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2011.09.26

9/26 今頃だけども国家公務員宿舎建設問題がマスコミで炎上中

朝霞の国家公務員宿舎建設問題が、急速にマスコミに注目されて、連日報道されている。職場でも、朝霞ってこんなことあるんだね、といろいろな人に言われている。

今日こんな事態になったのは、国家公務員宿舎建設に反対するのは左翼っぽい一部市民のたわごとと位置づけて耳を貸さなかった、朝霞市、財務省、民主党の鈍感さに起因するものだと思う。他省庁に支出の抑制を呼びかけ、国民に増税を求める財務省が、自ら役割の終えた公共事業に手を出していることが、財務省批判の材料に使われると気づかない鈍感さの問題がある。選挙区の代議士が、党の理念やイメージと違うことを平気でやっていながら許すばかりか、有権者の批判からみんなでかばう民主党の鈍感なシステムがある。文句を言う市民を市の体制に組み込んでいる市民に批判させれば抑圧できると考えている市役所の鈍感な発想がある。そうした鈍感さの矛盾が、今回マスコミの格好の批判の材料にされている。

しかしもう半年早くこの問題を報道してくれればと思う。いまさら報道されているのは、増税問題の政局ネタなんだろうなぁと諦観しつつ、推進した人たちが多少なりとも社会的批判を受けていることは全く意味がないと思いながら報道を見ている。

●自民党の早川忠孝前代議士が公務員宿舎建設反対運動を公務員バッシングとレッテルを貼り、なんだかよくわからないマスコミ批判をしている。まったく論理になっていない。自衛隊、刑務官を引き合いに出して、朝霞の公務員宿舎の建設の批判を再批判しているが、刑務官は刑務所の近隣に住まなくてはならない前提になっているし、自衛隊にしても刑務官ほどではないが職場から離れたところには住めない。朝霞の宿舎にはこれらのやむを得ざる事情で住む人たちではない。この論理なら、さいたま新都心や永田町や霞ヶ関に近いところに宿舎があるべきだろう。
また「公務員は公共の利益に奉仕し、公の為に仕事をする存在である」といいながら、残念なことにこの公務員宿舎の存在は、多くの市民からはその反対にしか見えていない。それに納得のいく説明がほしいところだ。また公務員という身分だから公共の利益に奉仕しているはず、という前提づけも、国が推進する事業が国民の理解や必要性を遊離し、暴走する論理である。

私は公務員を厚遇することもときには必要なときがあると思っている。しかし、それは社宅ではなくて、もっときちんとした処遇であるべきだ。普通に家をさがし、不動産屋と契約し、他の職業の人と交わりながら暮らす、そういうことが公務員には必要なのではないかと思っている。
また地方公務員と国家公務員の二元論とか、公務員バッシングと同じくらい下品な論理である。また、郵政民営化によって国家公務員から外され、小泉政権が選んだ経営者の経営判断ミスによるゆうぱっくの失敗で経営悪化しボーナスカットを喰らった郵政職員など、どうとらえたらいいのか。公務員=自衛官や刑務官など体を張った権力的な仕事しかないわけではない。くそもみそも一緒にした議論は何とも理解不能である。

●朝霞の公務員宿舎建設を容認することは、早川氏にとっての埼玉4区の政敵の勢力を加勢するだけである。地元の自民党県議会議員がどのように発言しているのか聞いているとは思うのだが。
また、早川氏が唯一小選挙区で当選したときの総選挙は、小泉純一郎首相の公務員バッシングが追い風だったのではないか。

●みんなの党をかばうつもりはないが、みんなの党の国会議員の宿舎に批判をあてるのも間違いだろう。国会議員は主に選挙区に自宅があって、国会のために東京に出てくる必要がある。それは厚遇でも何でもない。業務上の必要性だ。私は大阪に本拠のある本間正明氏が政府の審議会の委員のために公務員宿舎をあてがわれたことも、厚遇などと批判するつもりはない。本間氏についてはあくまでもそのイデオロギーと政治的影響力しか批判したことはない。しかし一方で、東京を起点に全国を転勤している国家公務員にとっての東京近辺の公務員宿舎の必要性は全く別次元の問題である。純粋にそこまで待遇をする必要があるかどうかの問題である。

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コメント

初めまして
梁田さんからフェイスブックを通じて、黒川様のブログを知りました。以後、よろしくお願いします。私のブログは音楽や映画のことも多いですが、当然、政治、歴史等についても書いており、最近では当然、今度の大震災や原発問題を書いています。
私は3月の後半の段階で、「電力は足りている」、「計画停電なんて<原発が重要>ということを認識させようとする世論誘導以外の何物でもない」、「巨大な天災による免責条項適用、なんてとんでもない責任逃れ」等々書いてきています。
フェスブックにも書きましたが、私は生まれ自体は東京、両親の出身自体は長野県ですが、私が小学校の2年(1965年)から朝霞に移り、今も高齢の両親と妹夫婦が住んでいます。歌手の本田美菜子さんは朝霞に住み、朝霞をこよなく愛していたので、残念な他界後、私を含む多くの意志表示もあり、市長自ら美菜子さんに関するイベント等をやってもらったことは感謝しています。
しかし、今回の公務員公舎建設は絶対に許せない。この、まだまだ東北での被災者、福島原発に関する避難者等の生活がままならない状況下で、税金を使っての巨大なマンション(そして入居者には安価になるはずの)2棟建設なんて有り得ないと思っています。それこそ、ちょっと敢えて過激な言葉を使うなら、「いかなる手段を用いてでも阻止」したいくらいに思っています。
もちろん、昔のようなテロ的なことは許されないにしても、市長選や(これを推進する)県議会議員選、国政選挙等の際には、これに徹底的に反対する側に立ちたいと思っています。
今後、黒川様のこのブログは拝見させていただくようにします。私のURLは示していますが、一応下記にも記します。よろしければ私のブログにもリンクさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
http://susumuito.cocolog-nifty.com/blog/

投稿: 伊藤晋 | 2011.09.30 01:32

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