11/13 問題の多い住民税減税政策
市民税減税を訴える新人候補予定者が出てきました。私はこの立場に一線を画したいと思っています。
この人は人格的にもすぐれており、今も在職しながら準備をしているということではとても尊敬できる方なのですが、減税という俗耳に入りやすい政策に飛びついたということば極めて残念なことだとおもわざるを得ません。
朝霞市の財政は今、実質単年度赤字が続いています。これは借金による歳入やその返済のための支出、先送りした支出や前年度繰越金などを調整した、単年度の純粋な収支が赤字ということです。財政には余裕がなくなりつつある状態で、市民に甘言を簡単に言える状況ではないと思っています。
ムダゼロをめざすということも大切だと思います。しかしそれは終わりのないたたかいであり、出せる金額は減税できるような水準にはなりません。減税財源を一朝一夕に捻出する決め手にはならないことは、ムダゼロで増税なく福祉を充実できると公約した民主党政権誕生の政策判断ミスを思い出すべきです。
私は減税のために市民サービスをあれもこれも切り下げるよりも、ある程度税収を確保してでもきちんと行政サービスを構築する方が結果として市民の実際の支出の負担額は少なくなると思います。
たとえば市の発注する工事について、ダンピングをかけすぎると、受注した業者は人件費を切り下げたり、仕事に使う人員をカットしたり、障がい者の雇用をやめてしまったり、かえって福祉の需要を誘発し財政を圧迫してしまいます。私が知っているのは朝霞市の話ではありませんが、賃金の低い保育労働者や介護労働者では、生活保護をもらいながら働いている人もいます。
学校に使うコストをカットして教育水準を低下させれば、今度は市民は塾通いの人が増えて、市民の負担は大きくなります。
保育園を作らず待機児童を溢れさせておくことは、市民の収入低下になりますし、一方では認可外保育園のための費用負担に市民は悩まなくてはなりません。この負担は税金ではないものの、税金が機能しないために払う税外税というべきものです。
今の住民税の水準が高いのかと言えば、絶対額ではそう思うのでしょうが、国際的には低い方になります。それは日本が世界に冠たる地方交付税制度があって、自治体の財源はすべて自分の自治体で賄わなくてもよい制度になっているからです。朝霞市はこの交付税を年によってもらったりもらわなかったりしている自治体なので、トントンということになります。そのレベルで住民税の減税ができるとは思えません。
私は減税するような財源があるなら、もっと朝霞市はやるべき課題があるだろう、と思っています。他の自治体より税金が安いことだけで住みやすい都市になるとは思えないでいます。
●革新政党のビラをいただきました。こちらには「介護保険料の軽減」という公約が掲げられていました。これは介護労働者の低賃金政策を続けるべきと宣言しているも同然の公約です。あるいは利用抑制をやれということでしょうか。いずれにしても福祉の問題を深刻化させるものだと思います。
私は介護を受ける年金生活者の年金より低い、介護労働者の賃金というのは何とかすべきだと思っています。人材確保のためにも他の産業で働く労働者とある程度肩の並べられる賃金水準にしないと、介護体制は宗教団体以外支えられなくなると思っています。
またこれからの高齢社会において利用抑制も注意すべきだと思います。介護の利用抑制を行えば、重度化してから福祉のお世話になる高齢者が増えるということです。そのことがどういうことをもたらすのか、福祉の充実を訴える革新政党なら十分に考えてもらいたいと思っています。
●一方、固定資産税については、やや疑問に思っていて、高すぎると感じています。朝霞市の都市計画の土地用途規制が他都市よりやや甘く、同条件の土地なら他都市よりワンランク高い建物を建てられるようになっているため、固定資産税の基礎となる土地評価額が高くなっているのではないかと疑っています。
ただしこれも現在の朝霞市のように実質単年度赤字が続いている中では、減税できるかというと疑問になります。固定資産税の減税は土地や住宅を持てる階層にとっての減税となるので、優先度は一歩下がるものになるのだろうと思います。
●よく○○市は税金が高い、低い、という議論が行われますが、日本の今の税制では、自治体別の税金の差はほとんどありません(自治体の規模や種別によって数百円程度の差はあるのと、自治体独自減税を行っているわずかな例外のみ)。全国統一の税水準のもとで、税収の少ない自治体は地方交付税を補う制度になっています。
ただし固定資産税については、評価額がベースになるので、その土地の評価がどうなるのかで税金の高低が現れます。評価額の算定は土地の取引価格が反映されるので、高い建物が建てやすいところや商業地がたくさん指定されていれば、実際の利用実態より高くできる面もあります。
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