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2011.11.19

11/19 泥臭く妊婦にやさしい職場に変えていく

労組職員以来参考にしているブログ「hamachanブログ(EU労働法雑記帳)」で、産経新聞の女性記者のできちゃった婚の奮闘記が紹介されています。ここ10年ぐらい厚生労働省を中心に、妊娠や出産を必要以上に美化して、両立して働くことがスーパーウーマンになれるというような幻想をふかれてきましたが、やっぱり子育ては大変なんだ、職場に迷惑をかけることなんだ、という現実から出発し、泥臭く職場を変えていこうとするこの記事にとても好感を持ちました。私自身の子育てと労働の両立もこれに近い体験です。蓮○さんのような美しい両立を俗人がまねることはできません。
イデオロギー的な記事は合いませんが、産経新聞(あるいはフジ・サンケイグループで捉えた方がよいような)のこういうところが憎めないところ、よいところです。「SPA」などもそんな感じですね。

●少し遅くなりましたがご報告です。14日をもって、自治労中央本部を正式に退職いたしました。長年、お世話になった方々に厚くお礼を申し上げます。
最初の仕事は、労働組合どうしの競合対策でした。同じ職場を根城にする他の労組の弱点を分析し効果的なツールを作ったり加盟組合が他の上部団体に引き抜かれないように対策のための教育をすることです。先輩に教わってやっていました。そこで学んだことは、全員参加型をめざす労働組合を作らないと、それなりに交渉権があったり組合財産があるので、労働組合は極端なイデオロギーを掲げたり、後ろ暗い組織を持っている人に乗っ取られる可能性が出てくるということでした。新人の全員加入をめざせ、イベントはムダだと思ってもサボるな、合コンの仲介を厭うな、できちゃった婚をした組合員が人事課より先に相談される組合になれ、とか後の教育担当になったときに活かされる勉強となりました。
次の仕事が社会福祉政策担当でした。小泉政権前夜で、公的機関による福祉サービスが非効率だと叩かれ始めた時期でした。規制緩和が保育や介護に向けられ、そこで働く人たちの意欲や生活維持を全て否定されるような「既得権益」などという言葉が飛び交って政策決定され始めた時期で、それに対抗する理屈や運動を作るために、公的な福祉について根本から考える機会をいただました。今日最も財産になっている仕事だと思います。
次が機関紙発行の担当でした。取材を通じて組合員や様々なステークホルダーの方々にお会いして文字にしていくことが何よりの楽しみでしたが、一方で無味乾燥な文字ばかり並ぶこのブログをお読みの方はおわかりかと思いますが、私が図画工作的なことが苦手で、不得手とする苦労も多くありました。
人事交流で共済事務の仕事もしたことがあります。これまで定型業務ということをさせてもらえたことが極めて少なく、仕事を最も落ち着いてできた時期ではないかと思っています。またこの時期に、子育てに十分な力を使えたと思っています。
次が自治体のパート労働の問題です。労働基本権を否定して家父長制的保護下におかれている公務員制度と契約原理の民間労働者への保護法制のすきまにあって全く雇用の保障がない彼らの問題は深刻でした。そして私が担当した頃には、かつての事務補助というイメージではなくて、女性職場の現場部門を中心に市町村の仕事の3~5割を担っていて、市民は当たり前の自治体のサービスとして彼らが時給750円~1000円(年収180万円以下)で提供するサービスを受けている状況でした。地域の有力者に「おまえら高給取りの公務員が」と怒鳴られるのは最前線に立つ彼らだったりするギャグみたいな話もありました。好き嫌いの一方的解雇にあった人を救済しようと走り回っても保護する法律がなく、結局最後は人間関係的なところで問題解決を図るしかなかったこともあります。
労働組合自身としては、彼らを労働組合に迎え入れなくてはならないのは当たり前なのですが、「正規職員の仕事を奪う」「腰掛けOLのような存在」といった誤解や、過去の確執が壁になって前になかなか進まなかったのは辛い現実でしたが、いろいろ火付けをしてきました。ささやかですが自治体のパート労働者の組合員化は進んだと思っています。また組合員化を取り組んでくれた全国の組織化担当者には本当に頭が下がる思いでした。西方のある県では県下の自治体のパートの保育労働者の約半数近くを組合員化して、生活できる水準には行かなくても、働くことに誇りを維持できるぐらいに賃金相場を改善させたところもあり、そういう報せを受けるとほんとうにやってよかったと思いました。
最後の仕事が教育センターと労働組合の男女平等です。
労働組合における組合員教育は、かつてはイデオロギーにもとづく党派やその下の派閥が組合運営をめぐり切磋琢磨するなかで労働組合の人材育成が行われてきましたが、イデオロギーが無になって党派や派閥が機能しなくなり、労働組合役員の人材育成システムが機能しなくなりました(たとえが悪いですが総主流派体制になって政治家がダメになった某党みたいな状況)。大量採用の団塊の世代が残っていた3年ぐらい前まではそれでもだましだましやれましたが、もはや世代交代が一気に20年ぐらい進み、労働組合の組織自体で核となる役員の育成をしなければならないという問題意識が教育センターの課題でした。
さまざまな若い組合員に会い、講師をセレクトして討論では気づきのきっかけを作るのが私たちの仕事でした。、新任の組合役員が職場の中の課題をより高いレベルで取り組めるようにするとともに、産業別労働者としての視点を作っていくことをめざしました。ユニークな講師や自治労に批判的な講師を招いて鍛えたこともあります。全国の多くの若い組合役員、そのうち3分の1はまた職場に戻って組合幹部として再登場する候補生たち、そうした人たちの交流は忘れがたい思い出になりました。
男女平等については、政府の男女共同参画第三次計画の水準に遙かに及ばない労働組合の男女平等をどうしていくかというのが課題でした。労働組合の女性参加率をどう高めていく、数合わせだけではなくて質的な変化をどう求めていくか、そうしたことも課題でした。ここもイデオロギーの無化が影響しているのですが、団塊世代以前の骨のある女性の組合役員が退職していく中で、再び組合役員が男だらけになっている現実は課題だと思いました。男だけの問題ではなくて、女性も含めた問題であったし、加盟組合の男女平等がなぜ進まないかという話に成っていくと、家庭責任がすべて女性に押しつけられていて、女性労働者は組合活動は断っても仕方がないんだ、という日本社会の風土に課題があると思いました。

3000加盟組合、100万組合員の事務局として働き、様々なことに出会い、13年半、本当に学ぶことが多かったと思います。お世話になった方々に重ねてお礼を申し上げます。

●自治労職員というだけで偏見のまなざしをむけてきたり、必要以上にヨイショする若手政治家たちとの交流も、一つの人生の機会だったのではないかと思います。世の中で勧善懲悪的に格好いいこと言う人に対して、少し冷ややかな視点を持つことができました。

●非営利団体で働くことが一つの理想とされています。個々の職員レベルにおとされる目標設定もあいまいで、人材教育も手薄で、人間関係の処理が多くのウエイトを占める非営利団体で働くことは本当に大変です。特に職業訓練を受けてこなくて、過酷なシューカツに学生時代の後半を費やした新卒の人には本当に大変です。しかし、過度にシステム化されたこの社会で人間くさい仕事をしたいと思われる方にとって労働組合職員となることは、一つの機会だと思います。新規採用職員募集の説明会の職場紹介に登壇させられると私はよく、分業化されたスーパーで働くのではなく、営業、経理、配送、業務、仕入れすべて自分たちでやらなくてはならない八百屋のような仕事です、と仕事の質を紹介してきましたが、いろいろなことを体感的に仕事にしてみたいと思う方にはおすすめの職場だと思います。

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