか会派を認識できない問題もあります。中央政党に所属している議員はそのモラルの中で行動すればよいのですが、都道府県議会・政令市・23区以外の多くの自治体議員はそういうことではなくグループを組んでいますので、そうしたものをもっと肯定的に、政策を判断する集団としてとらえていくための方法を考えた方がいいと思います。

そうした観点から会派という中途半端なものではなくて、地域政党を奨励し、有権者と議会、議会の中での運営での契約関係を確立していくことも考えていく必要があるのではないかと思っています。

●欧州では、自治体議会の選挙にも比例代表制を採用しているところが多くあります。日本的な理想論からすると逆行しますが、政党が公認して候補エントリすれば政党の支持率次第で議員になれるので、議員をリクルートするのにもっと多様なルートが確保できるメリットもあると思います。問題は政党内の人事が議員の当落に影響することで、政党の自治能力が問われます。

選挙:東海村議選 原発推進派が過半数割れ 2会派で9議席 脱原発寄りに変化か /茨城 先月の選挙で新議員が決まった東海村議会(定数20)で、改選前に計11議席を占めていた原発推進の2会派が、村議選の結果、計9議席に減少し、過半数を割り込むことが6日、複数の村議会関係者への取材でわかった。新会派の結成も進んでおり、村議会が脱原発寄りに変化する可能性が強まった。

 改選前の議席構成は、原発推進寄りとみられる「みらいの会」(6人)と「新和とうかい」(5人)の両会派が計11人で過半数を占めた。一方、慎重・中立会派が、村上達也村長に近い「光風会」(4人)▽公明党(2人)▽共産党(2人)▽無所属(1人)--となっていた。

 村議選では、現職15人と新人5人が当選。関係者によると、推進会派では「みらいの会」が「新政会」と名称を変え、新人も取り込んで6人が所属。「新和とうかい」はベテラン議員の引退などで3人に減少するという。

 これに対し、慎重・中立会派は「光風会」から「豊創会」(2人)が分裂するが、同会派の現職、豊島寛一氏は「兄弟会派。村長支持の方針は変わらない」と語る。「光風会」は新人の照沼昇氏が加わり3人。公明、共産は各2人で変わらず、無所属は現職の相沢一正氏と新人の武部慎一氏の2人となる。【大久保陽一】

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