2/2 朝霞市議会民生委員会で請願審査を行いました
2日に朝霞市議会で医療・福祉を分野とする民生委員会が開かれました。
午前中は、政策調査として、2012年4月から改定スタートする障害者プラン、障害者福祉計画、高齢者福祉計画の現在の案を説明していただき、児童館、学童保育に関する政策の説明を受け、その後社会福祉協議会を訪問し、事業説明と視察を行いました。
その後 14:30~請願審査を行い、継続審査であった「新日本婦人の会」から提出された請願「子どもの医療費の無料化を拡大してください」について約1時間にわたり審議し、採択を求めた石川議員を除く5人の継続審査と決しました。引き続き、3月の市議会で審査を行います。
●同請願については過日の記事に書きましたが、私の懸念は、財源調達のめどが立つのかどうか、小児科医療を提供する体制に支障はないのか、保護者の医療に対する感度を下げはしないか、ということです。財源問題については、自らが稼ぐことのできない子どもの医療費を誰が負担するのか、社会保障全体の議論が必要で、少なくとも大多数が就労しない18歳までは、国の制度創設への働きかけが必要だと思っています。また、朝霞市だけでの判断で実施する際に必要な予算は最高でも6000万円が必要です。この事務を行う福祉部や子育て支援課のなかだけでの財源調達を行えば、もっと困った人への福祉を切られることになります。子ども医療費と一概にいっても、高所得者と低所得者、年に1~2回風邪ひく程度の子どもと、入院こそしないものの何度も通院しなければならない子どものいる家庭と受け止めは全然違うと思います。そうした有権者個々の状況によって、政策的優先順位も変わってくると思います。財源のめどと、それを裏付ける理屈の整理が立つまで、賛成したいものの無責任な態度は取れないと思い、継続審査といたしました。
市執行部(市長以下幹部職員)の課題としては、私が当選する前の9月の市議会本会議で、事務方は財政事情を楯にできないと答弁していますが、市長はやりくりが何とかつけばあとは私の決する限り、と答弁しているところから、財政的な方法について整理しておくことが必要だと思います。
●この問題に関して言うと、社会保障を誰もが利用しやすく、生活や健康で不安におちいらない制度にしていくためには、一定の広く薄い負担をこの社会がさらにしていかなくてはならないと思います。その現実を直視しないことは政治的にはもう行き詰まりを見せています。
私は消費税の導入前後、月7万円の生活費で4年間生活したことがありますが、社会保険料の負担、医療費の自己負担、社会保障の各種利用料の方が、消費税導入よりもしんどかった経験があります(この経験で私は風邪になっても医療を忌避する癖がついてしまっています。良くないことです)。
日本よりGDPが低いのに、うらやましい社会サービスがたくさんある高福祉を実現している西欧諸国は、相応の税金を取り、その結果、病気になろうと介護が必要になろうと保育が必要になろうとも、家計負担が大きくならないように社会はできています。民主主義の国ですから、国が市がどこからか捻出してこい、だけではなくて、そうした社会合意を形成していく努力を、もちろん政治家もですが、全社会的にやっていくことが必要ではないかと思います。
そういう意味では野田政権を支持するわけではありませんが、社会保障と税の一体改革の議論を、もっと内容について詳細につめ、国民にとってさらに必要な社会保障の支出を積み上げ、相応する財源は将来任せではなくきちんと確保するんだ、という政治合意をすることが不可欠ではないかと思っています。
●経済社会総合研究所の小野所長から「成熟社会の経済学」をご贈呈いただきました。お礼申し上げますとともに、近日感想をアップしたいと思います。
●定例市議会が2月28日から開催されると案内されています。朝霞市議会は本会議、委員会、会派代表者会議、全員協議会は、非公開と決しない限りは、傍聴可能です。
●2月9日に議会運営委員会が開催されます。議会運営委員会は、市議会の開催にあたっての議事の段取りを決定したり、議会内のルールを検討する委員会です。今回は12月議会に継続審査とした議会の一般質問のやり方に関する請願審査を中心に審議します。
●元朝霞市議会議員の中田一郎さんの訃報が届きました。享年81歳です。
公選職としては市議会議員のみの経歴ですが、埼玉県の民社党の後継組織である埼玉県民社協会の会長などを務められ、県内の民社党系の後継者の育成に多大な力を割かれた方です。
広い意味で社会主義運動で大きな功績を担われた証人が朝霞市にもおられるということは歴史に残しておくべきことだと思います。生前、一度だけある政治家のパーティーでお会いしましたが、インタビュー等しておくべきだったのではないかと思っています。
ご冥福をお祈りいたします。
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