1/18 志木市民病院の小児病棟が休止へ
3月いっぱいで志木市民病院の小児病棟が休止されることになりました。かねてから少ない医師で対応していたものが、退職されることになり、維持が不可能ということでの結果です。
朝霞・志木・新座・和光の四市では、入院の必要な小児科医療に対応できるのが、和光市の国立埼玉病院のみとなりました。また救急車搬送や市民の利用が少なくない日大光が丘病院も経営譲渡で先行きが不透明なことから、この地域の小児救急医療の体制づくりがこれから課題になります。
一方では、辞められた医師が移ることで、和光市の菅野病院が入院をともなう小児医療を始めるというニュースにもなっています。
休止ということですが、小児病棟の赤字の大きさ、医師確保の困難さから、再開するのは相当に困難な休止と思われます。
医療は病院を作ればいいという話ではなくて、具体的に地域社会がどのようにして医療を確保していくのか、という難しい問題になってきていると思っています。病院を作る財源調達をすればよいのではなく、地域のニーズを反映して病院経営をきちんとマネジメントできる役割がどこにあるのかという問題だと思います。
国の政策にになりますが、西欧先進国と異なり、医師は「職業選択の自由」ということで、割に合わない公立病院や大病院を忌避することが容易なシステムになっています。かつての医師派遣制度を復活させるわけにもいきませんから、診療報酬体系の改革などを通じて、適度なインセンティブにすることが必要です。入院や往診、在宅医療に対応する医療機関があまりにも少ない一方で、開業医が次から次にやってきている朝霞地区の医療事情をみると、そんなことを感じます。
これからの自治体は、財政の帳尻合わせだけではなく、具体的なサービスをマネジメントする能力が問われていくのだと思います。
情報確認して続報をお知らせします。
志木市民病院 小児科の入院、4月に休止 2012年1月17日東京新聞
志木市の長沼明市長は十六日、同市立市民病院の小児科入院(四十五床)の受け入れを四月から休止すると発表した。慢性的な赤字に加え、小児科医の確保ができなくなったためという。外来患者の診療は続けるが、入院再開の見通しは立っていない。同病院は小児救急を請け負う地域の拠点で、県南西部の小児医療体制への打撃は必至。周辺自治体は存続を求め、財政支援も行う方針を決めた。 (上田融)
市によると、同病院は利益率の高かった整形外科の入院取りやめなどで経営が悪化。昨年度は約四億円の営業損失を出し、一般会計から五億四千万円を穴埋めした。小児科は昨年度、一億六千万円の赤字を出した。
同病院小児科には三人の常勤医がいるが、市は昨年八月、小児科医でもある院長に契約更新しない旨を通告。その後、小児科医療の体制見直しが進まず、昨年末に他の二人も退職を決めた。
長沼市長は、救急を含む地域の小児医療体制について「今後は志木だけでなく広域で分担し合う必要がある。(今の入院患者も含めて)救急医療に対応できる周辺の医療機関を紹介する」などと述べた。だが、年間延べ一万二千人に上る入院患者をどの病院で受けるのか、明確な答えは示さなかった。
同病院で患者を受け入れている新座、朝霞、富士見市など六市町は対応を協議。全体で年間九千万円規模の財政支援を毎年行うことを決めた。近く長沼市長に存続を求める要望書を提出する。
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コメント
新聞記事を見て本当にびっくりしました。
朝霞地区医師会で小児科医をシフト制で市民病院で夜間対応していた医師達が応援に居ても対応が難しかったのでしょうか。
朝霞四市のドクター達もこの件は知らなかった方々が多かった様です。
近隣の病院は小児科医も少なく、規模も縮小しています。
小さな子供を守るお母さん方は本当に不安だと思います。
土曜日の午後は診療している病院も少なく、何処も断られていったいどうすれば良いのかとお叱りを受ける事もしばしば。 色々考えさせられますが 小児科は窓口支払いがない為、緊急性が無くても受診しコンビニ化感覚の方々が居るのも事実とも思います。
何はともあれ早急に改善を願うばかりです。
投稿: 伊志嶺 | 2012.01.19 00:55
昨夜も志木市民病院の小児科当直をしておりますが、志木市民病院の小児科医師は退職するのではなく、市長から一方的に解雇されたのです。
それを市長は自分の身を守るために、原因を病院になすりつけようとしております。最低です。
さらに志木市民病院の小児科が赤字なんて、とんでもありません。
嘘だらけの広報で、練馬区行政と全く同じで、最低だと思います。
投稿: 匿名 | 2012.01.19 09:07
私は、二児のママです。下の子供は、やっと一歳半になりました。私は、車の免許が無くそのため、自宅から歩いて病院まで行けて、小児科のある市民病院近くに家を購入しました。私の様に市民病院が近いから宗岡地区に家を購入した若い世代の夫婦が結構居ることを市長は、知らないと思います…。実際に、子供が高熱と夜も寝られず止まらない咳で私は、おんぶして病院まで歩いて連れて行きました。その後、肺炎で入院中も家が近いので何かと行き来が出来て助かりました。子供が寝た後に一時帰宅して食事とお風呂を済ませてまた歩いて病院まで戻りました。退院の日は、スーツケースを引いて子供と手を繋いで歩いて帰りました。主人は、バスの運転士のため朝、4時5時過ぎには、家を出ます。帰りも遅い…。夫婦の両親は、遠方に住んでいるため育児協力が得られない。だからせめて病院だけでも近ければ心強いのです。それが今回の市民病院が存続出来ない訳では…、上宗岡に住んだ意味有りません。小児科存続、病院存続出来ないのであれば、私の条件に合う地へ引っ越す事も視野に入れなくては…。近年…、宗岡地区に新築がどっと増え若い世代が購入しました。市民病院が近い、せせらぎの径という地域性を考慮して駅まで遠い宗岡地区を選んだのです。
投稿: 匿名希望 | 2012.03.24 22:53