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2011.10.02

10/1 野田首相、朝霞に来て国家公務員宿舎について判断へ

一転、米軍基地跡地の国家公務員宿舎建設が凍結されそうな見通しが立ってきた。連日の報道や野党の追及、連立与党内からのくさしもあってか、野田首相が基地跡地に来訪するという。昨日の福島県双葉町長の怒りもかなり影響を与えたのではないかと思う。

野田首相が来て、事業続行という判断をするとは思えない。さらに過熱する報道に油を注ぐ結果になるからだ。野田首相には賢明な判断をお願いしたいと思っている。

●想定されるのは3通り。
①建物建設は続行し、長期にわたって故郷に戻れる見通しの立たない原発罹災者のための住宅として提供する。この場合、建設を進める国の評価はぐっと改善し、事業者に対してもいい顔できることになる。一方、国家公務員を前提として税収を見込んできた朝霞市は見込みはずれの結果となる。ときには朝霞市は失業や貧困対策のための施策を求められることになるだろう。
②凍結としておく。基地跡地の利用がまた宙に浮くことになるが、自然は守られる。ただ一方で、この間の財務省や選挙区民主党議員たちの暗躍みたいなことで再び「解凍」される可能性がなくなるわけではない。まぁ、しかしたかが公務員住宅1つで若干沈静化してきた公務員バッシングをひきおこすのはあまりにも愚かな政治判断であり、事業再開は難しいだろう。基地跡地の利用計画そのものの再出発が必要になると思う。
③中止。この場合懸念されるのは、税収の問題で中止するから、民間払い下げとなること。そうなると、乱開発になってしまう可能性もある。市内には大型ショッピングセンターを誘致したいなどという田舎者的要望もあり、都市計画で厳しい規制をかけない限りは、市にとっても、市民運動にとってもまた不透明な混乱に入っていく危険性もないわけではない。

●今度は大林組やそこが作ったPFI会社からの損害賠償請求が問題になるが、以前建設額の4割もの損害賠償の見積もりがされていたが、これは焼け太りというものだろう。製品を作ってもなければ納品してもない、資材だって買ったかどうかあやしい、しかも市民運動が前から積極的に運動していて、政治リスクがあるとわかっている事業を引き受けて、定価の4割もの損害賠償を要求する非常識な会社があるだろうか、という評価になるだけである。損害賠償請求については、きちんと刈り込みが必要である。また、そんな非常識な金額を請求してもよいという契約書を作った、財務省の担当者の責任を明確にすべきである。

●マンションの大規模修繕工事を進めているが、着手金は2割、5割完工で4割、完成時に差額精算という契約になっている。建設当初段階で4割ものコストをかけているというのは民間で考えられる常識なのだろうか。

●基地跡地の土地については、所有権の問題ではなく、土地は社会の共有財産であるかも知れない、という留保をもってきちんとした規制をかけるべきだと思う。所有権の問題にすりかえられて、土地を誰が買うのかという話が、この基地跡地利用の話を混乱におちいらせてきた原因だと思う。それには朝霞市が明確に主体的に、朝霞市の市民合意が取れない利用のあり方については地区計画などで規制をかけていくべきである。

●国が民間に売却とか自治体に売却とかいう前に、この土地はどのようにして国が手に入れたのか、ということに立ち返って判断してもらいたい。ここは国家総動員法のもとで、当時の農家から国益のためと二束三文で買った土地であり、そういう土地を売却益目当てで地元に売ろうとするのはあまりにも問題のあるやり方だと思う。

●今回のこの問題をめぐる民主党の対応は非常に見苦しいものだった。第一に地元選挙区議員がゴネて要求したものが、党として党の理念や政策、過去の政策判断との矛盾がないか審査する機能が全くないことが明らかになった。事業仕分けを担当した本人たちが矛盾を言いくるめるような言い方をしていた。第二に、民主党という政党が国の財産について、ストックとフローの区別もついていないことが判明したことだ。古い国家公務員宿舎を処分して新しく朝霞に作れば差益が出る、などと言っているが、古い国家公務員宿舎の売却は、資産を現金に交換し、国は現金が入る一方で、資産を減らしているだけである。一方、新たな宿舎の建設費は経費であり資産の形成ではなく、純然として現金が出ていくだけである。そうした経理的な常識がまったく通用しない議論がされてきた。第三に、地元選挙区議員の判断については、大臣クラスの人でとえディベート的白を黒という強弁で追認せざるを得ない、選挙区王様主義の民主党の組織システムに大きな問題を感じた。党のエートスや理念や政策と矛盾したことを選挙区議員が平気でやっていても、党として統制できない組織というのが、著しく埼玉4区における民主党関係者のモラルを下げているように思う。与党第一党と野党第一党は天下の公器だと思う。組織の私物化のようなことはやってはいけないし、組織として認めてはいけないように思っている。第四に、朝霞市民を民主党はなめきっていたということである。上田党の地元で、ゴネても何しても、事業を強行すれば、最後は「決まっちゃったんでしょ」と文句はいわない、と思っているふしを感じた。さらにはこの事業は市民の多くが自民党が推進していると誤解してくれている、みたいな開き直りがあったのではないか。

●最後に、これの反対する市民の側も、市議会の勢力逆転を狙わなかった4年前の市議選、市長をひきずりおろすべき2年前の市長選で、明らかに政治的アクションを消極的にしか行わなかったことの総括が自分も含めて必要だと思う。特に市長選挙では、大局を見ることができずに個人的願望で状況をひっかきまわし、候補者になる可能性のある人を潰してしまった一部の人たちの責任は大きい。今でも口惜しい思い出である。その結果についてこの4年間、市長はずっと私たちの側の足下を見てきたわけである。

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コメント

こんにちは。

朝霞宿舎、当面は凍結とのこと。

取り敢えず良かったですね!

投稿: しっぽなぁ | 2011.10.03 13:52

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