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2012.01.23

1/23 住み慣れたまち朝霞で住み続けていくための介護保険に

午後、議員どうしの割り当て担当している高齢者福祉計画推進会議という市の審議会に出席してきました。

内容は、引き続き来年から新しくなる高齢者福祉計画の素案審議と、新たに提案された改定される介護保険料の原案審議でした。

計画については、介護する家族への支援が盛り込まれているものの、介護技術の教育と介護者どうしの集まりに留まっているので、介護している家族のケアについて考えてほしいということを意見しました。また、介護保険制度の維持は、人材確保が第一だと思い、お金の面以外の介護の人材確保に向けて取り組みを求める意見をしました。

介護保険料の改定については、いろいろ思いはありましたが、議員として議会でも意見できる立場だったので改定の積算根拠の資料を難しい資料であっても公開して、共通の議論の土壌を作った方が良いということだけ意見しました。

今回の案では、1号被保険者(65歳以上)介護保険料は基準額が月3500円から月4125円に改定される案となっています。この基準額に、所得等にあわせて、0.39~2.00の係数(現在は0.4~1.75)がかけられる案となっています。所得格差への対応は改定前よりきめ細かくなりますが、いずれの階層でも値上げとなります。
介護保険料は、必要な高齢者介護福祉の総量とそのコストを計算し、国の補助、県の補助、現役世代の2号被保険者の支払う保険料などを差し引き、基準額を算出することから、介護の総量をいじらないかぎり、値上げ幅を動かすことは難しいものだと受け止めています。
問題は低所得者の軽減措置です。今回、係数の部分を多段階にし、最低レベルは0.01引き下げましたが、効果としてはやや弱い感じがします。ただし、これも係数の幅を大きくしないと低所得者の軽減に使える金額は捻出することが難しいのも制度です。

今回の値上げ改定の内訳には、高齢者の増大による量、サービスの質の改善を中心に、介護労働者の処遇改善も含まれます。介護労働者の賃金は、介護される高齢者の年金より低いことも珍しくないぐらいで、処遇改善については前向きにとらえたいと思います。3月までの賃金改善の国の交付金は申請手続きや条件が複雑で難しいものでした。市町村の介護保険財政から直接に処遇改善が行われることは制度をシンプルにして効果が出やすくなります。事業者による処遇改善で介護労働者の確保が前進することを期待したいと思います。

気がかりなのは、関係者が安易に「介護保険制度は維持できないのではないか」と発言していることです。主に保険料負担の増加からそういうことを言われているのだと思いますが、そうした発言は払い支える側のモラルを壊し、どうせ高齢社会を維持なんかできないんだからという気持ちにさせます。また事実ともいささか違うと思っています。
介護保険料は、福祉の供給量から保険料が算定されます。その点では情報公開や議論のやり方次第ですが透明性の高い制度だと思います。その上でコストから介護保険制度を放棄して介護を受けられない高齢者をふたたび作る方が社会の持続可能性を奪うのではないかと思っています。これも数字を見て議論をする必要があると思います。
そこで、介護保険料の改定については、積算根拠、わかりにくい資料であっても公開した方がよいと発言いたしました。介護保険料の算定を通じて、住民、市、事業者等の間で、どのレベルの介護を整備すべきなのか、自治的に高齢者福祉の水準を決めていくことを想定されている制度発足のときの考え方を踏まえることが必要だと思います。

介護保険制度の維持にとっていちばん大事なのは、朝霞市の介護サービスが整わなくならないように手を打っていくいことです。介護を理由に、朝霞市から離れたり、著しく生活水準を落として生活しなくてはならない市民を1人でも少なくすることです。
4月からの新計画案につけられた「住み慣れたまち朝霞で住み続けていくために」という計画の副題に表された理念をきちんと貫徹する努力をしていくことが必要だと思いました。

それにしても、もう少しで介護が必要になりそうな親族を目の前にしたり、先の市議選で年老いていく同級生たちの親御さんたちと接したことを思い出すと、焦るしまだまだ努力しなければならないことが多いと思っています。まだまだをあと何回繰り返すと、安心の老後と言い切れる介護保険制度になるのか、人間の寿命は限られていることから、さらに焦らずにはいられません。
また核家族の多い朝霞市で、至らなくても家族がやってくれるだろう、という「想定」は、ベッドタウン第一世代に対して、本格的に介護が必要になるこれからの時代は禁物だとも思っています。家族を支える若者が破綻していきます。

●電力自由化をめぐる保坂世田谷区長のコメントを聞いて。
東京電力の官僚的体質、事故の後処理のまずさ、原発一辺倒できた経営方針に対する反発から、脱原発と電力自由化を絡める議論があるが、私は違うように思っている。自由化は最終的に競争激化による淘汰となり、当初は多様な電力を選択できるというメリットが出るが、長い目で見れば寡占化が進む。コストは係っても社会的価値がある発電方法というのは淘汰されることになると思う。原発事故補償の電力料金値上げをやらなかったことから、原発コストの事故リスクはとうとうまともに電力料金の原価として計算されることはなくなってしまった(なんちゃっての計算は出ましたが)。そうした中で、競争した結果、やっぱり原発にかなわない、という話になりかねないものだと思っている。少なくとも自然エネルギーではなくて、相変わらず化石燃料を大量に消費する発想から抜け出せないのではないか。もちろん自由化全面反対ということではなく、地域小電力の解禁や、自然エネルギー発電を汲み上げていくことが必要だが、それらはコストが高いから、競争政策よりも買い上げ義務化など、もっと自然エネルギーを擁護する立場での公的な管理を強める方向でやっていかないと、やがて不良債権の束になるように思う。

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