12/28 12月の市議会が閉会しました
市議会議員選挙があったために他市より遅くかけ足で開かれた12月定例市議会が昨日で終わりました。
最終日、採決や休会中の委員会運営について審査して閉会となっています。今議会は人事案件が大半で、議案も国法の変更や市町村合併など変化に対応する受け身の議案が中心でした。一般質問の内容について、基地跡地利用など大きな課題について執行部の答弁を中心に後日まとめたいと思います。
最終日の採決や選挙の結果です。
【市長提出議案】
○議案68号 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
非常勤職員の公務災害(≒労災)についての決めた条例のうち、引用している国の法律の条文番号が変更になったことにともなう条例改正です。
→全会一致で可決
○議案69号 彩の国さいたま人づくり広域連合を組織する地方公共団体の数の減少について
○議案70号 埼玉県後期高齢者医療広域連合を組織する地方公共団体の数の減少について
上記2議案とも、県内自治体が参加する広域連合に、川口市と鳩ヶ谷市が合併して鳩ヶ谷市の名前がなくなったことにともなう確認の議案です。
→全会一致で可決
○議案71号 監査委員選任に関する同意を求めることについて
通常、監査委員2人のうち1人は議員が行うことになっていますが、12月17日の市議会議員の任期満了で空席になっていた監査委員を市長が任命することに同意を求めるものです。なお市長は船本祐志市議会議員を提案しました。
→動議により無記名投票の提案が行われ、無記名投票に付され、議長、船本議員を除く22人で投票を行い、賛成19、反対3で市長の提案どおり任命されることになりました。
〈私の対応〉選挙中あるいは当選後の議会内での交流で、船本議員の識見、人格ともにすぐれ監査委員としての能力は十分と考えています。しかし、経歴では朝霞市の中枢的な幹部職員であった期間が長く、監査委員となるべきか疑問に考えるところもあり、その一点で私は反対を投じました。無記名投票について是非論があります。議会での議員の各議案に対する賛否は、市民が唯一現職議員の業績評価を行う選挙の機会で、政党名や学歴、年齢などより重要な判断材料であることだと思うので、原則は賛否は市民に公開されるべきと私は考えていますが、賛否の分かれる人事案件についてはその内容の妥当性以前に、議員どうしの無用な感情的な対立になりかねないため、無記名投票が必要と考えています。
【市民からの請願】
○請願9号 一般質問通告事項一覧表をホームページに掲載を求める件
市議会で議員が行政事務全般について質問できる「一般質問」の時間が、年4回の定例会のうち3日、一議員25分の質問時間を3往復分設けられています。その一般質問内容については、市役所に関することであれば自由なので、議事進行の整理と、市役所の答弁用意のために市議会規則第62条で議会事務局に提出しなければならないものです。提出されたものは議長、市役所、議員に配布されます。
市民のみなさんが議会傍聴をする際、会期中全てを出て内容を把握するということは不合理であろうし、特定の政策課題について傍聴を希望する市民が、自分の関心のある課題についてどの時点で議論されるのか把握したい、そのためにこの「一般質問通告書」の内容を事前にホームページで閲覧させてほしい、というのが請願の趣旨でした。
担当の議会運営委員会で審議し、議員より先に公開しない、などの条件を付して、公開をすることを前提に今後やり方について検討する、という意見を得ています。
→全会一致で採択
〈採択とならなかったもの〉※不採択はなし。
△請願8号 子ども医療費の無料化を(中学生まで)拡大してください
担当の民生常任委員会で検討したところ、要望は高いものの、予算や小児医療の提供体制など実現するためのハードルについて再検討したい、という意見が多く、継続審査となりました。
〈私の対応〉民生常任委員会に所属している私も判断を求められました。私自身も判断材料がまだ少ないので、少し時間をもちたいと思い、継続審査を支持しました。
社会保障について、税や保険料と、受診料や利用料とどちらか負担を重くすべきかということでは基本的に税や保険料でやるべきという考え方です。社会保障が必要なときというのは確率論みたいなものでたまたまその人その時に必要だからだと思っています。運悪い人に重い負担を課すより、社会連帯で負担をした方がよいからです。さらに、来るか来ないかわからない不運のために全員がせっせと貯金すれば、経済はその運用先の確保と利息を捻出するために破綻します。
ただし、受診料や利用料の無料化は、安易な社会保障の受診・利用を促して医療や介護の供給がパンクしてしまう可能性もあります。そのあたりの妥当性を今後探っていきたいと思っています。低所得者に無料化の政策をとりつつ、その他の多くの人には若干の自己負担を残して軽減するというのが妥当なところではないかと思っています。確かに今の5割負担というのは重すぎる感じがします。
※余談ですが、インフレを前提にした借金頼みで、税も保険料も受診料も利用料もすべて安くという政策はもうできません。今以上の安心社会を作るためには、今、政府で議論されている社会保障と税の一体改革について、増税した分すべて社会保障の財源として国民に返す考え方ですから、細論では異論がありますが、半歩前進として私は評価する立場です。ギリシャやスペイン、イタリア以外の西欧諸国は必要なコスト負担をどうするかという問題から逃げてきませんでした。民主党の国会議員にはこの問題を増税問題だけに矮小化せず政局化しないように望みたいところです。また国民には社会保障の負担増を、広く薄く負担してもらった公費による支え合いでやるのか、病気や手助けが必要なときに税金を払わず貯めてもらったお金を自己負担でやることがいいのか十分考えてもらうように投げかけるべきだと思います。
△請願10号 一般質問について一括方式もしくは一問一答式の選択制の導入検討の件
担当の議会運営委員会で検討したところ、他市議会では国会の委員会審議のような一問一答式の導入が進み、その方が市民にわかりやすく課題について深堀りした質疑応答が可能だ、と認識しつつ、技術的課題についての検討や、他の議会改革に関する課題とともに今後議論していく必要がある、として継続審査となりました。
【議員提出議案】
○議案7号 朝霞基地問題の利用促進を図るため国の理解と協力を求める意見書
市議会から国に提出する意見書です。内容は①宿舎予定地3haは迅速に市民の利用することができるように②土壌汚染の除去は国の責任で行う、③公園予定地については国有財産法22条の規定により無償で貸し付けを、という内容です。
→全会一致で可決
【朝霞市が加入している一部事務組合・広域連合の人事】
○朝霞地区一部事務組合議会議員の補欠選挙について
朝霞市は消防、一部障がい者福祉施設の運営、屎尿処理を和光、新座、志木市と共同で行うために朝霞地区一部事務組合を設置して、各市から長と議員をそれぞれから送り出しています。議員は各市の市議会議員の中から会派間のバランスを考慮しながら4人を選出しています。今議会の期中に、議員の所属会派の変更があったことにともない辞職願が提出され、代わりに私が選出されることになりました。
→全会一致で承認
●無所属で立候補・当選した14人の議員のうち4人以外は、議会内の政党のようなグループ「会派」を結成されました。私は、今回(多分当面の間も)会派に属しないで、完全な無所属議員として議員活動を始めましたが、善し悪し両方あります。
マイナス面は、様々なことが会派間調整で決まっていくので、議長人事などを中心に根回しの外におかれることなどがあります。また議会というところは多数決原理や、議席比例で意志決定していく面が多いので、一人でいるということは非力な面もあります。
プラス面は、朝霞市議会は、公式な会議の場(議会運営委員会や会派代表者会議)で、無所属、一人会派議員に対してオブザーバーとして参加を求められるので、一年生議員であっても議会の運営に関しての諸調整の場に立ち会い、ときに言わなくてはならないことは発言することができます。そのことで鍛えられる、と実感しています。無所属・一人会派議員で控室が一緒なので、議案の採決や人事案件について、休憩時間などに他の議員と討論して、自分の意見と他の議員の意見の違いをすりあわせてみたりすることもありますが、基本は自由な立場で、自らの信念と支持者がどうして私を送り出そうかと思った気持ちを考えながら、是々非々主義を貫けると思っています。
獅子倉議員という純粋な保守の世界にいる議員の方と無所属室で一緒に行動してみると、保守の人たちが曲がったことにぶちあたったときの問題意識の持ち方、仕事の処理の仕方など結構勉強になりました。
●次回市議会定例会は3月になります。おおむね2月中旬に日程が公表され、市民による請願、議員による一般質問通告が締め切られます。その間、民生常任委員会の「所管事務調査」などが行われます。
また次の議会までの間、できるだけ多くの方、とりわけ福祉事業をされている方や教育施設にお伺いして課題についてお聞きし、意見交換をしていきたいと考えています。
●ブログの内容に重複しますが、今議会の報告と近々、議会報告の発行と議会報告会を開催したいと思っています。
●朝霞市民のみなさんには、公職選挙法の規定で来年(今度のお正月)から年賀状をお送りすることができなくなりました。なかなかお会いできない人には数少ないコミュニケーションの手段で残念ですが、確かに政治家が有権者に年賀状を出すときりがないので、それを避けるための制限だと思って諦めるしかありません。
なにとぞご容赦いただきたいことと、都内通勤がなくなったのですから、リアルなコミュニケーションに努めたいと思います。
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