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2012.02.01

1/31 生産性は濃厚な人間関係から

大瀧雅之「平成不況の本質」(岩波新書)を読む。

今の社会の問題に対する怒りのツボが近いし、現状認識の数々のデータの読み方について示唆に富むし、良いこと書いてあるしおもしろく読み進めた。前の職場だったら大いに使えそうな論理がたくさん。やや高度成長期のケインジアンのような論調が気になる。何が気になるのかもう少し考えてみたい。またデータによる現状分析以外のところが、この分野の経済学者にしてはやや情緒的、主観的な文章が多かったように思う。

著者はケインジアンなのだろうと思うが、ハコモノ公共事業の有効性をめぐってのものさしを当てると、働ける人を寝かせて福祉を与えるよりましなだけという小野善康氏より少し古典的なスタンスで、一方でハコモノ公共事業を全面的に推進する植草一秀氏より今の時代にあった分析をしている、と受け止めた。

通貨供給量だけで景気回復を図ったり、人為的なインフレを作ろうとするリフレーション派を強く批判。インフレ批判は増税より悪いと新自由主義より強烈。

濃厚な人間関係をもってしか技術開発や生産性の向上などありえない、それはなかなか数値化できないものなのだ、と言い切るところは気持ちがよいが、今の時代にそういう論調を主張するのは難しいんだろうなぁと思う。

●最後の方に郵政改革後の郵便局が非効率で、これまで尊敬されていた官が駄目な民になってしまったというよなうことが書かれていた。私も最近深く同感している。
仕事柄、郵便振替口座を使ったり、郵便物を発送するようになって、郵便局によくおじゃまするようになったが、待たされたり、二重の作業を強いられることが多い。どうしてかなぁと観察していると、高価なシステムを駆使しながらやれている極めて精緻な民間銀行の仕事の仕方を、人間系中心の仕事システムを積み重ねてきた職場に形式的に載せているのではないかと受け止めている。そうした仕事環境に、機転をきかせれば済んだ仕事が今はできずにいる職員がつらそうに感じることも多いし、書類の書いたの書かなかったの窓口はどこだので来客が揉めていることが少なくない。

●昨日午前中は、誘われて希望して入った会主催の、来年度の地方財政と第二次分権改革一括法の学習会に参加のため衆議院議員会館へ。分権一括法の講師は、大量の条例づくりが待っているので議論の真価が問われるということ。今日までに議員同士が討論できる改革を進めた自治体がうらやましいです。

午後はその会が主催する原発事故被爆者援護法制定を求める運動の学習会に参加。被害者が戻れず何もかも喪失したのに、賠償額はしょぼいし、決定が遅い問題があります。社会や東電にしっかり被害者を支援させることを経ずに、原発の本当のリスクやコストを誰も実感しないで避難民の苦闘は見向きもされなくなる危険性かあります。私の父方の祖父母も難民経験があるので、人ごととは思えません。

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